HSPとは?【特徴・あるあるを解説】

ライター: Rickey
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HSPとは、”Highly Sensitive Person(非常に神経の鋭い人)”の頭文字をとっており、「音・光・匂い・痛みなどの刺激に生まれつき敏感で、他人の感情に強く影響されやすい気質の人」を意味します。

「繊細」「感受性が豊か」と言われることの多いHSP。
NHK ハートネットTV日テレ「世界一受けたい授業」「中田敦彦のYouTube大学」など、テレビやインターネットでも耳にするようになりましたが、実は人口の約15%〜20%(5〜6人に1人)がHSPと言われています。

「よく人から”考えすぎ”とか”神経質”って言われるけど、やっぱり私が悪いのかな」

「相手の行動から気持ちが伝わってきすぎて、逆にしんどい……」

こんなことを思っているあなたは、もしかしたらHSPかもしれません。

今回の記事では、そんなHSPの意味から特徴・あるあるまでを簡単に解説していきます!

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HSPとはどういう意味?〜病気ではない〜

HSPは米国の心理学者アーロン氏が提唱したもので、(感覚情報を脳で処理する過程に特徴があるため)ちょっとした刺激・相手の感情に対して敏感な人」を指します。
少し複雑な言い方をすると、「感覚処理感受性(Sensory-Processing Sensitivity, SPS)が高い人」です。

HSPの方は、特徴の一つである「敏感さ」によって刺激が過剰となり、不安・抑うつにつながると言われています。また、SPSの高さは人見知り・疎外感・ストレスの高さにも関係するという研究もあります。

ただ、HSPは病気ではありません。あくまで脳の感覚処理に特徴がある気質です。

冒頭で、HSPの人は約15%〜20%と述べましたが、これはなんと、「佐藤・鈴木・高橋・田中・渡辺・伊藤・中村・小林・山本・加藤・吉田・山田・佐々木・山口・松本」さんの人口を全て足したのと同じくらいの人数です。身の周りにいるこの苗字の方々を思い浮かべると、その数に驚く方も多いでしょう。

とはいえ、世の中の80%以上、つまり社会のマジョリティはHSPでないため、マイノリティとなっているHSPは「生きづらい」と感じてしまう場面も多々あります。

そんな「生きづらさ」にもつながる、HSPの4つの特徴「DOES(ダズ)」をアーロン氏は以下のように説明しています。

  • D:情報を深く考えて処理する(Depth of processing)
  • O:過剰に刺激を受けやすい(being easily Overstimulated)
  • E:感情の反応が全体的に強く、共感力が特に高い(being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular)
  • S:わずかな刺激にも気づく(being aware of Subtle Stimuli)

これらはそれぞれ、日常生活にどのような影響を与えるのでしょうか?

次の章では、HSPの方が思わず「たしかにある!」と言いたくなるような「あるある」の代表例をご紹介します。

もちろん、全てのHSPの方に当てはまるわけではありませんし、「これに当てはまらないから絶対にHSPではない」というわけでもありません。あくまでご参考にしていただけますと幸いです。

HSPの特徴・あるある

①情報を深く考えて処理する

顎に手を当てて考え込む人
  • 決断が下手:まだ起きていないことに対しても、「もしこうなったら……」とあれこれ可能性を考えてなかなか決断できず、行動に移すまでに時間がかかる傾向があります。また、手紙からSNSまで、文章作成も「この言い回しだと誤解されるかな」など手直しを繰り返すため時間がかかります。
  • ものごとを深く捉えたり考えたりする:一見すると大したことではないことでも深く掘り下げて考え、相手にも細かい・深い質問をします。人から「気にしすぎだよ」「考えすぎじゃない?」と言われたことのある方は、こういった行動が背景にあるかもしれません。またSNSでの既読無視にも敏感で、「何か気分を害しただろうか」「まずいこと送ったかな」など考え、何も言われずとも落ち込んでしまいます。

