第1回 「PRIDE SCHOOL」同窓会【卒業生たちがつかんだ未来】

ライター: Rickey
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昨年、株式会社JobRainbowと株式会社TENGAがタッグを組んで開講した、日本初のLGBT向けオンラインキャリアアップスクール「PRIDE SCHOOL」。

この度、なんと第2回の開講が決定しました!

それを記念して、今回は第1回の卒業生と講師が集まったオンライン同窓会の模様の一部をお送りします。

卒業生は、PRIDE SCHOOLを卒業して人生がどう変わったのでしょうか。

「TENGAとJobRainbowがコラボしてどうなったんだろう?」と気になっている方、「第1回には参加できなかったから、第2回には参加してみたいな」と思っている方、必見です!

第2回PRIDE SCHOOLのお申し込みはこちら!

日本初LGBT向けオンラインキャリアアップスクール「PRIDE SCHOOL」が閉講!【JobRainbow × TENGA】

卒業生 ゆめさんの「その後」

ゆめさん:私は、一番行きたかったところに内定が出ました!以前slackに長文で悩みを打ち明けたときは、ご心配をおかけしました(笑)

面接では自身の性自認についても話したのですが、「人間の本質は性別ではないし、あなたと働きたいと思ったから採用しました」と言ってくださり、自認する性で働けそうです!

もちろん、実際大丈夫と言ってもらえても、世の中にはアウティングなどもありますし、気は抜けません。でも、自分が前向きに進めるようになったな、と感じます。

星(講師):就活で無理解な面接官に出会ったときも、ゆめさんは世の中の動きなどを面接官に対して客観的に説明されていましたよね。その面接官は、説明の前と後とで凄く意識が変わったと思います。

「パーフェクトな環境」はおそらくありません。「入ってみたら仕事内容が想定と違った」「ちょっと苦手な上司がいる」……これらと同じように、LGBTに関しても「思っていたより遅れている」などあるでしょう。そのなかで、「関わった会社をよりよくしていく」というゆめさんの姿勢は、まさにPRIDE SCHOOLのバリューを体現してくれていて、講師としても嬉しい限りです。

ゆめさん:入社する会社は人数が少なくて、もしかしたら近いうちに人事もできるかもしれないんです。そういう意味では、会社を自ら変えていくチャンスもありそうで。

「自分には居場所があるから、たとえ嫌なことを言われても大丈夫」と前向きになれたのは、PRIDE SCHOOLがあったからです。支えになってくれて、ありがとうございます。

卒業生 しゅうへいさんの「その後」

しゅうへいさん:私は、新卒としてはまだ仕事を始めたばかりですが、実はPRIDE SCHOOLを卒業してから始めたことがあります。Voice Up Japanという、ジェンダーに基づいた暴力の撤廃や女性の政治参加、若いリーダーの育成を目指す団体に参加しました。今年の衆議院選挙に向けて、投票率や政治への関心をあげることを目的として議員の方々にLGBT関連法案の現状についてヒアリングを行ったり、LGBTに関する法案・制度についての記事執筆を担当しています。もし良ければチェックしてみてください!

voice up japanのinstagram
Voice Up Japanのinstagram

西野さん(講師):卒業発表でもメディアをテーマにしていましたし、学んできたことがしっかりつながっていますね!でも、なんでこの団体に入ろうとしたんですか?

しゅうへいさん:PRIDE SCHOOLに入ってから、自ら動いて何かを発信したいという思いが強くなり、自分ができることや経験・考えを人に伝えるロールモデルとなる方法を考えました。Voice Up Japanでは記事やインスタへのpostを通じて色んな人に情報を伝えられますし、当事者である自分が上げた声をLGBTだけでなく“マジョリティ”とされる人たちにも届けられると思いました。

星:Voice Up Japanは「マジョリティを変えなければ世の中は変わらない」という考えのもと、当事者だけに対してではない、広い視座での発信をしていますよね。JobRainbowも全く同じで、toCの部分ではLGBTの求職者に使って欲しいのですが、toBは企業に向けたビジネスですので、所属する社員に必ずしも当事者性があるとは限りません。ゆえにマイノリティとマジョリティ両方に発信するためのバランス感覚が必要だな、と日々感じます。それを培えているなんて、素敵ですね!

卒業生 リッキーさんの「その後」

リッキーさん:私は2月に転職し、企業の採用支援を行っています。パートナーが5年ごとに転勤する可能性があるので、自分はフルリモートで働ける環境に身を置いておきたかった、というのが転職理由のひとつです。あとは、前の会社でPRIDE SCHOOLをきっかけに直属の上司にカミングアウトしまして。そのままD&I推進のために活動したいと思っていたのですが、歴史ある会社ゆえに活動を本格化させるには時間がかかりそうで。ならいっそ環境を変えるのがいいのでは、と行動に移しました。今思えば、どちらもPRIDE SCHOOLが行動のきっかけでしたね。

西野さん:直属の上司にカミングアウトするのはすごくエネルギーがいることだと思うのですが……すごいですね。

リッキーさん:スクールをきっかけに「大丈夫だろう」「まずは言ってみよう」「変えていきたい」という気持ちになりました。今は採用の入口を担当しているのですが、いずれは採用後のやりとりも担当したいですね。

星:考えてみると、ここにいるメンバーは全員、JobRainbowユーザーのサポートをできる力がありますよね。とくにリッキーさんは人事の経験がありますし、ぜひいずれ携わっていただきたいです!(笑)

