LGBTフレンドリーな金融会社まとめ10選【保険やローンについて考え始めたあなたへ】
現在の日本では、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーをはじめとしたセクシュアルマイノリティの総称)は、婚姻関係の証明が難しいことが多く、配偶者向けのローンを組むことが出来なかったり、配偶者向けの保険が適用されなかったり、また社内においても、配偶者には認められるのに同性パートナーには社宅の貸与が認められない、といった様々な問題が生じていました。
そんな中、セクシュアルマイノリティにとっての使い勝手を良くしようと、ローンや保険において同性パートナーを配偶者と同様の扱いとしたり、取り扱い基準を見直すなどして対応する金融会社が現れました。
今回は、「LGBTフレンドリーな金融会社10選」と題して、それらをまとめました。保険や住宅ローンを考えている方だけでなく、金融会社に就職したい方も、ぜひ参考にしてください!
- 1. 株式会社三菱東京UFJ銀行
- 2. AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)
- 3. ライフネット生命保険株式会社
- 4. 株式会社日本政策金融公庫
- 5. マネックス証券株式会社
- 6. 株式会社みずほ銀行
- 7. 第一生命株式会社
- 8. 日本生命保険相互会社
- 9. 楽天銀行株式会社
- 10. 野村證券株式会社
- まとめ
1. 株式会社三菱東京UFJ銀行
三菱東京UFJ銀行は2017年から、渋谷区などで発行される同性パートナーシップ証明書か、婚姻関係に準じた生活を送っていることなどを含んだ本人と第三者の同意書があれば、住宅ローンで同性パートナーの家具や財産も補償に含めることを認めています。
また、多様性を実現するために、多様な人がお互いにその違いを受け容れ、いきいきと働き、さらに活躍できる風土を醸成するため、三菱UFJフィナンシャル・グループ全体で、毎年1回ダイバーシティレポートを発行し、グループ各社における取り組みや先進事例を紹介しています。企業全体で理解を深めていることは、信頼できる要素の一つですね。
2. AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)
AIGは、世界有数の規模を誇る保険グループとして、世界各国で保険事業を展開しており、グループ全体でLGBTへの対応を進めています。
まず、AIGグループ傘下の損害保険会社であるAIU損害保険と富士火災海上は、傷害保険と海外旅行保険の死亡保険金受取人について、2016年3月後半からパートナーシップ証明書(現在のところは渋谷区発行のもののみ)の写しなどを提出すれば、「配偶者または親族」と同等の扱いとする、と定めました。また、同グループ傘下のAIG富士生命は5月16日、所定の条件を満たした場合、生命保険の死亡保険金受取人に同性パートナーの指定を可能とする運用を開始しました。
さらに、社外だけでなく社内のLGBT対応も進んでおり、2016年5月1日からは、社員の福利厚生における結婚および配偶者の定義に「同性婚」を追加しました。これにより、例えば結婚祝い金や結婚式休暇の適用範囲が同性婚の従業員にも拡大し、代用社宅規程、単身赴任補助規程、転勤費用規程においても同性婚パートナーが対象となるようになりました。
AIGグループのLGBTへの取り組みについてさらに詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください!
3. ライフネット生命保険株式会社
ライフネット生命株式会社では、従来、死亡保険金受取人の指定範囲は原則「戸籍上の配偶者または2親等内の血族」となっていましたが、2015年11月4日から、同居期間など一定の条件のもと同性のパートナーを受取人に指定できるようになりました。これによって、遺産分割協議の対象外となる死亡保険金を同性パートナーに残せるようになりました。
また、2016年には「レインボーフォトプロジェクト」という活動を行いました。これは、LGBT関連イベントでライフネット生命株式会社が出展するフォトブースで写真撮影をすると、写真1枚あたり100円を活動資金が積み立てられ、その資金を元に、この会社の取り組みが事例として掲載されているLGBT児童書を購入し、全国各地の図書館に寄贈するという活動です。
こうした取り組みが評価され、2016年には先述の「PRIDE指標」において最高評価である「ゴールド」を獲得し、さらに応募企業・団体の取り組みの中から特に優れた事例として「ベストプラクティス」に選定されました。
ライフネット生命株式会社のダイバーシティへの取り組みに関してさらに詳しく知りたい方は、こちらをクリック!