②過剰に刺激を受けやすい

③わずかな刺激にも気づく

耳を塞ぐ人
  • 五感が鋭い:鋭さの程度やバランスには差がありますが、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚が敏感で、その分細かいことに気づくとされています。なお、ストレスが溜まると感覚がいっそう鋭くなると言われています。

【例】

  1. 視覚:メイクが違う・インテリアの位置が変わった、など人や場所の外見上の小さな変化に気づく
  2. 聴覚:ライブハウスなどが苦手で、大きな音に驚き精神的にぐったりする。また、他の人よりも音量をうるさく感じてしまう
  3. 味覚:よく行くお店の味付けが変わるとすぐに気づく
  4. 嗅覚:ちょっとした異臭もひどいものに感じて気分が悪くなる
  5. 触覚:着ている服が一部でも濡れたりチクチクしたり、肌触りに違和感があるとそわそわ・いらいらする
  • 相手の感情が直感的にわかる:相手の表情・声のトーン・視線などの細かな変化に気づくため、相手の機嫌が良い/悪いも敏感に察知し、ときにはしんどくなってしまいます。この特性ゆえ、多くの人から見られたり実力を試される場では周囲に意識がいってしまい、いつもどおりのパフォーマンスができないことも多いです。
  • 1人の時間がないと息苦しい:良くも悪くも「気づいてしまう」ことが多く、ずっと人といると情報量・刺激が過多になってしまうので、1人になれる静かな時間・休息時間(ダウンタイム)がないと心が参ってしまいます。人混みで疲れやすいのも特徴です。
  • 自分を肯定することが苦手:人と自分の違いにも気づきやすい分、つい自分と他人を比べ、①情報を深く考えて処理するも合わさって「この人と比べて自分はここが劣っている、自分はダメだ……」といった思考に陥ってしまいます。

④感情の反応が全体的に強く、共感力が特に高い

辛そうに目を瞑る人
  • 自分と相手の線引きが難しい:共感性が高いからこそ、相手のことも自分ごととして捉えます。その結果、共感性羞恥を感じやすいだけでなく、相手に影響されて自分の意見がわからなくなったり、相手軸で行動するぶんつい無理をしすぎてしまったりします。
  • 嫌いな人のことばかり考えてしまう:つい相手と自分の間に線を引かず考えてしまう結果、自分の考えを否定されたとき「その人はその人」という考えよりも先に嫌悪感を持ってしまいます。また、そこから相手の考えに影響され「自分は間違っていたのかな……」とぐるぐる悩む傾向があります。
  • 優先順位をつけるのが下手:こちらも内容が重なりますが、自分で「○○したい」と思っても、周囲から「〜したほうがいいよ」など複数のことを言われると何をすればいいかわからなくなってしまいます。
  • 涙もろい:感情の振れ幅が大きいがゆえに、悲しいとき・嬉しいとき・悔しいときなど、特定の場面で涙を流しやすいです。

「もしかしてHSP?」と思ったら使える「HSPS」

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上記の特徴をご覧になって、「もしかしたら自分もHSPかも……?」と思った方は、HSPを無料でセルフチェックできるコンテンツをまとめたこちらの記事もお読みください。

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また、アーロン氏の作成した尺度「HSPS(Highly Sensitive Person Scale)」に照らし合わせれば、自分がHSPかをチェックすることができます。医学的な診断を目的に作成されたものではありませんが、多くのHSPの方は14項目以上に当てはまるとされています。

