freee株式会社がLGBTフレンドリーな理由!JobRainbowから入社したトランスジェンダーのローラさんにインタビュー! 〜LGBTは特別なことじゃない〜

ライター: JobRainbow編集部
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はじめに

2012年7月に設立されたfreee(フリー)株式会社。「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、「クラウド会計ソフトfreee」の開発や、会社設立に必要な書類作りを5分で可能にする無料サービス「会社設立freee」の提供を行っている。
freeeで開発された様々なクラウドサービスは「ベストイノベーション賞」や「グッドデザイン賞」など様々な場で評価されているほか、職場環境についても「日経ビジネス」で「働きがいのある会社ランキング」BEST10に4年連続入賞するなど、各方面から注目されている。

そんなfreeeのサービスの勢いや社風がよくあらわれているのが、LGBTに関する取り組みだ。work with Prideが主催する「PRIDE指標」で2年連続ゴールドを獲得。ichoose(現JobRainbow)でもサービス開始当初から求人を行っており、LGBTフレンドリーな企業として積極的に取り組みを続けている。
freeeがichooseで求人を開始してから、約1年半が経ち、多くのユーザーが入社している。実のところ、いったいどんな会社なのだろうかと、気になっているichooseユーザーも多いのではないだろうか?

今回は人事採用本部リクルーティングマネージャーであり、社内でレズビアンであることをカミングアウトした吉村美音さん、ichoose(現JobRainbow)を通して入社し現在は総務部で働くMtF(Male to Femaleの略。身体的性は男性である/であったが、女性へと移行したい/した状態)のトランスジェンダー、ローラ・ウェイクフィールドさんにお話を伺った。

入社5ヶ月後に女性の姿で出社!ローラさんのichoose体験とは?

笑顔のローラさんの画像

ichooseに掲載されている企業はすべて、LGBTフレンドリーが保証されている企業だが、「実際の現場では本当にそうなのか?」「求人の文面だけではイメージできない」……やはりそういった不安をもつユーザーも少なくない。

2018年3月に晴れて入社することになったトランスジェンダーのローラさんもichooseを通してfreeeに入社したメンバーの1人だった。

ichooseでfreeeに応募しようと思った際に、不安はありましたか?

ローラさん(以下敬称略):freeeはwork with Prideの『PRIDE指標』(職場におけるセクシュアルマイノリティへの取り組みの評価指標)でゴールドも受賞していたし、その上でichooseにも載っていました。100%ではないけれど、きっと大丈夫だろうな。そんな気持ちで、特に不安などはなく応募しましたね。

吉村さん(以下敬称略):ichooseへの掲載は実は私から提案をしたわけではないんです。ローラの配属先の人たちが、『是非そこで新しいメンバーを募集していきたい!』と熱意を持って私に伝えてくれました。そこで、募集に踏み切ったんです。

ローラ:そうなの?知らなかった!(笑)

吉村さんが話している画像

freeeのLGBTへの取り組みがあるのは、全てのメンバー一人一人がどうすれば個性をより魅力的に伸ばせるか考え、行動している結果だ。ローラさんが「きっと大丈夫」と思えたのは、freeeという会社がLGBTイシューに対しても自然体であることが伝わってくるがゆえかもしれない。

実際に面接してみてどうでしたか?

ローラ:面接はとてもカジュアルな感じでした。普通の会話みたいで、リラックスした状態でのぞめました。トランスジェンダーとしても、外国人としてもすごく居心地が良かったです。それと、最終面接で、どちらのトイレを使用したいか聞かれたことには感動しましたね。今までの職場では考えられないことだったのでとても安心でした。

吉村:はじめの面接は人事ではなく、総務部のメンバーが行いました。実際に一緒に働く人とのマッチングを重要視したかったんです。私がローラと面接したのは最終面接だけで、カミングアウトをしているトランスジェンダーが社内にはまだいないということを説明しました。

吉村:トイレについては、オフィスが入っている建物が古いのでハード面でのLGBTへの対応はなかなか難しいんです。そのぶんソフトでの対応でそれを補っています。メンバーへの研修は密に何度も行っているので、今となってはもはやどのトイレにどんな人がいても、誰も気にしないのではないかな。

このような環境であったからこそ、ローラさんは入社後に女性の姿で出勤をする決心ができた。ローラさんは女性の姿で出社するに至った経緯を語ってくれた。

そもそも、どのようにして女性の姿での出社を決意したのでしょうか?

