あなたの会社は大丈夫?同性パートナーへのサポート体制【札幌では3月17日に違憲判決】
2021年3月17日、同性同士の結婚が認められないことは憲法違反だと同性カップル3組が訴えた裁判で、札幌地裁は初めて「憲法14条に違反する」という判決を下しました。(参考:日経新聞「同性婚認めないのは違憲、賠償請求は棄却 札幌地裁」)
東京・大阪・名古屋・福岡でも同様の集団訴訟があり、それらの判決が出ていない点には注意しておく必要がありますが、同性婚に関する議論が活発になっていくことは間違いありません。
違憲判決が出たということは、同性婚に準じた行政制度を差別してはならない、という流れが加速していくことが予想されます。
もちろん、最終的に同性婚が法制化されれば、異性婚・同性婚を別に考える必要もなくなり、既にある社内制度で対応できるようになるでしょう。しかし、残念ながらそこまでにはまだ長い道のりがあります。
つまり、企業は同性婚が法制化されるまでの間に、同性パートナーのいる社員を支える制度を段階的に整えていく必要があります。
一方、現段階で同性パートナーをサポートする体制が整っている企業の数は、まだそこまで多くありません。
今この記事を読んでくださっているあなたの会社は、いかがでしょうか?
今回の記事では、500社以上の取り組みを支援してきたJobRainbowの観点から、制度を整えるためのアプローチをご紹介します。
「取り組まなきゃいけないのはわかっているけれど、何をどうすればいいんだろう……」
とお悩みの方こそ、是非お読みください!
企業の同性パートナーシップ制度って、どんなパターンがあるの?
ひとくちに「同性パートナーシップ制度」といっても、そのあり方は様々。
大きく分けると、以下の3つがあります。
1. 社内で完結できる福利厚生などについては、異性婚と全く同じ取扱いにするケース
例)株式会社エイチ・アイ・エス、株式会社丸井グループ、NTTグループ など
2. 同性カップルに対し、異性婚に認められる制度の一部を適用するケース
例)ソニー株式会社、積水ハウス株式会社、日本オラクル など
3. パートナーシップ制度として、同性であるかに関わらず事実婚など結婚に準じた関係に対して、制度の一部を適用するケース
例)日本IBM、JR東日本 など
どのパターンでも、公的証書か社内で運用している書類の提出を求める企業がほとんどです。しかし、ノウハウのない状態で申請書などをイチから作る場合、時間と手間(場合によっては依頼費用)がかかってしまいます。
JobRainbowでは、
雛形を無料DL資料としてご用意しておりますので、「制度は導入したいけど、書類の準備で行き詰まっていて……」とお悩みの方は、上のリンクから是非こちらをご利用ください。
なお、現行の制度を「法的に婚姻関係を認められた異性の配偶者」のみに適用する、と定義している場合、新しい制度の運用にあたって就業規則における「家族」の定義の変更や、別途規程の作成が必要となります。
JobRainbowでは、10人〜5万人規模の会社まで、様々な企業の就業規則変更を支援していますので、「これで大丈夫かな」と不安に思うことがあれば、是非お問い合わせください。
同性パートナーシップを承認するには?
前の章でも触れましたが、企業が同性パートナーシップを承認する際、社内の制度を利用する以上、口頭で「同性パートナーがいます」と言うだけでは不十分です。
では、どのような手順を踏むことが求められるのでしょうか。
こちらも大きく分けると以下の3パターンになります。
1. 社内で用意した申請書に署名する
こちらをご検討されている企業担当者様は、先ほどご案内した、JobRainbowが配布している無料DL資料をご利用いただくだけで大丈夫です。例えば、スターバックスジャパンなどがこのような方法をとっています。
スターバックスジャパンの考える「ダイバーシティ」とは【LGBTフレンドリー企業インタビュー】
2. 生活をともにしていることを証明している住民票や自治体の証明書、家族であることを合意していると証明できる公正証書などの提出
渋谷区など同性パートナーシップ制度を定めている自治体が発行する証明書や、一部企業ではFamieeによる民間発行のパートナーシップ証明書なども利用されています。
なお、この場合でも多くの場合社内で用意した申請書に署名しますので、ぜひJobRainbowの用意した無料DL資料をご利用下さい。
3. 3年以上の同居など事実婚の判断基準を導入
3パターンあるものの、ほとんどの日本企業は独自の申請書を用意するなどの手間を省くために2. を採用しています。
同性パートナーシップ制度を導入するとき考えるべきこと
同性パートナーシップ制度を導入する際、注意していただきたいポイントが2つあります。
まずは性善説で進める、という点です。
同性パートナーシップ制度の議論において、福利厚生のために関係を詐称することがあるのではないか、という声はよく上がります。
しかし、情報を偽って自社の福利厚生を悪用すれば、当然社内の罰則規定に触れます。企業によって異なりますが、最悪の場合懲戒処分などになるでしょう。
同性パートナーシップ制度を導入した途端、福利厚生のためにそこまでのリスクを冒す人が増える、と想定することはあまり現実的ではありません。
基本的には、必要と言う従業員を信じて取り組みを進めましょう。
もう1つは、異性婚では必要としない負担を課すことになる、という点です。
現段階(2021年3月17日現在)では、公的書類を準備するにあたり異性同士の結婚にはかからない費用が必要となりますし、そもそも異性婚においては必要としない書類を準備する、という手間がかかることは合理的ではありません。
取り組みを進める場合、カミングアウトしている当事者が社内にいるならばその方に相談するのも一つの手段ですし、JobRainbowは様々な形で企業様の相談に乗っています。
JobRainbowができること
今回、制度導入の手順や注意点などご紹介してきましたが、既に取り組みを進めている企業は、業界や規模の大小に関わらず、それぞれの考え方に合わせてアプローチの方法を選んでいます。ただ、最終的には同性婚の法制化以前に「異性の婚姻関係」と「同性パートナーシップ」の扱いを等しくしたい、という企業がほとんどです。
「想いはあるけれど、やっぱりどうすればいいかわからない」という時は、私たちJobRainbowにご相談ください。
LGBTに関するトピック全般をカバーする弊社は、もちろん同性パートナーシップを導入したい、といった企業様も多数サポートしてまいりました。
無料相談も承っておりますので、まずは電話やメールでお気軽にお問い合わせください!
歴史が動いた今こそ、私たちと初めの一歩を踏み出してみませんか?