企業成長のカギは「D&I推進」。ユニソルHDが挑戦する、経営統合のシナジーとイノベーションを生み出すための「自分ごと化」とは?

ライター: JobRainbow編集部
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機械・工具、建設資材を核とした技術商社として、モノづくり産業を支えるユニソルホールディングス(旧社名:フルサト・マルカホールディングス)。同社は「多様性を活かす」組織づくりを人財育成方針のひとつとして掲げています。2021年の経営統合を経て、二つの異なる企業文化の融合という挑戦に直面する同社は、いかにしてダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を全社的な成長のエンジンへと変えようとしているのか。その取り組みと未来への展望を推進担当者に伺いました。

インタビュイー(D&I推進事務局)

UNISOLビジネスパートナーズ株式会社
人事部 HR企画課

  • 光山 舞さん

ユニソルホールディングス株式会社
経営企画部 サステナビリティ推進課

  • 水田 麻衣子さん
  • 今井 沙也加さん

※以下敬称略

ユニソルホールディングスのロゴの前でポーズをとる三人の女性。左から右に、女性一人がスリーブ付きのセーターを着て、女性二人はカジュアルなシャツとスカートを着用している。背景には緑の植物と会社の入り口が見える。
画像左:今井さん 画像中央:光山さん 画像右:水田さん

ユニソルホールディングス様は、近年D&I推進に本格的に着目されています。そのきっかけは何だったのでしょうか。

光山:最も大きなきっかけは、2021年の経営統合です。フルサトグループとマルカグループという異なるバックグラウンドを持つ二社が統合するにあたり、「シナジーを生み出してほしい」という経営層からの期待がありました。この「違い」を単なる壁ではなく「強み」として捉える視点から、D&Iの重要性を認識しました。

当社では中期経営計画の基本戦略の一つとして、「働きがいのある職場環境の整備」を掲げています。その実現に資するべく、2022年にはサステナビリティ基本方針として五つのテーマを設定。そのうちの一つが、「働く意欲を高め、成長と社会への貢献を促す」です。

社員の個性に重きをおいたダイバーシティ経営の実践を通じて社員ひとりひとりが働きがいを持って自律的に成長できる環境を用意すること、そして社会への貢献を果たす人財を育成していくことを目標に、日々取り組んでいます。

ー経営統合はD&Iの重要性を高めた一方で、異なる企業風土・文化の調整という難しさも生じるかと思います。どのように乗り越えてきたのでしょうか?

光山:長い歴史をもつ二社が統合したことで、組織文化やコミュニケーションのスタイルにはさまざまな違いがあり、また、お互いの会社に対する無意識の思い込みも存在していました。今回の研修では、これらの”バイアス”を解きほぐし、違いを受け止め、活かしていくという点に焦点を当てています。

これまでのD&Iへの取り組みとしては、オンラインでのアンコンシャスバイアス研修の配信や、外国籍学生の採用、女性総合職向けキャリアデザイン研修など、分野別の取り組みが中心でした。こうした中で、より本格的かつ全社的な取り組みとして企画されたのが、一泊二日で実施したD&Iワークショップです。

ー単発ではなく、あえて一泊二日という形での開催を選んだのはなぜでしょうか。実施背景とあわせてお聞かせください。

今井:取り組みが始まったばかりということもあり、D&Iという言葉自体が社内に浸透しておらず、きちんと理解している人もほとんどいない状況でした。そこで、人事部とサステナビリティ推進課による共同プロジェクトとしてスタートすることに。

私たちは、D&Iを推進する第一歩として、ワークショップ参加者が、D&Iの課題を「自分ごと化」することが最も重要だと考えました。

水田:参加者には、D&Iアンバサダーとして、ワークショップでの学びを自部署で展開していただくという役割も担っていただこうと考えていました。その場合、単発の研修を積み重ねるより、最初にギュッとまとめて知識を習得してもらった方が動きやすいのではないかと考えました。1泊2日であれば夜に懇親会を開くなど交流を深める機会も設けやすいので、これをきっかけに親睦を深めてほしいという思いもありましたね。

研修内容については、一般的な多様性のイメージだけでなく、考え方や目に見えない文化の違いといった、経営統合後の当社にとって重要な視点を含めることにこだわりました。一方的な講義ではなく、アンコンシャスバイアスから始まり、ビジネスインパクト、他社見学、そして自社への視点に戻すという流れで、グループワークを通じてD&I課題を「自分ごと化」できるように設計しました。また、今後の全社的なD&I推進を見据え、経営層へのプレゼンの機会も設けることで、経営層とアンバサダー双方の視点を共有することも意識しました。

D&Iワークショップの参加者が議論している様子。プロジェクターで表示された資料を確認しながら、グループ活動に取り組む参加者たちが写っている。
ワークショップ実施風景

JobRainbowとユニソルホールディングスによる研修のレポートはこちら

ワークショップ実施後の感想や手ごたえはいかがでしたか?