ローラ:トランスジェンダーの方が社内にもう一人いて、その人と話をして、女性の姿で生きて行く決心がつきました。その方は『周りがどう思っても自分らしく生きることが何よりも大事』という考えで、とても堂々と生きていたんです。その人との出会いは幸運でした。

ローラ:決心した後は、メンバーに『来週の月曜日から女性の姿で行きます!』って事前に伝えていたのですが、みんなその時点ですごく盛り上がってくれて。私も一度決めると楽しみでしかたがなくなってしまい、実際は宣言していたより早く、その週の木曜日には女性の姿で出社しちゃいました(笑)

吉村:ローラは初めて女性の姿で出勤した日に、その1日で感じたことを写真付きで社内のネットワークに投稿したんです。あの投稿が『いいね』数一番多いんじゃないかな?240件くらい『いいね』がついたんですよ。本当に、社内全体が祝福ムードでしたね。

ローラ:想定よりもずっと反響が大きくて、あの後少し恥ずかしくなりました(笑)

女性の姿で出社をはじめてみて、どうでしたか?

ローラ:その後しばらくは女性の姿で外を歩くことには緊張したが、むしろ会社に着くと緊張がほぐれ安心しました。やっと着いた!っていう感じでしたね。

吉村:freeeでは、カミングアウトを強制しているわけではなくて、メンバー全員がとにかく一番自分らしく、力まずに働けるように応援する環境づくりに徹しています。例えばプライベートであったこと、話しても話さなくてもいいんですけれど。自分の大切な人の話を、会社のメンバーという別の大切な人たちにも話したいなというときはあると思うんです。そのときにハードルがないことはとても楽ですよね。

「特別なことじゃない」freeeにとってのLGBT

話している吉村さんと、それを聞いているローラさんの画像

freeeでは年に2回、社内でLGBT研修を行っている。従業員全体がLGBTを当たり前のこととして認識できている今の環境はこの定期的な研修のおかげでもある。

吉村:毎年参加してる東京レインボープライドへの準備も兼ねて春に1回、またwork with Prideの『PRIDE指標』受賞企業発表のタイミングで秋頃に1回、LGBT研修をしています。毎研修で参加者から『もっとこれを学びたい』といったフィードバックも貰っているので、それにあわせて研修をアップデートして、内容の異なった研修を続けています。

なぜ、そもそもfreeeはそこまで「LGBTフレンドリー」になったのでしょうか?

吉村:そもそものfreeeの文化が影響していると思います。freeeには5つの価値基準があり、そのうちの一つに「あえて、共有する」という考え方があるんです。共に働くメンバー同士のつながりを重要視するfreeeでは、メンバーが互いにオープンに話し合うことでチームが共に成長できると考えていて、私自身もこの文化に感銘し、カミングアウトしました。

虹色になっているfreeeロゴがあしらわれた白い布に寄せ書きが書いてある画像

吉村:入社当時、従業員数は120名ほどでしたが、それが今や450名を超えてきました。当時、従業員数が増える過程で、性別や雇用形態、国籍などさまざまな人が社内にはいるはずなのに、いわゆるマイノリティの人の意見が上に上がってこないという状況を幹部陣が問題視するようになったんです。それは「危機」であるという認識の下に、ダイバーシティ推進室は立ち上がりました。このストーリーも「あえて、共有する」という価値基準からくるものだと思います。あとは、佐々木大輔CEOも、組織内のダイバーシティに基づく多角的な意見がなくては、クリエイティビティが損なわれてしまうという考えを各所で発信していることが心強いですね。

吉村:ただ、freeeではLGBTを特別扱いはしません。性的指向や性自認などに個人で違いがあるのは当然のこととして認識しています。

LGBTとしてfreeeで働いてみて、どうですか?

ローラ:freeeにいて、自分がLGBTだとか、マイノリティーだという風に変に意識させられることは一切ないですね。普通に働いていますよ。

ローラさんが笑顔で話している画像

ローラ:自分に正直に生きられることで、リラックスできて仕事に集中できていると感じます。モチベーションに波があったりとか、気分が落ち込んだりと悩むことがなくなりました。

ichooseでの入社から1年。freeeで働くローラさんの今

ローラさんが笑っている画像

もうすぐ入社から1年ですが、現在ローラさんはどのようなことをしているのですか?

