みんな違って当たり前。フレキシブルな勤務形態から始まった、白岡白寿会のD&I推進【ジョブレインボーしごとEXPO 2023】

ライター: Rickey
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2023年11月18日(土)、新宿駅直結 NEWoMan Shinjuku 5Fの LUMINE 0で開催される「ジョブレインボーしごとEXPO 2023」。今回は、本イベントに出展する白岡白寿会 理事長の山﨑さん、採用担当の田中さんにお話を伺いました。

医療・福祉業界で初めての Work with Pride「PRIDE指標」GOLD の認定を受けた白岡白寿会は、埼玉県多様な働き方実践企業(ゴールド)に認定されている白岡白寿会。取り組みの背景には、多様な働き方のニーズに応えたい山﨑さんの想いがありました。

全員が「自分に合った働き方」で幸せな職場へ

─御社で取り組まれている、ダイバーシティ推進のための取り組みについてお聞かせください。

山﨑さん(以下敬称略):象徴的な取り組みは、短時間正社員 / 曜日時間制限ありの正社員 / 短時間パート、夜勤専従など、それぞれのライフスタイルに合わせたはたらき方が選べることだと思います。数年前、近隣にお住まいの子育て中の方々から、「1日2時間だけ働きたい」「週に2回だけシフトに入りたい!」といったお声を数多くいただくようになったため事情を聞くと、子育て中で時間こそ制限はあるが、体力はあるしお金を稼ぎたい! というニーズがかなりあるとわかりました。そこで、私たちの施設では10〜14時に業務を集中させてシフトの枠を増やし、短時間だけ働きたいニーズを満たしつつフルタイム社員の負担を減らすことに成功しました。夜勤だけしたい人、早番だけできる人なども応募してくださるようになったので、いろいろな勤務パターンを設けています。

―Work with Prideのゴールド指標も獲得されていますよね。

山﨑: 実は過去にトランスジェンダーであることをカミングアウトしてくれた従業員がいました。その際にどういったことを配慮して欲しいかお話を聞きました。その際に取り組みの必要性を感じ、通称名を使用できる制度を策定したり、性別ではなく個人で分けた更衣室を準備したり、ソフトもハードも整えたことを評価していただいたのだと思います。 実は過去にトランスジェンダーであることをカミングアウトしてくれた従業員がいました。その際にどういったことを配慮して欲しいかお話を聞きました。その際に取り組みの必要性を感じ、通称名を使用できる制度を策定したり、性別ではなく個人で分けた更衣室を準備したり、ソフトもハードも整えたことを評価していただいたのだと思います。

更衣室
性別ではなく個人で分かれている更衣室

山﨑: LGBTQ+への取り組みから始めたものの、D&IはLGBTQ+だけにフォーカスしていては進みません。国籍、宗教、育ってきた文化。見える違いも見えない違いもあります。Work with Prideだけでなく、検定や外部評価には積極的に応募して、何が足りていないかを測る指標にしています。JobRainbowのD&I検定に申し込んだのも、こうした背景からです。

田中さん(以下敬称略): 様々な個性を持つ人々がサービスを利用する、社会インフラである医療・介護・福祉サービスにおいて、「利用しづらいと感じる人」をできるだけ少なくしていく必要があります。だからこそ、この業界で働く人はD&Iについて正しく理解している必要があるでしょう。職場のD&Iも進んでいるのが健全な状態ですし、実際私たちの職場ではシニア、外国籍、LGBTQ+など多様なメンバーが働いています。また、主に代表の山﨑がD&Iに関する情報をブログや社内報、職員研修の形で社内に配信しています。

白岡白寿会 田中さん
採用担当 田中美紀さん

田中: 山﨑がニューヨーク、私がカリフォルニアで生活していたのですが、「人種のるつぼ」と言われるほどD&Iが当然の環境だったので、白岡白寿会も同様にしたいですね。職場の私たちと働いているメンバーの中には、「外国人だからこの仕事はさせられない」などと前職時代に言われ、同じスキル・経験があるのに不当な扱いを受けていた者も国籍によって待遇や仕事の内容が変わらないこの職場に転職してきた方もいます。

─どのような点が会社・職場・仕事の魅力だと考えていますか?

