先輩の体験談 すばるさんの場合【LGBT就活・転職ガイド 6-9】
インターンシップの面接でカミングアウトをするか否か
僕は絶賛就活中の学生ですが、就活が本格化する前はサマーインターンへの応募を考えていました。しかし、ひとつ問題がありました。
それは、「インターンシップの面接でカミングアウトをするか否か」です。僕は、自分がゲイであることを隠すために、嘘をついたり話題をそらしたりするのが苦痛でした。
それに、自分の人格や考え方の形成にセクシュアリティが大きく関わっていました。カミングアウトなしでは、きっときちんと自己PRできないと思ったのです。
寛容な企業を選ぶ
就活が本格化する前なのだから失うものはないと思い、選考中によい機会があればカミングアウトすることにしました。
とはいえ、多様性に不寛容な職場環境ではきっと勤続できないと思ったので、応募先の企業が多様性に寛容かどうかは重視しました。
それにあたって当時の僕は「(メガ)ベンチャーかどうか」を指標にしました。いま思えば、「LGBTに関する施策を打っている」や「女性社員の数が多い」といった点も指標になると思います。
インターンシップの面接でカミングアウトした結果
いざ、インターンシップの選考の段になりました。面接が中盤に差しかかったとき、「いままでの経験で、あなたの考え方を変えた出来事は何ですか?」という質問をされました。
そこで僕は、「ゲイであることに悩み、勉強していくうちに絶対的な価値観はないことを学んだ」といったことをありのままに話しました。
面接官の人事担当者の方はとくに驚いた様子もなく、すんなりと受け入れてくれたようで嬉しかったです。そして自己PRがきちんとできたおかげか、無事に選考を通りました。
面接で見られていた2つの点
選考通過後、受かった理由を面接官に尋ねる機会がありました。すると、「『絶対的な価値観はない』という考え方が、この会社の考え方と相性よいと思ったからです。それに、インターンシップで満足なパフォーマンスを出す潜在力を感じたからです」といわれました。
つまり、面接官が見ていたのは考え方や能力であり、セクシュアリティではありませんでした。
セクシュアリティを自己PRに活かす
僕が選考を通過できた理由はセクシュアリティではなく、セクシュアリティに付随した経験から得た学びや考え方の変化をうまく言語化して、相性の合う企業と出会えたからなのではないかと思います。
もしセクシュアリティを自己PRに活かすのであれば、「どのようにいえば面接官にもっと伝わるのか」といったことを工夫したいですね。とはいえ、カミングアウトをするか否かは人それぞれです。自分にとって心地のよい選択をすることが重要だと思います。
一言メッセージ
就活で大切なのは、自分の考え方や能力がその会社で活かせるかどうかではないでしょうか? セクシュアリティは受かる理由にはなりません。もちろん、受からない理由になるべきでもありません。学業・バイト・サークルなどに一生懸命取り組んで、語ることができる経験を増やしておきましょう。
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