御茶の水美術専門学校は、実践重視の「職業教育」を行う美術専門学校で、クリエイティビティーを活かしたビジネススキルを身に付けることができる専門学校です。 入学から卒業までの必須授業として年に4回「産官学連携授業」を行い、大手有名企業から中小企業やNPO・NGO団体と連携して、実際に社会に存在する課題に挑戦し、学生のビジネススキルを社会で通用できるレベルにまで育てていることが特徴。 「ゼロからはじめてプロになる」 このキャッチフレーズの通り、御茶の水美術専門学校で学ぶ学生それぞれが初心に戻り、クリエイティブを仕事にする方法をゼロから獲得し、実際にプロになって仕事にすることができるよう、カリキュラムを編成しています。 「自分のアイデアを視覚化しながら論理的に説明し、他者の意見も同様に受け入れ活用する能力を育成すること」を教育の実施方針とし、全ての人が自分らしさを発揮し、多様な価値観を掛け合わせて良いクリエイティブを生み出せるよう、多様性やSDGsを学校全体で大切にしています。
「多様性が確保されていないと、良いクリエイティブは起こり得ない。むしろ多様性をどう活かしていくかが大切だ。」そう語るのは、御茶の水美術専門学校の校長を務める服部先生です。専門学校としては唯一、持続可能な発展を目指すプラットフォームであるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)に加入している御茶の水美術専門学校。授業の中でもSDGsやLGBTなどダイバーシティに関わる内容を多く取り入れ、これから社会に羽ばたいていく学生にとって大切なことを伝えているそう。一年生の授業では教壇にも立っているという服部先生にダイバーシティへの想いを伺いました。 ■学校案内書にも大きくSDGsのことが書かれていたりと、多様性の尊重をとても大切にされているんですね。 クリエイティブの基本として、多様性が確保されていないと良いクリエイティブは生まれないんですよね。例えば、同じ趣味の人だったり、同じ価値観を持っている人だけが集まって何かを生みだそうとしても、何度やっても似たようなものしかできないんです。 私たちがやっている授業の一つにプロジェクトベースドラーニングという、社会に実在する課題を見つけてそれを解決するための計画を考え、チームで協働しながら取り組む学習法があります。主にチームで課題に取り組んでいくのですが、このチームは学生同士で話し合って組むのではなく、毎回、先生がランダムに選んだメンバーをチーム編成をしています。なので、どんな人とでも一緒にプロジェクトを進める必要があるんです。これは社会に出ても同じですよね。色々な人がいるということをちゃんと認めて、その多様性をうまく活用することが、根本的にクリエイティブの世界では必要なんです。そこに、相手の宗教とか国籍とか肌の色とかLGBTなどのセクシュアリティとかは関係ないですよね。 ■SDGsを推進するための国連組織であるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)にも加入されているそうですね。 私たちは、日本の専門学校では一番にグローバル・コンパクトに加入しました。グローバル・コンパクトとは、グローバリゼーションが悪い形で広がっていって、企業が利益のために環境を省みないで生産し続けた結果、今の状況が生まれてしまっているので、それを企業の側から良い動きを作っていこう、としているローカルネットワークです。国連の関連組織にあたります。それくらい、学校全体として持続可能な開発目標を支援しています。例えば、学校で使用する電力は全て再生可能エネルギーになっています。 実際、日々の授業からSDGsを学生に意識してもらえるようにしています。産官学連携授業といって、学生が学外の営利・非営利組織を代表する社会人とコミュニケーションをとって、課題発見や課題解決に取り組む授業を行っているのですが、そこでは実際に企業にプレゼンテーションをします。すぐに利益が望めるような提案もよいのですが、長期的視点を持つこと、SDGsの観点で持続可能な提案になるようにアドバイスしています。 ・「コストを安く抑えるって言っているけど、安くした先で不法な労働が行われていないかな?「つくる責任 つかう責任」の観点から考えたらどうだろう。」 ・「そのアイデア、環境不可の大きいゴミが増えてしまうのではないかな?」 このような会話を通して、日常的にSDGsについて話せるようにしたいと考えています。 ■産官学連携授業では、JobRainbowを含め、多様な企業や非営利団体と連携されているそうですね。 JobRainbowさんにも5年ほどご協力いただいていますね。「だれでもトイレのデザイン(マークと内装案)を考えてください」「中年層(40~60代)に対して、LGBTと仕事の課題を顕在化した上で、BtoBのマーケティングプランを検討してください」といった出題をいただいて、学生たちも真剣に取り組んでいます。 