ワークライフバランスを考える方法とは?【LGBT就活・転職ガイド 2-6】

ライター: JobRainbow編集部
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Step1 ワークライフバランスを考える

ここまでの結果を総動員して、キャリアプラン・ライフプランをつくります。「仕事」と「生活」の2つの観点からワークライフバランスを考えてみましょう。ここにあげた項目以外にも、思いつく具体例をどんどん書き出してみてください。

〈仕事に対する価値観〉

残業はない方がいい残業はあってもいい
給料が高い(忙しくてもOK)給料はほどほど(忙しさもほどほど)
転勤してもかまわない転勤は避けたい
社会的評価を重視するやりたいこととの合致度を重視する
アットホームな職場がいいドライな職場がいい
LGBTフレンドリーな会社で働きたいLGBTフレンドリーかは重視しない
性自認にあった身なりを希望する身なりにこだわりはない

〈生活に対する価値観〉

プライベート(趣味や知人と過ごす時間)を大事にしたいプライベートより仕事が大事だ
プライベートはオープンでいたいプライベートはオープンにしない
親の介護は自分でしたい自分ではしない/考えていない
パートナーと家庭を持ちたい家庭をもつことは考えていない
(養子など含め)子どもを育てたい子どもをもつことは考えていない

Q. 同性パートナーとの将来を描けません、家庭をもつことはできるでしょうか?

2020年現在、日本に同性婚は存在しておらず、結婚などのパートナーとのライフプランをイメージしにくいと感じているLGBTは多いでしょう。しかしながら、渋谷区をはじめとし、法的効力はほとんどないものの、同性パートナーシップを認める自治体が増えています。国際的な流れからも、近い将来日本において同性婚が実現し、当たり前になることは間違いありません。

また、法的に同性婚が認められていないにせよ、生活をともにして事実婚状態で暮らしたり、精子提供・代理出産・養子縁組などの方法で子どもをもったりする同性カップルも増えてきています。そもそも、異性婚であっても、離婚をする家庭や子どもを持たない家庭はたくさんあり、必ずしも旧来的な家庭を持つが幸せというわけではありません。

「LGBTだから、自分には結婚する未来も子どもを持つ未来もない、一生孤独なんだ」と悲観して何かを諦める必要は決してないのです。今すぐには理想の実現を思い描けずとも、近い将来にはっきりとイメージできるようになるかもしれません。ここで大切なのは、人生の選択肢を安易にせばめないこと。もしあなたが将来家庭を持ちたいと思っているなら、そのことを前提にライフプラン・キャリアプランをつくっても全く問題はありません。

Step2 キャリアプランとライフプランをつくる

次に、今後のキャリアプラン・ライフプランを1年目、3年目、10年目のスパンで書き出してみましょう。理想でかまいません。どんな風に働いていたいか、どんな生活がいいか、具体的な目標を立てます。「まだ働いたこともないのにわからない」という人もいるかと思います。「何がしたいか」がイメージしにくければ「どういう人でありたいか」を考えてみるのも一つの手です。

〈ゲイの就活生のキャリアプラン・ライフプラン〉







○1年後
カミングアウトをせず、まずは社内の様子を見る。ただ、ホモネタや恋人への執拗な詮索があると自身のパフォーマンスが落ちるため、LGBTフレンドリーな会社を選ぶ。発想力という強みを生かし、将来的には独立をしたい。そのため、忙しいがスキルを身につけられる広告業界で営業の仕事をする。
○3年後
3年間広告営業の仕事を続け、企業のニーズを現場で学ぶ。その経験を生かして、マーケティング部門に移動。企業の考えを汲みとりつつ、消費者の心を動かす広告をプランニングしていきたい。また、社内ではセクシュアリティをオープンにして働きたい。
○5年後
営業でもマーケティングでも成果を出した後、マネージャーとして自分のチームを持ちながら、組織の拡大に貢献する。本格的に独立を見据え、採用から経営管理まで幅広い業務に関わる。会社のダイバーシティ推進のプロジェクトにも挑戦したい。
○10年後
企業のニーズを探る営業経験、消費者の心を掴むマーケティング経験、組織をつくるためのマネージャー経験。これら3つを生かして自身の広告・PR会社をつくり独立する。LGBTやさまざまなマイノリティが当たり前に登場するような広告を提案していきたい。





