安心して働ける場所~日の丸交通で実現する、LGBTQ+ドライバーの働きやすさ~

ライター: Rickey
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LGBTQ+のスタッフが多数活躍し、タクシー業界のD&Iを牽引している日の丸交通株式会社。過去、JobRainbowマガジンでも何度か取材いたしました。

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今回は、そんな日の丸交通で実際に働く黒岩さん(採用担当/以下、黒岩)、大野さん(ドライバー/以下、大野)、奥野さん(ドライバー/以下、奥野)の3名にインタビューを行い、当事者から見た企業の魅力と働きやすさについてお話を伺いました。

入社のきっかけ

―みなさんが日の丸交通に入社されたきっかけを教えてください。元々タクシー業界にいらっしゃったんでしょうか?

黒岩:私は元々工場で、品質管理や製造業務を中心にやっていました。ちょうど5年前、渋谷ヒカリエでJobRainbowの転職イベントがあり、それに参加したのが始まりです。

当時「これからはカミングアウトして生きていきたい」という気持ちがあり、その時にイベントの開催を知り「今行くしかない!」と思いました。

色々な会社が参加していましたが、運転が好きだったこともあり、一番興味を持ったのが日の丸交通。実際に話を聞いてみて、自分らしさが本当に出せる会社なんだと思い、入社を決めました。

奥野:私はもともと母の介護をしながらバーで働いていました。母の介護が落ち着いたあと、お店のお客様だった運送会社の社長さんから誘われ、1年ぐらいトラックに乗っていました。

当時はコロナにかかった後で、人との関わりに少しおっくうな気持ちになっていました。「車の運転なら誰かに会う事もないし」と始めた仕事でしたが、大変なことも多くて「ずっとできる仕事じゃないな…」と思っていました。

そこで社長に辞めると伝えた際、「タクシーに乗るのはどう? 日の丸交通はLGBTQ+にも理解があるらしいよ」と教えてくれたんです。

(2023年9月に入社された奥野さん)

―タクシーだと、トラックの頃よりも色んな人と会う機会は増えると思いますが、その点はいかがでしたか?

奥野:お客様に会うのは、1回あたり1〜2時間くらいのことで、気になりませんでした。ホスピタリティとして、お客さんに何か要求されたら最低限応えますが、そこら辺はバーで慣れていたので大丈夫でした。

―なるほど。大野さんは新卒という事でしたが、初めからタクシー業界を考えていたんですか?

大野:正確には、第二新卒での入社です。以前は1年ほど飛び込み営業をしていましたが、お客様からは「帰れ」と言われることも多く、人の役に立っている実感が湧く仕事をしたくなりました。その点タクシーはお客様から呼んでもらうお仕事なので、ぴったりかなと。

それから合同説明会で日の丸交通の採用担当の方と話して興味を持ち、実際に会社を訪れて色々な社員と会った結果、「この人たちとだったら一緒に仕事したい」と思い入社を決めました。

ドライバーの心と安全を守る「人」と「制度」

―入社した後で実際に感じた日の丸交通の魅力は、どんなところでしたか?

黒岩:LGBTQ+当事者として過ごすうえで、他のドライバーや社員がどういう接し方をしてくれるのかという点や、普通に世間話などもできるのかといった点がすごく心配でした。でもどの人も、みんな普通に接してくれて、とても安心しました。

弊社にはいま全体で2000人以上の社員がいますが、そのうちLGBTQ+であることをオープンにしている人は20名です。ほとんどの人が当事者ではないですが、みんな属性に関わらず「1人の社員」としてフラットな付き合いができています。

大野:タクシー業界そのものに言えることですけど、色んな方と話せるところが僕としてはすごく魅力です。色んな方がお客様として乗られるので、本当だったら聞けなかったような話をあちこちで聞けるっていうのがすごい魅力だなと感じますね。

また、日の丸交通はドライバーが働きやすいことも魅力です。実は、日の丸交通にはノルマが無いんですよ。他社からいらっしゃったドライバーさん達と話していると、やっぱり稀なことみたいなんですが…。

(2022年第二新卒で入社された大野さん)

黒岩:ノルマを設けないっていうのは、安全第一からなんです。ノルマを設定すると、焦りから事故や無謀な行動につながるので、日の丸交通はノルマを設定していません。

奥野:日の丸交通は、建物や制服だけでなく、社員の態度や運転マナーもきちんとしていて、会社の雰囲気全体が綺麗だと感じます。自分の会社にプライドを持てることが嬉しいです。

「良いお客さん」はドライバーの対応次第

―実際にドライバーとしてお客様と関わる中で、どんなことを大切にされていらっしゃいますか?