この産官学連携にご協力いただいている企業さんも、本当に様々です。大手有名企業さんや、缶詰工場の会社や、最近は、子どもの権利が守られ、女性が差別されない社会の実現のために活動をされているプラン・インターナショナルという国際NGOさんもお呼びしました。色々な業界・職種の企業や非営利団体の方と関わることで、色々な世界や価値観があることを学びますし、それを知って卒業するのと知らないで卒業するのとでは大きな差が生まれると思っています。 美術にすごく特化している学校というわけでもないので、絵は描けないけど企画で勝負したいという人もいますし、同質性を重視する学校と合わずに居場所がなくなってしまったような人もいたりします。多様性をもっと盛り上げたい、SDGsやジェンダー平等を意識したい、と考えている学生も多いんです。私自身がカトリックなので、あえてカトリックの話を授業で言ったりすることもありますし、先生も学生もそれぞれ、多様性を大切にしています。
■御茶の水美術専門学校とは、どのような学校なのでしょうか? 御茶の水美術専門学校は、文化・教養分野において実践重視の職業教育を行う専門学校です。「産官学連携授業」を中心に授業を編成して、将来どのような仕事についても力を発揮できるように、社会人に必要なビジネススキルを学生に身に付けていただきます。 主に「デザイン・アート科 3年制」「高度デザイン・アート科 4年制」という科を設けており、デザインを細かく分類するのではなくあえて一つにすることで、今必要とされているジェネラリストのような動きができたり、複数にまたがったデザインができるようになったりと、将来の仕事にプラスになると考えています。3年制に在籍する学生が多く、1~2年で技能や知識を学んで、3年から実戦として就活を経験し、学んだことを卒業後に就職した先で役立てていただくようなイメージですね。 ■常勤の先生は学生にどのようなことを教えるのですか? 非常勤の先生だと、デッサンやマーケティングなど特定の科目について教えていただくのですが、常勤の先生は学年の担任の先生のようなイメージですね。入学した時から卒業するまで同じ学生を一貫して受け持っていただきます。3年間、学生に寄り添いながらマネジメントしていただくのがお仕事です。 最初学生が入学した頃は、高校では学ばなかったようなことを学ぶので、授業を聞いても単語の意味がわからなかったり、お互い初対面なのでチームでプロジェクトを進めようとしても話が詰まっちゃったりするんですよね。なので、「じゃあこれを考えてみよう」とか「何か困っていることある?」とか声をかけてファシリテーションする必要があります。 2年生になって慣れてくると、モチベーションが下がってしまったり、目的を見失ってしまう学生もいるかもしれません。その時には、叱咤激励したり相談にのってあげたり。3年生になっていよいよ就活となると、及び腰になったり、不安になる学生もいるのでフォローをしたり。ただ単にカリキュラムの講師を務めるだけではなく、社会に羽ばたく前段階の学生を精神面からも支えていただくようなお仕事になります。 ■お仕事の魅力はどこですか? 3年間学生のそばにいて間近で成長を見られるというのが、やはり魅力ですね。社会に羽ばたいていくにあたって、伝えておきたいことや持ってほしい覚悟など、在学中にたくさん言えるんですよね。卒業生もたまに学校に来てくれて、転職や進路相談にのることもあるんです。人生にとって大事な時期だからこそ、教えられることもたくさんあるのだと思っていますね。学生との適切な距離を保ちながら、私たちがディプロマ・ポリシー(卒業の認定方針)として掲げている、「クリエイティブの力を多様な価値観の表現手段として活用し、よりよい社会の実現を目指す人材の輩出」を実現できるのではないかと思います。 ■職場としての自由度もかなり高いそうですね。 一人ひとりを尊重することが当たり前になっているので、先生同士でプライベートに踏み込みすぎた質問をしたり、プライバシーを侵害するようなことはしていません。適度な距離間をお互いに保っていると思いますね。髪の毛がオレンジ色の先生もいますし、短いズボンなど、一見すると先生らしくないような服装で教えている先生もいます。学生にきちんと教えることができていれば、基本的に自由で、自分を偽らずに働いていただけるのではないかと思います。 だからこそ、学校の方針のもと、あなたが学生に教えたいことを、存分に伝えてほしいと思いますね。
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業種 | 教育 |
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所在地 | 〒1010062 東京都千代田区神田駿河台2-3 |
設立年月日 | 1955年11月 |
従業員数 | 53 |
会社URL | https://senmon.ochabi.ac.jp/ |