レジデンストーキョー野坂社長に聞いた!LGBTフレンドリーな「ダイバーシティホテル」に込めた想い
ビジネスマン・外国人向けの家具付きマンスリーマンションの経営などで知られるレジデンストーキョーは、日本初のダイバーシティホテル「CEN DIVERSITY HOTEL & CAFE」の営業を開始します。そこで今回は、レジデンストーキョーCEO 野坂幸司さんにお話を伺いました。
CEN DIVERSITY HOTEL & CAFEという名前に込めた想いとは。そして、レジデンストーキョーの今後の展望とは。そこには、海外経験がある野坂さんだからこその信念がありました。
―企業のきっかけを教えてください。
野坂さん(以下敬称略):日本の賃貸住宅は、家具がないため住むにあたって初期投資がかなり必要なので、外国の方が日本に出張にくるとすごく大変なんですよね。これが当たり前になった日本の社会を変えたい、という考えがきっかけです。なので、外国人のビジネスマン向け賃貸住宅を経営するところからスタートしています。
―すごい切り口ですね。
野坂:私は外資系企業で働いていたので、シンガポールや香港などで生活している期間も長かったんです。その時自分と同様海外から移り住んでいる人に話を聞いてみると、やけに東京の評価が低かったんですね。そこで、私はその原因を「住みづらいから」ではないかと考えました。家具などが備え付けであったり、マンスリーであれば、もっと住みやすくなる。そんな環境を作りたいな、って思ったんですよ。
―では、ダイバーシティに関して特に意識していた、というわけではないのでしょうか。
野坂:日本の社会を変えたい、という文脈の中で必然的に「ダイバーシティ」は考えるべきものでした。多様性を受容する社会にしたい、国籍やセクシュアリティだってどうでもいい。こういう考えがあったので、私たちが上野で運営し始めたホテルにはレインボーの旗を掲げてあります。
―利用者からの声はどうでしたか?
野坂:実は、日本に来ている外国人の中にはLGBTの方も非常に多いんです。外国から日本に旅行に来たお客様の中には、「ゲイカップルとして街を歩いていると変な目で見られる」と言っている方もいました。しかしそのお客様が私たちのホテルを利用してくださった時に、「このホテルはレインボーの旗があったからこそ安心して入れた」と評価してくださったんです。そこで、利用者から私たちのこうした姿勢を評価されているなら、もっと押し出してみよう、と思い造ったのが、CEN DIVERSITY HOTEL & CAFEです。
―不思議な名前ですね。「CEN」というのは?
野坂:ラテン語で「CEN」とは「100」をイメージさせる頭文字なんです。所在地である百人町の「百」をテーマに、「百人百様」の人生があるよ、というメッセージを込めました。
もちろん、「多様性を受け入れる」と胸を張って言えるよう、社員全員を対象としたLGBT研修は実施しました。ちょうど知り合いのデザイナーがゲイだったので、当事者の視点を盛り込んだコンセプト作りを頼みました。
―多様性を意識するようになった結果、何かいいことはありましたか?
野坂:いろんな角度からの意見を吸収できるので、会社自体が強くなっています。今の時代、モノやコンテンツが増え、人の興味は分散しています。でも、多様な人材がいることで、様々なセグメントに気づけるんですよね。
今後はどういう職場にしていきたいですか?
野坂:会社自体は50人くらいしかいないので、一人ひとりとのコミュニケーションをさらに密にしていきたいです。もちろんプライベートなことに土足で踏み入る、なんてことはしません。「言いたいことを言える」会社の雰囲気作りには励んでいきたいと思っています。それこそ、今カミングアウトしている人はいないですが、会社としての同性パートナーシップ制度は今後設けたいと思っています。
―LGBT研修を受けられたとのことですが、どういった感想でしたか?
野坂:事実として、LGBTの方は一定数います。だからこそ、どうやって社会を一緒に作り上げていくかを考えていく必要があるのではないでしょうか。東京だけでなく、各国のプライドパレードの映像を見せてもらったんです。そこで参加者がのびのびと自分を表現している姿に感動しましたし、社員にとっては「初めて知ったこと」が多かったみたいです。
―そこで得た知識を踏まえ、CEN DIVERSITY HOTEL & CAFEはどういった方に利用してもらいたいですか?
野坂:普段人の目を気にしてしまう人たちに、新宿のど真ん中でくつろいで欲しいんです。中庭で手をつないだり、自分らしいファッションに身を包んだり。そういったことが安心してできる場にしたいと思っています。新宿という立地を活かし、周辺のデートスポットやおすすめレストランは積極的に紹介していきたいですね。近くのジムの無料使用や誰でもトイレの設置など、「ホテル」というよりは「生活・旅の拠点」として利用して欲しいです。
―最後に、就職・転職活動をしている方にメッセージをお願いします!
野坂:私たちは、自分の意見をきちんと言える方と働きたいと思っています。自信をもって生活している方でなければ、胸を張ってお客様の旅をコーディネートすることはできません。私たちはあなたを受け入れます。受け入れること前提だからこそ、自分をしっかりと持っていてください。怖がる必要は一切ありません。
自身の経験から、日本の社会を変えたいと思った野坂社長。
多様性を実現するために、どっしりと構える野坂社長のような方が増えることで、これから少しずつ日本は変わっていくのではないでしょうか。事実、レジデンストーキョーには野坂社長の人柄に魅せられて入社を決めた人も多いそうです。
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