○1年後
仕事一筋でスキルアップを目指し、自主学習の時間をとったり、仕事に関係のある人脈をつくったりする。パートナーや友人、趣味のための時間は減らす。学生のころから続けているLGBTのイベントボランティアには引き続き参加していきたい。
○3年後
マーケティング部門に異動したてのころは、わからないことも多いため、引き続き自主学習に取り組む。しかし、営業時代よりは自分の時間をつくり、パートナーとの時間も大切にしたい。そのため、家族にカミングアウトをし、パートナーを紹介したうえで同棲をはじめる。
○5年後
パートナーシップを結び(同性婚が認められていたら同性婚)、会社の福利厚生で家族として認めてもらう。友人と遊んだり趣味の旅行をしたり、私生活も充実させていきたい。また、独立に向けてビジネスの人脈づくりにもいそしむ。
○10年後
養子を取ってパートナーと子育てをはじめる。家族で安定して住める家や車を購入し、にぎやかな家庭をつくる。LGBTの子どもたちのロールモデルになるような社会人、親でありたい。

〈トランスジェンダーの就活生のキャリアプラン・ライフプラン〉







○1年後
前職では、トランスジェンダーであることを伝えずに男性として入社し、その後女性として働けないかと相談した。しかし拒否されたため転職を考えた。治療の経過に合わせて、転職から半年後には女性として働きはじめたい。通院の時間も必要なので、LGBTフレンドリーであることは会社選びの必須条件。そのうえで、前職のキャリアアドバイザーの経験も生かしたい。
○3年後
会社でも自分らしく、女性社員として当たり前に活躍していたい。これまでプライベートを優先してきたが、性別適合手術のための貯金を増やすためにもキャリアアップを目指す。ただ、自分の時間は確保したいため、休みは削らない。自分と同じように辛い思いをするLGBTを減らすため、成果を出して人事への移動を目指す。
○5年後
人事としてキャリアを積み、採用だけでなく、会社の人事制度や評価制度、組織戦略などを描けるようになりたい。LGBTだけでなく、障がい者や外国人といった多様な人材が活躍できる土壌をつくるため、ダイバーシティ担当になる。そして、フリーランスを目指して個人でベンチャー企業の仕事にも挑戦したい。性別適合手術のために長期休暇も申請する。
○10年後
フリーランスの人材コンサルタントとしていろいろな中小企業のアドバイザーになる。さらに、キャリアアドバイザーとして求職者と触れあってきた経験を生かし、企業と労働者双方に求められる素晴らしい組織を日本にたくさんつくる。また、フリーランスとして、場所や時間に縛られない自由な働き方を実現したい。





○1年後
ホルモン治療を開始して、私生活でも仕事でも女性として生きる。ファッションやメイクについて学ぶ時間もつくり、半年ほどかけて女性としての自分に自信を持ちたい。
○3年後
性別適合手術の資金を貯める。また、女性として自信をもつためではなく、ありのまま、女性としての人生を楽しむためにお金や時間をかける。友人たちとの時間もつくりつつ、趣味の映画鑑賞や美術館巡りをし、ゆっくり過ごす。人生のパートナーも見つける。
○5年後
性別適合手術を行い、名前も戸籍もすべて女性にして、思いっきり人生を楽しむ。これまでは節約ばかりしていたため、自主学習や語学の勉強など、一層自分に磨きをかけるためにコストを費やす。また、自信をもってビジネスの人脈を築いていきたい。よきパートナーとの出会いも期待する。
○10年後
パートナーと結婚をして、安定した関係を結びたい。子どもは考えていないため、老後も自分の面倒を見られるように準備する。貯金はもちろん、マイホームを買ったり、投資をしたりしておく。パートナーに財産を残せるように、トランスジェンダーでも入れる保険などに入る。

POINT

  • 仕事と生活の両面から自分なりのキャリアプラン・ライフプランをつくる
  • 近い将来のキャリアプラン・ライフプランを描いてみる

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