4. 株式会社日本政策金融公庫
株式会社日本政策金融公庫は、働き方改革の一環として、職員間の相互理解を促進すべく、「育児、介護、イクボス、LGBT」をテーマに、2017年8月 7 日(月)~10 日(木)、職員向けの 4 日間集中セミナー 「ダイバーシティWEEK」を開催しました。
このLGBTをテーマとしたセミナーでは、2013年に東京ディズニーシーで初の同性結婚式を挙げ、渋谷区パートナーシップ証明書交付の第一号として知られる、増原裕子氏が講師として招かれました。
5. マネックス証券株式会社
マネックス証券株式会社は、2017年12月19日より、性的マイノリティのカップル向けに、二人で貯蓄を行い資産管理が行えるパートナー口座サービス「パートナー口座」の提供を開始しました。
「パートナー口座」は、二人の資産形成を支援するだけでなく、二人が利用するクレジットカードの引落先口座として利用できます。法律婚ではないカップルが対象となるサービスで、「二人が同じ口座で貯蓄を行える」「二人が利用するクレジットカードの引落先口座に同一口座を指定できる」口座サービスは、主要オンライン証券で初めてです。これにより、二人のクレジットカードの引き落とし先口座を一つにできる・二人のそれぞれの銀行口座から「パートナー口座」へ入金が可能・万が一の際には二人のそれぞれの銀行口座へ資金を戻せる・マネックス証券発行の「パートナーシップ認定書」を受け取ることが出来る、といったメリットがあります。
6. 株式会社みずほ銀行
みずほ銀行では、「ダイバーシティ&インクルージョン ステートメント」において、LGBTなど性的少数者の社員が、活躍し続けることができるような環境作りに向けた取り組みについて明記し、2017年10月からは、渋谷区の「パートナーシップ証明書」、もしくは「任意後見人」に互いを指定したと示す公的証書があれば、配偶者と同性パートナーを同様に扱うと定めました。社内への取り組みとしては、研修をはじめとした社員全体の理解促進、性的少数者のための相談窓口の設置・カウンセリングの実施などを行っています。
こうしたLGBTに関する取り組みが評価され、2017年10月にみずほ銀行ほか4社みずほグループは、LGBTに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideによる、性的マイノリティに関する取り組みの評価「PRIDE指標」において、最高評価の「ゴールド」を受賞しました。
7. 第一生命株式会社
第一生命株式会社は、元々契約者が事実婚や同性のパートナーを受取人とすることを希望した場合、生活環境や被保険者と受取人の関係を確認したうえで、指定の可否について判断してきましたが、2015年11月5日からは渋谷区のパートナーシップ証明書の写しを提出することで、保険金の受取人指定の手続きがスムーズになりました。
また、社内に向けて、LGBT理解促進研修の継続的な実施・社員向けLGBT相談窓口の設置・社員が遵守すべき方針等に「性的指向・性自認」を理由とする差別をしないことの明記・結婚や出産時等に取得を認めている休暇制度及び社宅貸与の基準について、原則同性パートナーについても対象とすることを定めました。
社内に向けた取り組みがきちんとなされていれば、保険契約時に社員さんと話す時にも安心ですね。
8. 日本生命保険相互会社
日本生命保険相互会社は120年以上の歴史を誇る保険会社です。
こちらでは、生命保険契約の死亡保険受取人・指定代理請求人に同性パートナーが指定できるようになっています。また、2017年4月から、休暇、休業、社宅の適用などの福利厚生制度において、同性パートナーを配偶者とみなす運用がされています。
加えて、計7万人を誇る全従業員に対して、LGBTに関する啓発活動を行ってきました。
歴史ある保険会社がこのようにセクシュアルマイノリティについての対応を進めているのは頼もしいですね。
9. 楽天銀行株式会社
楽天銀行株式会社では、今まで紹介してきた生命保険の手続きとは大きく異なり、パートナーシップを公認する公的書類を提示せずとも、「スーモカウンター新築マンション」の利用者であれば、住宅ローンを利用することが出来ます。
加えて、同グループに属する楽天カード株式会社では、新規申し込みの際に続柄を「配偶者」とすることで、同性カップルも家族カードの申し込みが可能です。この家族カードは年会費が永年無料で、入会ポイントももらえます。
パートナーシップ証明書を発行する自治体が少ないことを考えると、公的書類が不要なのは、とてもありがたいですね。
10. 野村證券株式会社
野村證券株式会社は、社員が自主的に運営する3つの社員ネットワークを通じて、女性のキャリアやワークライフ・マネジメント、多様な文化やLGBTへの理解などについて情報を発信するイベントを開催するとともに、社内・社外交流の機会を提供しています。性的マイノリティを理解し、支援する「アライになろう!」をスローガンとして(アライ=Ally、同盟の意)、差別的な言動の認知や当事者への理解を促進する映像やポスター、多様な性と尊厳を象徴する虹色のコーンなどを本社カフェテリアで展示するなど啓蒙活動を実施しました。
また、新卒の採用研修や、中途採用の研修、すべての管理職研修にダイバーシティ・マネジメント研修を導入することで、多様な人材が活躍できる社内風土の醸成に力を入れています。全ての社員がLGBTに対して理解があるというのは、非常に心強いですね。
まとめ
住宅保険だけでなく、生命保険やカード、銀行口座と、金融会社の取り組みは多岐にわたります。皆さんも、この記事を参考に、自分に合った金融機関を見つけてみてください!