先輩の体験談 すぐるさんの場合【LGBT就活・転職ガイド 8-10】

ライター: JobRainbow編集部
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デザイナーとしてのキャリアアップと、自分らしく働ける職場を探して

私はいま、ウェブ系のスタートアップ企業でデザイナーとして勤めています。デザインの仕事は10年ほどキャリアがあり、さまざまな業界で、ウェブや印刷物を中心に携わってきました。

前職は比較的大規模な企業で、制度や働く環境は整っていましたし、仕事内容のやりがいも大きかったのですが、もっと深いキャリアを積みたいと思い、現在の企業に転職しました。いまの組織は少人数なので、任される裁量が大きくやりがいを感じるだけでなく、一緒に働く人たちがとてもフレンドリーで、自分のセクシュアリティを気にせず働けるという点も大きな魅力です。

「彼女いないの?」「結婚はまだ?」の質問には言葉を濁していた

私はオープンな性格なので、自分のセクシュアリティについて悩んだことは少なかったかもしれません。ですが、職場の人にカミングアウトをすることには消極的でした。

たとえばいままで勤めていた企業の飲み会では、同僚や上司が楽しそうにパートナーや家族の話をして心を開いてくれているのに、自分は「ゲイであること」に後ろめたさを感じて、素直に自分の話をすることができませんでした。恋愛の話になったとき「彼女いないの?」という一言にも、何となく言葉を濁したり、異性に置き換えて話をしたりして、そのたびにもどかしい気持ちを感じていました。カミングアウトをすることで、職場の人たちから否定されてしまうのではないかという怖さがあったのと、仕事にも影響があるのではないかという不安があったからです。

またこんなエピソードもあります。以前、大手のウェブ系の企業に勤めていたときのことです。当時付き合っていたパートナーが仕事で遠方に移住することが決まり、自分も彼とともに移住し、一緒に住むことになりました。その企業にはいくつか支店もありましたが、「男性のパートナーと一緒に移住するから」という理由での異動は認められないだろうと思い、結局自分からその企業を退職してしまいました。

仕事をするにも生活をするにも、どこかゲイであることがネックになっていて、うまくいかないことは多かったと思います。私はそんな自分の過去に対して、ずっと「悔しい」という思いをもっていました。自分のことを伝えたら、理解してもらえて、何も無駄なことを考えずに好きな仕事に集中できたかもしれないのに……。

だから、自分のため・仕事のためにも人間関係をもっと円滑にしたいと思い、いまの職場では私からカミングアウトをして働いています。

「悔しい」と思っている時間を楽しい時間に変える

カミングアウトは、決してしなければいけないものではありません。それにいわなければ自分がゲイであることは周囲にはわからなかったかもしれません。

変化を起こすということはとても勇気がいることでしたが、でも私は、セクシュアリティを伝えることで、職場での人間関係も築きやすくなるのではないかと思いました。

自分の気持ちを隠していたり、嘘をついている自分に対して「悔しい」と思う時間があるなら、その時間を好きなことや仕事に思いっきり打ち込んだり、笑顔でいられる時間に変えられれば、それって素敵なことですよね。

一言メッセージ

まずは自分自身のセクシュアリティを認めることからはじめてみてください。せっかくの一度きりの人生なので、迷ったり悩んだり、苦しみを感じている時間を、他の楽しいことに費やして、自分が笑っている時間を増やせるといいですね。きっとあなたの人生がもっと輝かしいものになると思います。

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