就活・転職は準備段階で決まる!【LGBT就活・転職ガイド 1-4】

ライター: JobRainbow編集部
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就活・転職の成否を左右するのは 、準備段階

「そろそろ準備に取り掛からなくては!」と思いながらも何から手をつけたらよいかわからず、立ち止まってしまう就活生・転職者は少なくありません。就活・転職とひとくちにいっても、大きく次の2つの段階にわけられます。

準備段階と選考段階の表

(引用:『自分らしく働く LGBTの就職・転職の不安が解消する本』星賢人、翔泳社、2020

  1. 準備段階:自己分析、業界・企業研究、インターンシップ、OP訪問、筆記試験・面接対策
    ※一般的には「OB・OG訪問」(Old Boy、Old Girlの略)とよばれていますが、本ガイドではセクシュアリティを限定しない意味で「OP訪問」(Old Personの略)とよびます。
  2. 選考段階:エントリーシート、筆記試験、面接

「早く始めなくちゃ!」と焦るほど 2.選考段階 に意識を向けがちです。しかし、LGBT就活生・転職者にとっては、カミングアウトをして働くのか、しないで働くのか、LGBTフレンドリーな会社を選ぶのか、給与などの待遇を優先して選ぶのか、といったことの方が今後の人生とキャリアを大きく左右します。

納得のいく内定を得て自分らしく働くためには、1.準備段階が最も重要です。

準備段階は選考段階の下地づくりのようなもので、下地の質の高さがその後の成否を左右します。

準備段階を「理想の部屋探し」にたとえると……

日本には、約380万社の企業があるといわれています。その中から自分に合った企業を探すことは、砂漠に落とした一粒の砂金を見つけ出すようなもの。

このような難しいことを進めていくにあたって、ここでは、就活全体の流れを「理想の部屋探し」にたとえて考えてみましょう。

無数にある賃貸物件から「ライフスタイルに合った理想の部屋を探す」とき、一体何からはじめたらよいでしょうか。

まずは「自分の望むライフスタイルを明確」にし、住む場所、家賃、間取り、設備……といった暮らし方を見定めることからはじめるでしょう。何の条件も設定せずにただやみくもに探しはじめたところで、物件が多すぎて選べません。

次は情報収集です。不動産サイトや店舗に掲載されている物件から、条件に合った部屋を探します。目星をつけたら、実際に足を運んで確認しましょう。

なぜなら、サイト上の写真では明るく写っていても実際には日陰かもしれないし、逆によいところを発見することもあるからです。不動産屋のいうことを鵜呑みにせず、自分の目で見ることが大切です。

しかし実際に探してみると、すべての条件が叶う「理想の部屋」はなかなか見つからないことも多いでしょう。そんなときは、条件に優先順位をつけ、譲れない点、妥協できる点にわけて考えてみることです。

あるいは、条件を満たす物件がいくつも見つかったときも、優先順位をつけることで、選ぶ決め手につながるかもしれません。

さらに1年後、3年後、5年後と考えられる範囲で「将来のライフスタイルと照らし合わせてみる」こともおすすめです。転勤の可能性やパートナーとの生活も、ひとつの判断基準となります。

もしかすると3年後は、思い描いたようにはなっていないかもしれません。そのときは軌道修正を行い、引っ越しや家を建てるといった新たな選択肢も視野に入ってくるでしょう。

ここまで丁寧に「ライフスタイルに合った理想の部屋を探す」人は少ないかもしれませんが、これは就活の流れや働き方の考え方とも似ています。

また、ここでの不動産屋は就活サイトや転職の際のエージェントととらえることができます。たとえばゲイやレズビアンのカップルの場合、不動産屋に2人の関係を「友達」と伝えてしまうと、ルームシェア用の部屋を紹介されるかもしれません。

同様に、サイトやエージェント選びにおいて、LGBTであることが相談できなかったり、配慮がされていないことでのぞんでいない結果になる可能性があることに気をつけましょう。

本ガイドではこれらの流れを踏まえ、「キャリアプランとライフプランをつくる」方法をChapter 2で、「自分に合った企業の探し方」をChapter 3で紹介します。

Q. 大学3年生も後半。内定が出た友人もいる中 、どうしても就活に前向きになれないまま、後れをとってしまい焦っています。

そもそも就労経験がなく、さらにLGBTであることも重なって、漠然とした不安を抱えたLGBTの就活生から同様の相談を受けることはよくあります。いきなりエントリーをして面接を受けるのにはハードルがあるので、まずは自己分析からはじめましょう。

焦っていると「とにかくどこでもいい」と手頃な企業にエントリーしてしまいがちですが、得策とはいえません。

部屋探しのたとえ話で紹介したように、仕事探しもキャリアプランとライフプランを決めないことには何もはじめられません。

時間が限られている場合でも、自己分析を行い自分に合った企業にエントリーした方が、内定成功率も納得度も上がります

早期に動いた方が有利とはいえ、人材不足を背景に4年生の後半の時期でも多くの企業が採用を継続するようになってきているので、落ち着いてのぞんでください。

Q. やりたいことがわからないので、何から手をつけたらよいかわかりません。

この悩みも、自己分析からはじめることをおすすめします。「やりたいことがわからない理由」を一歩ふみ込んで考えてみると、

  1. やりたいことが多すぎて一番やりたいことがわからない
  2. 興味のあることがあるけれど仕事になるかわからず自信がない
  3. 好きなことがまったく思い浮かばない

など、理由は人それぞれ異なると思います。理由を把握してから自己分析をしてみてください。

たとえば1.の場合は、自己分析をしてやりたいことに優先順位をつけてみます。

2.の場合は、興味のあることに少しでも関係のある業界について研究し、どんな職種があるのか探ってみましょう。

3.の場合は、「ありたい姿」から探ってみるという方法もあります。「仲間とともに成長できる自分でありたい」「どんなときも人を笑顔で支えていたい」「自分の父親のようによきお父さんでありたい」といった自分の理想とする姿を実現するにはどのような仕事がよいか、という視点からも考えることができます。

そもそもはじめから「これがやりたい!」と揺るぎない信念をもつ人は少数です。

まずは小さなきっかけから手綱を引き寄せるように、やりたい仕事を見つけていく人がほとんどです。

そのためにも、本ガイドを活用してしっかりと自己分析を行い、キャリアプランとライフプランの軸を見つけてください。

POINT

  • 準備段階が、就活・転職の結果を大きく左右する
  • 自己分析は、就活・転職の基本中の基本

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