大野:1つ目は丁寧な運転、安全第一です。2つ目は丁寧な接客です。あるところで聞いた話ですが、丁寧な接客をするドライバーには良いお客様に出会うケースが多くなるそうです。

そのため、私はお互いに気持ちよく乗車を終えられるような、そして「大野さんのタクシーで良かった」と思ってもらえるようなドライバーを目指して日々努力しています。

(乗務している姿の大野さん)

黒岩:あとは、シンプルですが「笑顔」ですね。「対応が悪い、良い」という評価は、ドライバーの第一印象で全部決まってくるんですよ。お客様を見た時の笑顔が、ムスッとしているか、笑顔かだけで印象は変わります。

何か失敗しても、第一印象が良ければ許してくれることも多いです。反対に、少しでも嫌な印象になったら、ちょっとしたことですぐ指摘されたりもします。

奥野:最近は海外からのお客様や、初めて日本に来る方、地方から来られたご高齢の方も多いです。そういったお客様が楽しみにしている旅行などを大切にしてあげたいと思っています。

私たちの使命は空港や約束の場所へ時間通りに到着すること。「お金を返してほしい」と言われるよりも、「時間を返してほしい」と言われる方がつらいです。お子様連れのお客様や病院へ向かうお客様など、どうしてもタクシーに乗らなければならない方々のために、「その方の時間を任せてもらっているという」ことはいつも意識しています。

ドライバーを守る取り組みと相談窓口

―お客様と関わる中で、LGBTQ+当事者であることはネックになりませんでしたか?

黒岩:以前と今では環境も少し違うかもしれません。タクシーに乗ると、ドライバーの顔写真付きの名札(乗務員証)が掲示してあるのですが、2年ほど前にこの様式が変わりました。

以前は本名と顔写真を正面に出していたので、名前と見た目のギャップなどに疑問を覚えたお客様から性的なからかい方をされることも…しかし今は個人情報に関することは表示させない形になり、そういうことは昔よりも減ってきています。

奥野: 私も入社してまだ慣れてない時に、何回か言われたことはあります。でも私たちの対応が良ければ、先ほどの話の中にあった通り、お客さんもそれに合わせて変わってくださいます。

―お客様とのコミュニケーションや同僚とのやり取りの中で違和感を覚えて辛くなった時、どこか相談できる窓口があるんでしょうか。

黒岩:ドライバーの仕事は一期一会なので、割り切れる人も多いですが、営業所内で何かあった場合は不安になる人もいると思います。相談窓口も設けていますが、LGBTQ+に関するお話の場合は私に相談してもらっても大丈夫です。

溜め込んで追い詰められてしまうより、言ってもらった方が改善も出来ますし、許可をいただければ私からも社内で共有できるところには共有します。

(LGBTQ+当事者の採用を担っている黒岩さん)

―そういう所でもドライバーが働きやすくなるような整備が進んでいるんですね。現在はどんな取り組みが進んでいるのでしょうか?

黒岩:現在ある5つの営業所のうち、猿江営業所を除く4営業所は5年以内に新設・建て替えでできた建物でピカピカの状態です。

また、すべての営業所に「誰でも更衣室」という性別に関係なく使用できる形式の個室とトイレが用意されています。以前は着替えられる場所がなく、制服のまま出勤・帰宅していましたが、現在はLGBTQ+の方でも勤務地を問わず、安心して働ける体制が整っています。

福利厚生の面では、当事者のための窓口をもっと整備していきたいです。「何かあったから言う」だけでなく、社員が自ら課題を発信していけるような形にできると良いですね!

これからタクシー業界を目指す人へのアドバイス

―日の丸交通さんの求人が気になっている人の中には、本当に自分にもできるのかと不安になっている人も多いと思います。何かアドバイスをいただけませんか?

大野:何か言われても真に受けず受け流せる人なら、本当に働きやすい会社だと思います。社風や、ノルマが無い点など、本当に自分のペースで働けますよ。

奥野:私も、迷っている人がいれば勧めます。私は車内で嫌な思いをしたこと、1回もないんですよ。ペーパードライバーでも、入社後に二種免許が取れるようサポートしてもらえますし、迷っているなら挑戦してみてください。

(笑いながらドライバーのエピソードを語る奥野さん(左)と大野さん(右))

黒岩:日の丸交通は車に乗って仕事に出てしまえば、本当に自由にできます。休憩も自分のペースで取れるし、誰からも干渉されません。ぜひ、多くの方にこの働きやすさを知っていただきたいですね!

日の丸交通は現在、世田谷区、大田区、足立区、江戸川区、江東区に拠点を構えています。ほとんどの営業所に性別を問わず利用できるトイレや更衣室があり、多くの当事者が活躍中です。「自分のペースで働きたい」「理解してくれる人がいる職場で安心して働きたい」という方は、ぜひ求人情報もチェックしてみてください。

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