それにしても、コロナの時期は環境を変えることをためらいがちですが、PRIDE SCHOOLをきっかけに行動している方の多さに感動してしまいました。

卒業生 ぐっちーさん・もりもりさんの「その後」

ぐっちーさん:私は星さんと一緒にhpのウェブCMに出演させていただきました。撮影の時、初めてリアルでお話しできて楽しかったです! 実はその時からフォトグラファーとして少しずつ活動を始めまして、それと並行して福祉の仕事もしています。1月から新しい職場になって、24時間介護が必要な方への訪問介護を週4日やりつつ、残りの日で写真を撮っています。

ぐっちーさん:PRIDE SCHOOL講師の佐藤さんはさまざまな複業をされていて、話を聞く中で新たな発見がありました。「色々な仕事をバランスとりつつやっていく」という働き方が視野に入ったのは、1つの仕事に絞る必要は別にない、と気づかせてくださったおかげです。

もりもりさん:私も環境がかなり変わりました。ジェンダー関連の活動を行う学生団体に入って、主に神奈川県で同性パートナーシップをもっと広げるために市議会議員の方と対話しています。バイトは辞めて、自分のやりたいことに集中したいと思い、ベンチャー企業2社で長期インターンをしています。イラストを描いて収入につなげるなど、有意義に過ごせています。行動を起こせたのは、PRIDE SCHOOLの仲間に影響を受けた部分も大きいですね。

卒業生 だいすけさん・あきさんの「その後」

だいすけさん:僕がPRIDE SCHOOLを受講していたのは、ちょうど新卒就活をしっかりしていた時期でした。年が明けてから内定をいただきまして、NPOに対して事業を展開するソーシャルベンチャーで働いています。社長には面接の際カミングアウトしたのですが、周りの社員にはまだカミングアウトしていません。でも、「週末は京都のLGBTコミュニティの運営をしている」といった話はしていて、周りも「彼女いるの?」ではなく「パートナーいるの?」といったコミュニケーションをしてくれるので、心理的安全性がめちゃくちゃあります(笑)

ただ、僕はまだ下流の仕事をしており、関係者それぞれの意見を調整するなど、業務面ではストレスがあります。そういうとき、PRIDE SCHOOLの仲間とたまにSNSでやりとりして何とか耐え忍んでいます(笑)

だいすけさん:でもつい先日、LGBTQ関連の活動をする団体様に営業する機会がありました。自分が興味ある課題に取り組んでいる方とコミュニケーションをとるのは楽しかったので、自社でまだ関わりの少ないLGBTQ関連の団体とのやりとりを主導して、課題解決のために頑張っていきます。

あきさん:私は、1月にPRIDE SCHOOLが終わってから「ずっとやってみたかったことをやってみよう」と思い、プログラミングを始めました。1月から2ヶ月スクールに通い、デザインの勉強も行い、今はそのスクールで受講生をサポートするインターンを行っています。「教える」まではいかないのですが、質問されたら答えられるよう学んだことを思い出す日々です。

西野さん:教える立場になると、新たな学びがありますよね。

あきさん:「なんでこの人はこう考えて、こうやればできると思ったんだろう?」と相手のことをもっと考えるようになりました。あと、この会社は価値観が合うので、インターンがしっくりくればそのまま入社したいと考えています。この会社はプログラミングだけでなくリカレント教育全般に力を入れていて、PRIDE SCHOOLもそうですが、世代や性別問わずみんなが学べる場所ってとても素敵だなと思って。

講師 星賢人の「その後」

星:この半年、いろんな変化がありました。コロナによる就業環境の悪化、就活・転職の難易度や進め方の変化。ただでさえ働くのが難しくなったなか、LGBTがダブルマイノリティになってしまうのでは、という課題感からPRIDE SCHOOLは始まりました。そのため初めは「困っている当事者をなんとかしよう」という意識でしたが、最終発表では皆さん「世の中に対してインパクトを与える」という同じ方向を見ていて。だからこそ、卒業した皆さんはジェンダーやセクシュアリティについての発信をしたり、社会的なインパクトの大きい会社に入ったりしたのかな、なんて思います。

星:以前は、「変わりゆく世の中でJobRainbowのやるべきことも変わってきている」と思っていました。でも社会にはまだPRIDE SCHOOLのメンバーでも苦労するような困難があると知り、過渡期を痛感しています。そんな社会を残したまま卒業生を送り出すことを申し訳なく思う一方、世の中を変える力を持った皆さんが社会に羽ばたいてくれたのは、次のPRIDE SCHOOL のメンバーの勇気になると思います。PRIDE SCHOOLの運営チームで「次はもっと多くの受講生を迎えたいね」という話をしていますし、皆さんにも力を貸していただきたいです。

星:今取り組んでいる領域でも、できること・しなければいけないことはまだたくさんあります。だから、原点を忘れずにLGBT領域のビジネスを続けていきたいです。そこから「ダイバーシティ」まで裾野を広げ、キャリアに関する日本の文化を変えるために様々な新規事業なども仕掛けていきます!

おわりに

拍手で締めるPRIDE SCHOOL同窓会

学んだことをいざ仕事に落とし込むとなると、簡単にはいきません。しかし、悩みながらトライアンドエラーを繰り返すにあたり、周りを参考にすることは大きな成長につながります。

卒業生の近況報告や相談はslack上で「アフタースクール」という形で行われており、同じPRIDE SCHOOLを卒業した仲間が何に直面したか・気づいたか、という経験を改めて共有することが、自分自身だけでなく他の仲間の気づき・学びになります。

これを読んでいるあなたも第2回PRIDE SCHOOLに入学して、仲間と一緒に自分を、世の中を変えてみませんか?

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