先輩の体験談 いっちーさんの場合【LGBT就活・転職ガイド 2-7】

ライター: JobRainbow編集部
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就活スタート、セクハラから自分のセクシュアリティを自覚

私は地元から上京して、都内の大学に通う理系の4年生です。大学3年生の春から就活をはじめ、今は内定先でインターンをしています。

好きなことを仕事にしたいという理由で、エンタメ業界を志望することに決めました。実際に働く現場を見るために、合同説明会や交流会だけでなくイベントのお手伝いやインターンにもたくさん参加しました。これは後に、「話せる実体験」としてとても役立ったんです。

また、自分なりの就活・会社選びの軸が必要であると考え、就職活動支援プログラムに参加したり、人事の方や就活仲間、OPなどに話を聞いたりして、そのヒントを探していました。

そんなとき、あるOP訪問で嫌な経験をしました。「彼氏いるの?」「好きな人は?」「ハグとかキスしたいとか思わない?」––セクハラに当たる矢継ぎ早の質問に面食らいつつ、すべて「いいえ」と答えました。すると思いがけない一言が。「そういう人知り合いにもいるよ、アセクシュアルじゃなかったっけ?」

セクシュアリティは働くうえで考えるべきこと?

自分の性のあり方に名前があると知った私は、少し動揺していました。そして、自分のセクシュアリティとどう向き合っていくべきかを知るきっかけために、学内のジェンダーやセクシュアリティを扱うコミュニティセンターに顔を出すようになります。

そんな時、たまたまLGBTの先輩社員に話を聞ける会があると知って、参加してみることに。先輩社員の一人目はセクシュアリティをオープンにして働いている方でした。対してもう一人の方は、職場でセクシュアリティを明かしておらず、「お金を稼ぐためと割り切って働いている」と明言していました。

この会は私に「セクシュアリティをオープンにするかどうかを含め、仕事に求めることは人それぞれだ」ということを教えてくれました。それまで、私にとって仕事と生活は密着しているものだったんです。なので、「会社では仕事だけ」と割り切って働く方がいることはとても衝撃的でした。

その後、いくつかLGBTフレンドリー企業をみてみましたがピンとこず、「LGBTフレンドリーであることは自分の企業選びの第一条件としなくても良いのだ」と思い至ります。

まずは「自分がやりたいこと」を軸に。LGBTフレンドリーについては、「プライベートな話題は軽く流せる人がいる職場だったらきっと心地よく働けるだろう」という程度に位置付けることにしました。

自分を知れば、自己アピールもスムーズ

自分なりの就活の軸をじっくり考えて決めたおかげで、その後の企業選定や自己アピールはスムーズにいきました。私は、過去の実績に加えて「どういう自分になりたいのか」を話すことにしたんです。

「生涯現役で働きたい」という想いは最初からありましたが、アセクシュアルであると伝えることで、さらに説得力を持って話せたと思います。パートナーの有無に左右されない将来像が描けることを強みにできました。

一言メッセージ

就職活動では、企業に対する自分のアピールはもちろんですが、企業と自分の方向性のマッチングがとても大事だと考えます。そのため、まずは自分自身を知って、会社を選ぶ基準の優先順位を明確にし、「働くとはどういうことか」を考えてみてほしいです。みなさまが輝ける職場に出会えることを、心から祈っております!

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