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LGBTであることをカミングアウトする前の準備〜家族編〜
![この記事のアイキャッチ画像](https://static.jobrainbow.jp/wp-content/uploads/2019/06/01121531/b005563a1b968789b8781b42e11318e6-e15559173271891.jpg)
「彼氏/彼女はいないの? 早く結婚して子供の顔を見せて」
「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった、セクシュアルマイノリティの総称)って最近よく聞くけど、あなたが“そう”だったら困るわ」
親が子供をLGBTではないと決めつけこれらの言葉を浴びせるとき、自分がセクシュアルマイノリティである(もしくはそうかもしれないと悩んでいる)子供は大きな苦痛を感じます。
家族に自分のことをきちんと知ってほしいとき、当事者であることを「カミングアウト」するという選択肢があります。
ヘテロセクシュアル(性的指向が異性に向くセクシュアリティ)やシスジェンダー(身体的性と自認する性が一致するセクシュアリティ)ではないと家族に正確に理解してもらうことができれば、当事者を傷つけるような発言をやめてもらえるかもしれませんし、アイデンティティを隠すストレスが軽減され、堂々と過ごすことができます。
ただし、カミングアウトは「したほうがいい」と一概には言えませんし、「必ずしなければならない」とも言えません。
カミングアウトするメリットはもちろんありますが、デメリットもあります。
この記事ではそのどちらもカバーすることで、家族にカミングアウトするか悩んでいる人の選択の手助けになることを願っています。
今回は、家族にLGBTであることをカミングアウトする前に準備するべきことを以下のサイト、書籍を参考に考えてみました。
「ヘテロセクシュアル」って何?~「当たり前」なんかじゃないよ、異性愛!~
「カミングアウト」って何?~LGBT カミングアウトストーリーまとめ~
カミングアウトする前の準備
1. 理由・目的・伝えたい内容を書き出してみる
![手とペンの画像](https://static.jobrainbow.jp/wp-content/uploads/2019/06/01121603/1b6eb8f1b7a5280f961c18d249e44dc1-e1555917343251.jpg)
カミングアウトについて迷ったり悩んだりしているときは、まずは自分の気持ちと考えを整理することから始めましょう。
その際、専門機関に相談することも有効です。
ガイダンスのあと4番を選ぶと、セクシュアルマイノリティの専門回線につながります。24時間受け付けています。
毎月第1月曜日 19:30~22:30に当事者と周りの人々のための電話相談を行っています。
毎週火曜日夜8時〜10時に、同性愛者の悩みや心の問題に対応しています。
なぜカミングアウトするのか、カミングアウトしてどうなりたいかを明確にイメージしてください。LGBTであることをただ伝えたいのか、理解してほしいのか、援助をしてほしいのかによって話の切り出し方も変わってきます。
LGBTの相談や診断はどこですればいいの?あなたの生活をもっと暮らしやすくしてくれる施設・団体
2. 同じセクシュアルマイノリティの友達など、家庭以外の居場所を持つ
![3人が肩を並べて座っている画像](https://static.jobrainbow.jp/wp-content/uploads/2019/06/01121630/f13d0771255396acb9dada5c27b9d054-e1555917515860.jpg)
カミングアウトのデメリットとして、人間関係が永続的に変わってしまう恐れがあります。なぜなら、LGBTであることが必ずしも家族に受容・理解してもらえるとは限らないからです。
家族からの反応で落ち込むことがあったとき、自分の居場所と思える、精神的なサポートをしてくれるコミュニティを持っていることはとても大切です。
もしLGBTであることを家族から受け入れてもらえなかったとしても、自分の悩みを理解してくれる友人と過ごすことで、健全なセルフイメージを保つことができます。
3. 家族から経済的に自立をする
![お札とコインの画像](https://static.jobrainbow.jp/wp-content/uploads/2019/06/01121702/f53567d1af6ae9f64b29bca4bec01a01-e1555917364401.jpg)
前の項目ともかかわってきますが、家族がLGBTに強い拒否感を示したとき、家を追い出されたり、学費を止められたりするかもしれません。家を追い出された場合、身体の安全性すら保たれなくなってしまいます。
アメリカでは若いホームレスの4割がLGBT、そのうち7割がホームレスになった主な要因として家族からの拒否があったという報告(参考:SDGLN(2012) “America’s shame: 40% of homeless youth are LGBT kids”)もあります。日本においても、若年層ホームレスにおけるLGBTの割合はゼロではありません。
もし家から追い出されるような可能性がある場合は、そうなっても大丈夫になるまで待った方が良いでしょう。
4. 家族のLGBTへの意識調査をする
![テレビの画像](https://static.jobrainbow.jp/wp-content/uploads/2019/06/01121727/f0d68d0244a7e27e41b499a5741e0f2c-e1555917381731.jpg)
家族がLGBTにどのような印象を抱いているかは、普段の会話や、関連ニュースに対する反応などから窺うことができます。
家族がLGBTに対する偏見に満ちた情報のみに触れている場合、カミングアウトは困難になります。家族がLGBTについて間違った発言をしていたらそれとなく正す、といったことも円滑なカミングアウトの役に立つでしょう。
5. タイミングを見定める
![懐中時計の画像](https://static.jobrainbow.jp/wp-content/uploads/2019/06/01121753/fbcee3043e07a3e622155ae27c12df3c-e1555917397558.jpg)
カミングアウトは場合によっては家族に大きな衝撃や混乱をもたらすこともあるため、病気や失業、身内の不幸など、家庭が大きな問題を抱えているときは避けた方が良いでしょう。
また、家族との関係が現在良好かどうかも大きなポイントです。口論の最中などに切り出すよりは、お互いにリラックスした気持ちの時に打ち明けたほうが冷静に受け止めてもらいやすいです。
また、家族の側だけではなくカミングアウトする側の心の準備も必要です。自らがセクシュアルマイノリティであることにためらいを持たず、家族にも知ってほしい、理解してほしいと純粋に望む気持ちが生まれたとき、初めてスムーズなカミングアウトが可能になります。
おわりに
![膝に手をおいている人の画像](https://static.jobrainbow.jp/wp-content/uploads/2019/06/01121819/e46e7cab7912f84774866ddcc0dec74a-e1555917412648.jpg)
いかがでしたでしょうか。
カミングアウトにはたくさんの心の準備と大変な覚悟が必要です。冒頭でも述べた通り、カミングアウトは必ずしもしなければならないわけではなく、したい人がすることです。
うまくいけば自らのセクシュアリティを隠すことなくオープンに振る舞うことができ、家庭が過ごしやすい場所になる一方で、勇気を振り絞って打ち明けたとしても理解してもらえるとは限りませんし、家族から拒絶されてしまう恐れもあります。
当事者の方がカミングアウトのメリットとデメリットを正確に見極め、後悔のない選択ができるよう筆者は願っています。
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