光山:想定していた以上に反応が良かったです。「研修に参加したことでD&Iにおける課題を自分ごと化できた」という声や、「D&Iは国籍や性別など目に見えるものに限定されるのではないことや、会社の成長にもつながることだと腑に落ちた」という意見が多く寄せられました。

経営統合による「異なる企業文化の合流」がキーポイントだったため、目に見えない違いに考えを巡らせるきっかけになったことは、こちらとしてもうれしかったですね。

今回の参加者は様々な部署から階級・年齢・社歴問わずに参加者を募りました。また、ワークショップの中では、一方的な講義形式ではなく、参加者同士がグループの中で話すことで自分ごと化できるように内容を構成。それらの取り組みが功を奏して、様々な社員がフラットに参加し、深い交流と議論につながったのではないかと思います。

ワークショップ終了後、自部署での展開状況についてシェアするオンラインでのフォローイングを実施されていましたが、その内容と反響はいかがでしたか?

水田:オンラインにてフォローイングを実施し、参加者に自部署での展開状況の共有と今後の施策案出しをお願いしていました。

「自部署だけでなく、他部署まで巻き込んで共有を行った」「ワークショップでの学びをもとに、D&I浸透の動画を作成して展開した」など、多くの方が事務局の想定を超える熱量で活動してくださっていたんです。アンバサダー同士が協力しあっていたケースも複数ありましたし、また、アンバサダーの上司が後押ししてくれたことも展開力の向上につながりました。

今井:研修や振り返りを通して、相互理解につながる施策案が多く出ました。中でも、「他部署の体験や見学」といった、部署間の理解を促す案は、何かしらの形で実現したいと検討中です。

また、「社員同士で認知的多様性を共有できるツールがあれば」という意見も出ました。現状、社員のスキルや経験といった情報は把握しづらいため、相互理解のためのツール作成などにも挑戦していきたいですね。

ー外部パートナーとして、JobRainbowを選んでいただいた理由を教えてください。

水田:当社のこだわりに対して、一番フレキシブルに対応してもらえたためです。複数の企業と打ち合わせをしましたが、他社では事前に用意されたいくつかのパッケージ型研修のなかから選択するスタイルが中心。そのため自社の細かい希望を反映させることが難しく、歯がゆさを感じていました。

そんな中、JobRainbowさんでは「こういうことを伝えたい」「このグループワークを増やしたい」といった要望に柔軟に対応・実現してもらえたため、研修をご依頼しました。

光山:今回オフライン研修だったためご来訪いただきましたが、研修会場でも実施のギリギリまで一緒に調整するなど、柔軟な対応もありがたかったです。他社ではなかなかできないことだと思いますし、そういった細やかな対応があったからこそ、心から納得できるワークショップにできたのだと思います。

D&Iの取り組みについて、想いや今後の展望をお聞かせください。

光山:D&Iを知識で終わらせず、何かしら行動に移すこと。そして、課題を自分ごと化して当事者意識を持ってもらうことを大切にしています。D&Iを人事部やサステナビリティ推進課だけで推進するのではなく、アンバサダーの輪を広げて全社的に推進していきたいです。そのためにも、D&Iが自分たちにとって大切なんだという「自分ごと化」を促し続けます。

今井:現状は手探りですが、好評だった今回のワークショップやフォローアップを、できれば毎年継続して開催したいと考えています。実施のたびにアンバサダーが増えていき、ゆくゆくは全社員がアンバサダーになる。そこまでいけば「やりきった」と言えるかもしれません。また、研修参加のためにはまとまった時間を作る必要があるため、上司や周囲の理解・協力が不可欠です。希望者が気持ちよく参加し、その後の推進も担えるようにサポートしていきたいですね。

当社のD&I推進はまだ始まったばかりです。「多様性を活かす」組織づくりを通じて、「違いから生まれるイノベーション」をより一層の企業価値創造につなげていきます。

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