また、アーロン氏のHSPSを参考に、髙橋亜希氏(中京大学・名古屋女子大学 非常勤講師)は以下の日本版HSPS(HSPS-J19)を提案しています。

  • 大きな音や雑然とした後継のような強い刺激がわずらわしいですか?
  • 大きな音で不快になりますか?
  • 一度にたくさんのことが怒っていると不快になりますか?
  • いろいろなことが自分の周りで起きていると、不快な気分が高まりますか?
  • 明るい光や強いにおい、ごわごわした布地、近くのサイレンの音などにゾッとしやすいですか?
  • 忙しい日々が続くと、ベッドや暗くした部屋などプライバシーが得られ、刺激の少ない場所に逃げ込みたくなりますか?
  • 一度にたくさんのことを頼まれるとイライラしますか?
  • 短時間にしなければならないことが多いとオロオロしますか?
  • 他人の気分に左右されますか?
  • ビクッとしやすいですか?
  • 競争場面や見られていると、緊張や動揺のあまり、いつもの力を発揮できなくなりますか?
  • 強い刺激に圧倒されやすいですか?
  • 痛みに敏感になることがありますか?
  • 子供の頃、親や教師はあなたのことを「敏感だ」とか「内気だ」と見ていましたか?
  • 生活に変化があると混乱しますか?
  • 微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?
  • 自分に対して誠実ですか?
  • 美術や音楽に深く感動しますか?
  • 豊かな内面生活を送っていますか?

HSPって「治す」べき?

カップに入ったカプセル剤

HSPは、些細な変化や他者の感情に気づきやすく、生得的に傷つきやすい特性を持つと考えられています。

また、敏感さゆえに、ストレスの原因となりうるものを苦痛に感じやすいため抑うつ気分を抱きやすく、そこから「自尊心が低い・悩みやすい・自信が持てない」などにつながる、といった研究結果もあります。

では、HSPは「治すべきもの」なのでしょうか?

答えは「NO」です。

たしかに、HSPの特性によって心が刺激を受けすぎた結果、生活に影響したり、ストレスでうつ病などの疾患に移行してしまったりするなど、マイナスの側面はあります。

しかし、HSP自体は病気ではありませんし、あなたの一つの特性・個性です。その高い共感力や思慮深さが、誰かの「生きやすさ」につながる場面がきっと訪れます。

自分を責めず、ありのままの自分を受け止めてあげてください。

もし自分のネガティブな部分にばかり目が行くようになってしまったら、自分のネガティブな部分をポジティブに捉え直す「ネガポジ変換」(リフレーミング)をしてみてください。

「うまく変換できないな……」と悩んだときは、『HSPの教科書』(著:上戸えりな)と『自分らしく働くLGBTの就活・転職の不安が解消する本』(著:星賢人)を参考に作成した、こちらのネガポジ変換表をぜひご利用ください。

ネガティブポジティブ
暗い冷静・周りをよくみている
おとなしい穏やか
不器用マイペース・忍耐強い
落ち込みやすい真面目に考える
飽きっぽい好奇心旺盛・新しいことに敏感
こだわりがない状況に合わせて対応できる、周りに合わせる適応能力が高い
意見が言えない争いが苦手・平和主義
主体性がない・消極的サポート力・共感力がある・控えめ
コミュニケーションが苦手1人の時間を充実できる
人に合わせがち、周りの目ばかり気にしてしまう協調性がある
頑固真面目・芯が通っている
断れない相手を尊重できる
優柔不断ゆっくり物事を考える・思慮深い
気が弱い周りを大切にできる
心配性・考えすぎ慎重
細かい丁寧
のんき楽天的
口下手聞き上手

おわりに

肩を組んで歩く2人

HSPについてたっぷり解説してきましたが、一口に「HSP」と言っても特徴・度合いには個人差があります。

「書いてある特徴、当てはまらないものもあったけど……やっぱり自分はHSPじゃないのかな、自分だけがおかしいのかな?」

と不安になる必要はありません。人の性格や性のあり方はグラデーションですから、HSPだって様々です。

「HSP」という言葉にこだわりすぎず、むしろ生まれ持ったあなたの繊細さを大切にしてください。あなたの共感力、細やかな気配りに救われる人が必ずいます。

しかし、もし苦しいと感じたら。

その時は無理をせず、あなたは独りじゃないということを思い出してください。

あなたと似た特性を持つ、世の中の5人に1人はきっとあなたに共感してくれます。何より、私たちJobRainbowは絶対にあなたの味方です。

これを読んだあなたの「生きづらさ」が少しでも軽くなり、スッキリとした気分になりましたら幸いです。

私たちJobRainbowは、誰もが生きづらさを感じず「自分らしく生きられる」社会を実現できるよう、いつでもあなたを応援しています。

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