田中:介護はご利用者から直接「ありがとう」を言っていただけることが何よりの喜びです。しかしそのイメージが先行して「医療・介護・福祉は休みが取りにくく賃金も低い、自己犠牲の職業だ」と思い込む方もいらっしゃいます。実際はむしろ逆で、メンバーの中には給料がいいからこの仕事を選んだ、と言う人もいます。

山﨑:また、ワークライフバランスも重視しています。仕事と趣味、どちらを優先したいかは人それぞれ。年に2回の長期休暇制度や、従業員への車貸し出しサービスなども準備しています。長期休暇は2つの休暇と休日を合わせ、最長で21日連続取得したメンバーもいます。

白岡白寿会 山﨑さん
理事長 山﨑文博さん

山﨑:冒頭にもお伝えしたライフスタイルに合わせたはたらき方が選べることは魅力だと思います。制服こそありますが性別で分けていませんし、髪型も自由です。「日中は仕事とは別の夢を追いたいから夜勤だけ入りたい!」なんて方も、週に30時間以上勤務できるならば正社員として受け入れています。

―アルバイトではなく正社員として雇用するのですね。

山﨑:はい。初めは「不平等ではないか」という意見もありましたが、給与や賞与の掛け率を勤務時間や勤務可能なシフトの範囲に合わせて調整することで社員全員の合意形成ができました。そもそも、今フルタイムで働けているとしても、将来的には希望するかどうかに関わらずライフスタイルや環境等の変化により、はたらき方を変更する必要があるかもしれません。介護や育児に時間を割く必要が出てきたり、事故に遭って体が動かなくなってしまったり、病気で勤務時間に制限が生まれたり。誰にとっても無関係なことではない、と改めて伝えることで「特別扱い」という考え方が職場からなくなったと感じます。

仕組みへの納得度が高まると定着率もさらに上がり、今では10〜70代の幅広いメンバーが活躍しています。将来性のあるこの業界にどんどん入ってほしいですね。

イベントへの想い

─今回、ジョブレインボーしごとEXPOに参加する理由やきっかけをお聞かせください。

山﨑:JobRainbowの「差異を彩へ」という理念に共感したからです。「ダイバーシティ推進」というと、LGBTQ+や育児・介護に目が行きがちですが、そもそも特定の属性にのみ目を向けることはD&Iの本質からずれる危険性もあると思っています。「差異」という全ての人が持つものが「彩」に変われば、全員が自分らしく輝けるはず。同じ想いを持つ者として、JobRainbowの開催するイベントに興味がありました。

田中:「D&I推進に力を入れる=特定の属性を特別扱いすること」と勘違いしている方は一定数いらっしゃいます。そういった方々には我々が社員に伝えた「誰にとっても無関係なことではない」を思い出してほしいですし、白岡白寿会をはじめ今回のイベントに参加する企業は同じ想いを持っているはず。力を合わせ、ご来場者が安心できる場を作りたいですね。

談笑する山﨑さんと田中さん

─最後に、ジョブレインボーLGBT仕事博の参加者へメッセージをお願いします。

山﨑:就職活動は人生初の人が多いですし、転職活動も慣れている人はあまりいません。不安がつきまとうことも多いでしょう。それでも勇気を出してブースに来てくださった方とは、「あなたが何を大切にしているか」をベースにお話ししたいです。来てくださった方の価値観を踏まえ、キャリアを考える材料になりそうな最新の処遇・業界事情をお話しします。

田中:来てみないとわからないこと、たくさんあると思います。知らないことを知る場だと思って、緊張せずに話したいことを何でも話して、聞きたいことを好きなだけ聞いてください!

法人名  社会福祉法人 白岡白寿会
設立 2002年
従業員数 125名(2023年10月時点)
業務内容 ・特別養護老人ホーム
・短期入所生活介護
・居宅介護支援
・訪問介護 / 看護
・定期巡回型訪問介護 / 看護
・看護小規模多機能有料老人ホーム
・福祉用具貸与・販売
・調剤薬局
企業HP
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本社 埼玉県白岡市千駄野663-1

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