日本マイクロソフトのLGBTへの取り組み(後編)〜人事の児玉さんに聞いてみた!〜

ライター: JobRainbow編集部
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第一部のGLEAM Japanへのインタビューに引き続き、日本マイクロソフトの人事本部の児玉さんにもインタビューを行いました。

前編はこちら
日本マイクロソフトのLGBTへの取り組み(前編)〜社内LGBTグループ「GLEAM Japan」に聞いてみた!〜

マイクロソフトのダイバーシティー&インクルージョンへの取り組み、意欲はどこから?

− 日本マイクロソフトは、ダイバーシティー&インクルージョンにどのような側面から取り組んでいるのでしょうか?

日本マイクロソフトではLGBTだけでなく、女性採用・女性活用や新卒採用・育成にもかなり力を入れていますし、障碍者採用も行っています。
その他、介護と仕事の両立や、マイクロソフトに新しく入った人(new comer)に対して、オンボーディングをどうやってサポートできるか、逆に彼らをマイクロソフト色に染めすぎず、新しい人からどうやって学ぶことができるか、というテーマに対して、社員主導で行っているダイバーシティー&インクルージョンの分科会もあります。

グローバルな方針のもと、多様性に富んだ組織を作ることは徐々にできてきているので、今は「インクルージョン」に力を入れています。
そのために「無意識の偏見」にどのように気づき、それをどのように克服していくかについて積極的に取り組んでいます。そこは個人的にもとても賛同するところですね。

ガラス張りの会議室と、マイクロソフトのロゴが書かれた看板の画像

− マイクロソフトとしてダイバーシティー&インクルージョンを進める意義、意欲はどこから来ているのでしょうか? 

多様なお客様に喜んで使っていただける商品やサービスを作り、提供していくためには、自分たちも同じように多様性に富み、寛容でなければならない。だからダイバースでインクルーシブな環境をつくる必要がある、と考えています。またダイバースでインクルーシブな職場はイノベーションを生むことができるとも考えます。

ダイバーシティーにはLGBTやジェンダー等さまざま側面がありますが、すべてに共通なのは「相手の違いを認め、受け入れる」というのがベースにあると思います。その共通認識をみんなが持って実行できていれば、その上にどんな違いが来ても対応できると思います。
人間はどうしても同質性が高い環境が居心地いいですし、逆に異質な人を排他しようとする働きがあると思います。

なので、自分と違う人がいて当たり前、それをプラスのこととしてみんなが認め合う環境をつくることが大事だと思っていますが、この実現が意外に難しいと感じていますし、残念ながら自分自身もまだ完璧ではありません。

LGBT実行委員会で活動する中での個人としての気づき、学び

− 児玉さん自身はどのようなタイミングでそのことに気づきましたか?

2015年の就業規則改定の頃にLGBTの活動に参加するようになりました。
当時はLGBTに関して会社として取り組んでいることはまだ少なく、自分自身も知り合いや同僚に当事者がいる程度で、「偏見もないが理解も深くない」という状況でした。どちらかというと、昔は当事者の方に対してどこか必要以上に気を遣っていたなと振り返って気づきましたね。

今は社内の研修を受け、GLEAM Japanのメンバーと活動する中で、正しい知識を身につけ、より自然な考え方ができるようになり、当事者の方も自分と同じ一人の人であり、性的指向や性自認が違うだけ、ということを理解することができました。

GLEAM Japanの活動を通じて、何より自分がこれまで知らなかったことを学び、人としてより良い人間になれたのではないかと感じています。社内にも、まだまだ当時の自分のような状態の方がたくさんいると思うので、今後もLGBTの活動に取り組んでいきたいと思います。

インターン生のヒロと人事本部の児玉さんが、テーブルで向かい合って話している画像

LGBT課題の立ち位置、社員の方の理解度は?

− ダイバーシティ課題の中でLGBTの取り組みは目立ちますね。社員の方の理解度は進んでいるのでしょうか?

LGBTに関しては、GLEAMの力が非常に大きく、積極的に取り組んでいます。世の中の流れもあると思いますが、GLEAM Japanが活動し続ける限り、大きな柱になってくるかもしれないですね。

全社員が集まる社員総会でも、ダイバーシティー&インクルージョンのセッションの中でLGBTの話は含めるようにしています。またアライのパンフレットとステッカーは全社員へ配布しており、新入社員のオリエンテーションでも配布していますので、LGBTについて知っている社員はそれなりに多いと思います。

LGBTの研修は半分以上の部署のマネージャーにすでに実施済みです。
また採用面でも、新卒・中途にかかわらず、マイクロソフトのLGBTへの取り組みを知って選考を受けたという方が最近増えており、取り組みの意義の実感につながっています。

社内食堂で話している社員たちの画像
社内食堂は社員でいつも賑わう

GLEAM Japanのメンバーってどんな人たち?

− 児玉さんからみたGLEAM Japanメンバーに感じることなどは?

まず、GLEAM Japanのメンバーの信念の強さを感じます。日常の業務に加えて、社内の研修・トレーニング、イベント、社外では東京レインボーパレードやNIJIT(IT業界LGBT交流会)の活動など、本当に様々な事に取り組んでいます。当事者やアライの人の自発性のある動きがマイクロソフト内での影響をより大きいものにしていると思います。

そして、もう一つが常に前向きな視点で話し合いをしていることです。GLEAM Japanのメンバーは「このような事態を招かないようにこれはダメ」など、ネガティブなところから話すことが原則ありません。

「どうやったらもっとLGBTについて知ってもらえるか?」「アライを増やせるか?」「インクルーシブな環境を作るためにどうしたらいいか?」など、常にポジティブな視点で話し合いをしており、その結果活動が前向きになっています。
メンバーのイキイキとしている姿は、ダイバーシティー&インクルージョンを進め、職場環境を整えていく事の重要性を実感させられます。

アライステッカーの貼ってあるパソコンの前で、児玉さんが話している画像
児玉さんのPCに貼られているアライステッカーが嬉しい

求職者へのメッセージ

現在、様々な企業がLGBTだけでなくダイバーシティーとインクルージョンに取り組んでいます。企業によって活動内容やダイバーシティー&インクルージョンの浸透度に差はありますが、皆さんが自分らしく誇りを持って働ける会社を見極めていただき、充実した会社生活を送られることを願っていますし、それが日本マイクロソフトであれば更に嬉しく思います!

【インタビュアーヒロの感想】

GLEAM Japanのお三方のメンバー及び児玉さんから共通して自然体であること、またLGBTにとらわれすぎるのでもなく、根本的に本当に会社をよくするためには?という考えのもと活動しているというのが感じられました。
今後も、きっと率先してダイバーシティ及びインクルージョンを実現していくマイクロソフトの取り組み過程から学べることもたくさんあるのではないでしょうか。

前編はこちら
日本マイクロソフトのLGBTへの取り組み(前編)〜社内LGBTグループ「GLEAM Japan」に聞いてみた!〜

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