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Xジェンダーが仕事で困っていること5選
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はじめに
LGBTをはじめとしたセクシュアル・マイノリティの悩みには、仕事にかかわるものも強くあります。たとえば「LGBT」のなかにも、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーとそれぞれのセクシュアリティによって、就職や転職、または仕事中に抱える悩みなど、さまざまにあるでしょう。今回は、Xジェンダーの方が直面する、就労に関する悩みを5点にまとめ、ご紹介します。
- はじめに
- その1:スーツを着ることで困っている!
- その2:履歴書の性別欄に困っている!
- その3:将来の見通しに困っている!
- その4:Xジェンダーの理解がある企業に巡りあえない!
- その5:自分のセクシュアリティが揺さぶられて、困る!
- おわりに
その1:スーツを着ることで困っている!
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Xジェンダーの人々にとって、就職するときにスーツを着るかどうするかは、大きな課題として直面します。Xジェンダーを自認するということは、自分の性を男性でも女性でもない場所に置くことも、男性でもあり女性でもあるとすることも、性が流動的だと考えることも、すべて自由です。個人個人がさまざまな向き合い方をしていますが、しかし「男女のいずれにも属さない」ことは一貫しています。そのようななかで、男性か女性かをはっきりと区分けして見せている「スーツ」は、かれらの悩みの種となるのです。
男性用のスーツを着る? 女性用のスーツにする? どちらも選べないなら、スーツを着用しない職場に絞ってみる? でも、そうしたら企業の選択肢が狭くなってしまう……。
Xジェンダーにとって、就職するはじめの一歩がひとつの大きな壁となるのです。
その2:履歴書の性別欄に困っている!
多様なセクシュアリティが認知されてきた昨今ではありますが、履歴書の多くは、今もなお男性・女性のいずれかの性別を選ぶようになっています。これは、採用する企業側が、男女の区分を強く認識している背景があるでしょう。
しかしそこで、Xジェンダーの人は戸惑います。「男女のいずれにも属さない」ことを誇りにして働きたいものの、履歴書を書くその場面で、かれらはその大変さを感じるのです。
たとえそこで、思い切って男女のいずれかの欄を選んだとしても、その性別として振る舞うこともまた、Xジェンダーは負担になってしまいます。
その3:将来の見通しに困っている!
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就職・転職活動をすることと、これからどういった将来にしたいかを考えることは、切り離せるものではありません。就職・転職をし、働いている未来の自分の姿は、その人生設計によって、方角は大きく変わっていきます。たとえば女性でいうと、結婚や出産などの個人個人の捉え方によって、働き方に幅が生まれていくというのは代表的なものでしょう。
その点でいうと、Xジェンダーの人生設計は、ジェンダーロール(男女に求められる役割)に寄らない考え方を選ぶことになります。男女に寄らない立場を自認しているXジェンダーは、中性・両性・無性・不定性としての「自分の生き方」を、それぞれが考え、選択し続ける立場ともいえるのです。
しかし、これは同時に、ジェンダーロールの強い社会で、男女二元論を解きながら「私として生きる」こと自体、多くのエネルギーを使わなければならないことを意味します。また、採用面接や職場において、自身のセクシュアリティを開示しなければならないのも、悩みや困りごとに繋がります。「男女のいずれにも属さない」ために、不意に自分のセクシュアリティを直視することも少なくはないでしょう。
その4:Xジェンダーの理解がある企業に巡りあえない!
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LGBTをはじめとしたセクシュアル・マイノリティの認知や理解は、日々広がっているのは事実です。しかし、とりわけXジェンダーに対しては、もう一歩踏み込んだ理解を必要だといえます。
それは、Xジェンダーへの認知がはじまったばかりであることと、それ以上に、Xジェンダーの「男女のいずれにも属さない」考えが、男女二元論を当たり前とする社会のなかでは、驚きをもって受け止められる可能性があることが大きな理由です。
企業側が、Xジェンダーの立場を理解する姿勢があるのか、もしくはその姿勢が薄いかの違いは、Xジェンダーとして仕事を続けていくうえで、大きな判断基準になります。しかし、採用面接で、自身の希望が通らない場合や、職場での理解がないことは多く、本人の自尊心が揺らぐ状態になってしまうのです。
その5:自分のセクシュアリティが揺さぶられて、困る!
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自分の望むセクシュアリティで就労することに精神的なハードルの高さを感じることは、本人にとっては大きな悩みとして跳ね返ってきます。
「自分のセクシュアリティが受け容れられていない」経験が、Xジェンダーとしての「揺らぎ」や「男女いずれにも属さない」自分の姿勢にもマイナスに影響することになります。また、L・G・B・Tの4分類に含まれていない点で、いまだ認知や理解が進んでいるとはいえず、マイノリティの内側にあるマイノリティとしての悩みも引き起こされるでしょう。自分のセクシュアリティが揺さぶられること、Xジェンダーとして生活する難しさに直面し、就職・転職活動から離れてしまう現状があるのです。
おわりに
いかがでしょうか。Xジェンダーの就労での悩みや困りごとを、以上5点にまとめてご紹介しました。「男性でも女性でもなく、私として生きる」考えは、現在はじまったばかりのため、主だった前例もなく、どのように働くか、どのように生きていくか迷うことも多いかと思います。しかし、当サイトで紹介している企業をはじめとして、Xジェンダーやセクシュアリティの多様性に理解を深める環境は、社会に広がっていることも事実です。ぜひ、当サイトをはじめとして、さまざまな機会に触れ、悩みや困りごとを減らしていってください。
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