印象に残る志望動機と自己PRのつくり方【LGBT就活・転職ガイド 5-3】

ライター: JobRainbow編集部
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自己分析と業界・企業研究の集大成

ESは、これまで行ってきた自己分析と業界・企業研究で得たことを自分の言葉で表現して伝える、いわば集大成ともいえる書類です。

一方、企業目線から見てみると「求める人材=自社で成果を出す人材」かどうかを、スキルマッチ、カルチャーマッチの観点から確かめる意図をもって質問を作成しています。企業の質問に的確に答えつつ、経験に裏打ちされた自分の言葉で表現しオリジナリティを出すことが、魅力的なES作成のポイントです。

自分らしさが伝わる志望動機と自己PRのつくり方

「自分の強み」と「その根拠となる事実」、「企業で活かせるポイント」を、ストーリー性を重視して組み立てます。冒頭に、強みを一言で表現したキャッチコピーをもってくると印象的です。

強みを裏付ける派手な理由がないとき、オリジナリティを出そうと思って、話をつくってはいけません。見方を変えて多角的に説明することで、個性をアピールすることができます。

たとえば、リーダーシップをアピールするための根拠として「100人のサークルの代表だった」という事実を挙げたところで、オリジナリティはあまり伝わってきません。しかし、「代表になりたてのときは50人だったメンバーが、独自の運営アイディアを打ち出した結果、100人に増えた」と具体的に述べ、さらに独自のアイディアを紹介すれば、オリジナリティをアピールできるでしょう。

もう一つ注意したいことは、苦労や辛い体験だけはPRにはならないということです。2章で紹介したエピソードのネガポジ変換を参考に、ネガティブな体験をポジティブな印象へとつなげ、同情よりも共感される志望動機、自己PRを意識してつくりましょう。

ここでは、そうしたNG例をベースに、良い志望動機と自己PRの作り方を実例で解説します。

良くあるNG例①:「LGBTフレンドリー」が志望動機

添削前の志望動機
これまで、トランスジェンダーであることで辛い思いをしてきました。これからはそんな思いをしたくないと、LGBTフレンドリーな貴社を志望しました。

これでは、ネガティブで受け身な印象のままです。例えばその会社が百貨店を運営している会社だった場合、このような書き方ができます

添削後の志望動機
【自身の強みを活かして、多様なお客様を支えるサービス作りに携わりたい】
これまで、トランスジェンダーの当事者として周りの目を気にし過ぎてしまったり、辛い思いもしてきました。
しかしだからこそ、その逆境を乗り越え、人以上に相手の気持ちに寄り添えるようになり、今では思いやりを持ったコミュニケーションが私の強みになりました。
貴社は私のようなLGBTだけでなく、お子さんから高齢者の方まで、日々多様なお客様の生活を支えるサービスを提供しています。だからこそ、この誰よりも思いやりを持ってコミュニケーションできる力は、接客だけでなく、組織のより良いホスピタリティ向上にも繋げていけると考えています。
数ある百貨店業界の中でも、真摯にダイバーシティ推進に取り組む貴社でなら、必ずや私の強みを存分に発揮することができると思い、志望しました。

このような形で、自身の強みをアピールしながら、それをどのように企業活 動に活かせるのかを結びつけます。加えて、なぜその企業でなくてはならない かを、セクシュアリティにも言及しながらまとめています。

良くあるNG例②:セクシュアリティが強み

添削前の自己PR
私はゲイなので、センスがあり、多様な視点を持っているのが強みです。

さすがにここまでシンプルに書く方はいないと思いますが、セクシュアリティが強みに直結するような書き方は、貴方固有の強みにつながらず、採用担当者からすると「じゃあ他のゲイの方でも良いよね」となってしまいますし、そもそもゲイでもセンスのある人もいれば、ない人もいます。

ある意味「私はO型なのでおおらかなのが強みです」と言っているのとあまり変わらないので、安易に使うのは控えた方が良いでしょう。

ただ、上の志望動機例のように、LGBTであることで経験したこと、考えたことなどは、一つのストーリーにすることで、下記のような貴方ならではの強みに変換していくエピソードにもできます。

添削後の自己PR
【私の強みは枠にとらわれない発想力です】
この強みは、自分自身ゲイとして参加していたLGBTサークルでイベントを主催し、20名目標のところ、40名集客を達成した経験で発揮することができました。
そのサークルでは毎年学園祭の時期に、学内外の人向けのイベントを企画しているのですが、毎年サークルメンバー以外の参加は10名程度にとどまっていました。
そこで私は、⑴多くの人たちにサークルの活動を知ってもらいたいと20名集客を目標に立てました。
⑵その上で、集客ができていない理由は魅力的なコンテンツがないためだと考え、自分自身やサークルメンバーのライフヒストリーをもとにした劇を開催することにしました。
⑶結果として、多くの人から「遠い存在と思っていたが、LGBTはもっと身近なテーマなんだと理解できた」など好評をいただき、40名集客を達成することができました。
この私の枠にとらわれない発想力と言う強みは、多様な視点を求める貴社においても、必ずや発揮できると考えています。

このように、もし貴方が、センスや多様な視点を持っていることをアピールしたいのなら、セクシュアリティという属性を根拠にするのではなく、そのセクシュアリティだったからこそ経験したこと、見えたことをストーリーにして根拠にしていきましょう。

いざESを書くとなると「自分には強みなんてないし・・・」とネガティブになるかもしれませんが、これまで強みのない人に私は一度も会ったことはありません。きっと自分には会社が求めている力があるんだと前向きにESを練りこんでいきましょう(→自分の強みと弱みを自覚する)。

LGBTならではの「体験」を変換する例
志望動機・LGBTを含むすべての多様な人を支える仕事がしたい
・LGBTなどマイノリティ向けのサービス提供がしたい
自己PR・逆境を乗り越え、自分と向き合った
・多様な人(お客様・従業員)の気持ちに寄り添えるようになった
・多角的な視点で考えられる発想を得た

Q セクシュアリティに関して書いたら落ちてしまいました。書かないほうが良いのでしょうか?

セクシュアリティに言及し落とされたことで、「自分がLGBTだから落とされてしまったんだ」と落ち込んでしまう気持ちはよくわかります。ですが経験上そういった方のESを見るといくつかのNGパターンに沿っている場合が多く、逆に言えば、セクシュアリティに言及していても、注意するポイントを押さえていればそこで落ちることは知る限り殆どありません。

貴方がLGBTであるから、と言う理由で落とす担当者ももしかするといるかもしれませんが、そのような会社に入っても自分らしく働くことは難しかったと、気持ちを切り替えるのも大切です。

POINT

  • 志望動機と自己PRでは、成果を出す人材であることを説得力をもって伝える
  • セクシュアリティについて書くときは、ネガティブで受け身な印象を持たれないように、自分ならではのストーリーを意識しよう

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