LGBTキャリアセミナー「はたらく×カミングアウトを考える」終了!
JobRainbowインターンのhomです。
先週土曜日、JobRainbow初のリアルイベントを開催しました。
「はたらく×カミングアウトの『リアル』と『未来』を考える」と題し、
キャリアについて考えたいLGBTの当事者学生を対象に、
さまざまな角度から「カミングアウトして働くこと」について考えてもらおうというセミナーです。
これまでの「LGBT向け就活イベント」では、
どうしても企業の採用活動・PRという側面が強くなってしまい、
学生は受動的に企業情報を収集するのみにとどまることが多く、
一方で、従来の「LGBTの働き方セミナー」では、
講演やディスカッションが中心になるため、
参加者が実際に自分がはたらくイメージをもちづらい側面があります。
今回のイベントは、この両者の良さを融合し、
企業の実情や取り組みの状況などを、最前線で働く社員の方々から聞いたうえで、
双方向的な意見交換を通じて、自らのはたらくイメージを具体的に練り上げる
きっかけづくりの場として機能させようと発足したものです。
当日は、30名近く、セクシュアリティもさまざまの当事者学生と、
JT,マイクロソフト、アクセンチュアの各社社員の皆様が一堂に会しました。
第1部:企業担当者×当事者社員×JobRainbowのクロストーク
前半は参加企業の取り組み紹介と、
企業担当者×当事者社員×JobRainbowスタッフのクロストークです。
「多様化推進室」という組織を設けてLGBT活用を進めるJT様から、
当事者社員が働きやすい環境・制度設計に関する先進的な取り組みについてお話しいただきました。
また、Microsoft様からは、社内LGBTコミュニティであるGLEAMの
「内からの啓発」について詳しくご説明いただきました。
クロストークでは、
【はたらくとカミングアウト】【企業と学生のマッチング】の2テーマについて、意見交換を行いました。
【はたらくとカミングアウト】では、
Microsoftで働く当事者社員の社内でのカミングアウト事情について、
豊富な経験談を交えながらお話いただいたり、
JT社内でのカミングアウトした社員の事例についてお教えいただきました。
【企業と学生のマッチング】では、
学生が企業を選ぶときの着眼点や、情報の集め方について、
社員の皆様から実践的なtipsをご提供いただきました。
クローズドなイベントにおいて、複数の企業がひとつのテーマについてじっくり話すクロストークだからこそ、通常の企業説明会では聞けないようなテーマにまで深く踏み込むことができました。
ダイバーシティ担当者や当事者社員だからこそ伝えられる、LGBTひとりひとりの働き方を応援する具体的なメッセージがぎっしりつまった1時間でした。
第2部:当事者学生×企業担当者の交流型ワークショップ
後半の目玉として設けたのは、
JT、マイクロソフト、アクセンチュアの各社の人事や当事者社員をお招きして、
参加者学生と混ざって議論をするという交流型のワークショップです。
就活に臨む架空のLGBT当事者のストーリーを読みながら、
当事者が直面する問題点について、学生と企業社員とが話し合います。
「志望企業の面接でカミングアウトするならどんなふうに言う?」
「ESに自分のセクシュアリティについて触れるのってどうだろう?」
「男女を区別したがる就活、当事者が気持ちよく選考に臨めるために企業はどんな配慮ができる?」
などなど、2編のストーリーから浮かび上がるクエスチョンについて、
LGBT就活生のについて活発な意見が飛び交いました。
これまで、当事者学生が企業に聞けずじまいでいた不安点について、
企業担当者の方が現場目線からリアルな解決策をアドバイスする場面も多く見られました。
就活に一つの答えはないからこそ、参加者の方々は頭を悩ませていたようですが、それぞれの立場だけからではわからない事情を本音トークすることにより、企業と学生双方にとって、新たな視座が開けたようです。
また、ストーリーを客観的に分析することにより、あらためて当事者がキャリアを自分ごととして捉えなおす際に考えるべきポイントをつかむことができたのではないでしょうか。
イベント参加者の感想
最後に、当日参加された学生の感想を一部掲載します。
- 就活を始めてからセクについて考え悩んでいましたが、今回のようなセミナーを通じて、カミングアウトとはたらくことを改めて考えるきっかけとなりました。どんな企業がフレンドリーなのかということに加えて、就職した後にどのようにすればLGBTの人たちも含めて働きやすい職場になるのか勉強になりました。
- 普段企業の方とお話しできることはないので、企業側からの印象や考えを聞けてとても参考になりました。また、改めてトランスジェンダーとLGBでは悩みや壁が異なると感じました。
- 同じセクシュアリティの人の中で正直固まってしまうことが多い中で、LGBTというマイノリティーというカテゴリーの中様々な観点から意見を交えられて、自身の知識のなさを感じるとともに前向きになれました。
イベントでいただいた学生の皆様からの貴重なご意見は、随時弊社JobRainbowのサービスにも反映させていきます。
今後に乞うご期待!
今回はこのようなテーマで開催しましたが、私たちはもちろん、カミングアウトして就活することを必ずしも推奨しているわけではありません。
社会が変化する中で不安に感じている点、疑問に思うことについて、いろいろな視点に触れて自分なりの考えやスタンスを作るきっかけの場を作りたいと思っています。
今回は初のイベントということもあり、大学生限定・小規模での開催で、実験的なコンテンツも多かったのですが、次回のイベントはさらにパワーアップします。
「はたらく」ことを考える幅広い層が集うことができ、たくさんの収穫を得ていただけるように企画いたします。乞うご期待!