ローラ:はじめは総務部で翻訳の仕事などを主に行っていましたが、月日が経つにつれてfreeeで挑戦してみたいことが徐々に増えていきました。最近美音さん(=吉村さん)に相談するのはキャリアのことばかりです。現在は、freeeの企業文化を会社内や社会に向けて発信していくために、「カルチャー推進チーム」に所属し、ブログの執筆など新たなプロジェクト開始に向けての準備をしています。

吉村:freeeはメンバーの提案や要望に柔軟に対応できるようにしています。みんなそれぞれの部署で働いて、自分のチャレンジしたいことが見つかったら、とりあえず『あえて、共有』してみる。そうすると、『やってみなよ!』という感じで基本的には応援する環境が整っています。

メンバーの一人一人を大切なタレントだと考え、どのようにしたらそのタレントを伸ばせるようなキャリアが描けるのかをfreeeは常に考えている。LGBTへの取り組みからキャリアプランまで、どんなことでも真摯にメンバーと向き合い、個性を大切にしてくれるfreeeで働く人たちは皆とても活気があった。

アライステッカーが貼られている吉村さんのMacbookの画像

「職場以外で羽を伸ばせれば良い」ーこのように割り切った考えで働く人ももちろんたくさんいる。それは、企業の利益と従業員のライフスタイルがどうしても一致しないことがあるからだ。しかし、freeeでは「誰もが自分らしく羽を伸ばせる職場」を見事に実現している。ダイバーシティが会社の強さにつながっていると確信できる、そんな環境がそこにはあった。

freeeに興味のある方へ 〜人事部の思い〜

吉村さんとローラさんが、スタンディングデスクで話している画像

では、freeeは新しく入る仲間にどんな思いを寄せているのだろうか?
freeeは以下の7つのペルソナ(持っていてほしい要素)を掲げている。

  1. ドリームチーム
      一人ひとりが強いチームを作る一員であることを自覚し、自分と異なる価値観や意見にも、まずはオープンかつフラットに耳を傾け、プラスワンしようとする人
  2. 成果への執着
      本質的な価値をもつ成果を出すことにこだわりを持ち、まっすぐにそれに向かって取り組める人。そして、同じ成果を出すなら早いほうがいいと思う人
  3. カオスサーファー
      目標を達成するために変化することをいとわず、過程にあるカオスを楽しむことができる人
  4. ジブンゴーストバスター
      自分の思い込んだ自分の姿(ゴースト)とは違う「ありのままの自分/弱い自分」を恐れず、勇気をもって向き合い、フィードバックを貪欲に求め、咀嚼し、立ち向かっていける人
  5. 自律自伸
      与えられたものかどうかを問わず、自分のミッションに対してその価値や目指す先を自律的に考えながら行動し続け、自ら成長していく人
  6. アソビゴコロ
      ユーザーや周りの人を気持ちよくする工夫をしたり、難しいことを簡単に・楽しくするような遊び心を持って何事にも取り組める人また、他のメンバーの遊び心を「やるやん」「ナイストライ」と前向きにとらえる人
  7. 社会の進化を担う責任感
      世の中や経済全体をより良くする自覚と責任感を持つ人。自社だけでなく、ユーザー、パートナーを成功に導くため、独善的にならないように意識しながら行動する人

(詳細はコチラ!)

ペルソナに当てはまる人がfreeeで働けば、きっと自分を最大限に活かした働き方ができると吉村さんは言う。

吉村:自分がLGBT当事者であることを『それが何?』と思えるくらいの人がいいですね。LGBTは自分の個性だと前向きにとらえて、その先を見据えてチャレンジできるような人をお待ちしています。

おわりに

最近、「好きなことで、生きていく」という言葉をよく耳にする。YouTuberや一部の起業家、ブロガーなどが自分らしさを仕事に変えている。そんな生活に多くの人が憧れる一方、それは一部華やかな能力がある人だけの恵まれた環境だと思われがちだ。
しかし案外、誰にでも「自分らしさ」を力に変えるチャンスはあるのかもしれない。ローラさんに会って、freeeという会社を深く知って、そんな希望が見えた。従業員のもつ能力・チャンスを逃すことはしない、そんなfreeeの実践はこれからの企業のお手本になるのではないだろうか。

この記事を読んで「freee株式会社のメンバーになりたい!」と思った方は、是非ichoose(現JobRainbow)からお気軽にご応募を!

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