LGBTとは?【5分で読める基礎知識】

ライター: JobRainbow編集部
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LGBTとは

LGBTとは、レズビアンゲイバイセクシュアルトランスジェンダーの頭文字をとった、セクシュアルマイノリティの総称です。

これらが、いわゆる「セクシュアルマジョリティ」とされている性のあり方です。

LGBTは、セクシュアルマジョリティとは異なる性のあり方です。しかし、一人一人の性のあり方は治す必要のあるものでなく、悪いものでもありません。 LGBTの割合は、最大8.9%(11人に1人)とも言われています

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「佐藤」「鈴木」「高橋」「田中」「伊藤」「渡辺」姓の人と、LGBTの人が同じくらいいることを示す図
LGBTの人数と、「佐藤」「鈴木」「高橋」「田中」「伊藤」「渡辺」姓の人数は同じくらい

1. LGBTの由来

LGBTの4文字は、次のことばの頭文字が由来になっています。

なお、これら4つはLGBTのなかで「代表的なもの」にすぎません。「LGBT」ということばは、この他の性のあり方も含んでいるのです。

2. L/G/B/T以外の性のあり方

レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー以外にも、多くの性のあり方があります。ここでは、その一部を紹介します。

2.1 パンセクシュアル(全性愛者)

パンセクシュアルとは、相手の身体的性や性自認にかかわりなく、性的・恋愛的魅力を感じうる性のあり方です。

2.2 クエスチョニング

クエスチョ二ングとは、自身の性的指向・性自認が定まっていない・定めていない性のあり方のことです。

2.3 アセクシュアル/エイセクシュアル

アセクシュアルとは、他人に性的魅力を抱かない性のあり方です。日本で使われる際は、「恋愛感情を抱かない」アロマンティックもあわせてアセクシュアルも合わせて説明されることがあります。

2.4 Xジェンダー

Xジェンダーとは、性自認を男性・女性のどちらか一方に定めない・定められない性のあり方のことです。

LGBTを理解するための性の4要素

性は、おおまかに4つの観点から考えることができます。

「セクシュアリティの4要素」と題して、からだの性・こころの性が描かれている画像
「セクシュアリティの4要素」と題して、ふるまう性・好きになる性が描かれている画像

性の4要素

  • 身体的性 Sex
  • 性自認 Gender Identity
  • 性表現 Gender Expression
  • 性的指向 Sexual Orientation

1. 身体的性とは

身体的性を表したイラスト

身体的性とは、身体的特徴にもとづいて割り当てられる性別のことです。

「男性」か「女性」のどちらかに限られるわけではないことに注意が必要です。

2. 性自認とは

性自認のイラスト

性自認とは、「自分は女/男だ」「自分は男でも女でもない」といった、自分自身の性別に対する認識のことです。

中性」、「無性」、「流動する」など、「男」「女」のどちらかに限られるわけではないことに注意が必要です。

3. 性表現とは

性表現のイラスト

性表現とは、自身がどの性として振舞うのかということです。男性・女性・中性・無性としてなどが考えられます。

4.性的指向とは

性的指向のイラスト

性的指向とは、どんな相手に性的な魅力を感じるのか、感じないのか、のことです。

ひとつの性にのみ惹かれることもあれば、複数の性に惹かれたり、人に惹かれるときに性別が関係ないこともあります。もちろん、どんな相手にも性的な魅力を感じないこともあります。

このように、性の4要素を考えると、性のあり方はグラデーションになっていると言えます。

からだの性・こころの性・ふるまう性・好きになる性が様々あることを示すチャートの画像

性の4要素でLGBTを理解する

「性の4要素」でLGBTを考えてみましょう。

1. 「カナさん」の場合

まず、「カナさん」を考えてみます。

カナさんの性のあり方は、「身体的性は女性、性自認は女性、性表現は女性、性的指向は男性」です。

身体的性が女性、性自認が女性、性表現が女性、性的指向が男性、と記されているカナさんの画像

カナさんの性のあり方は「シスジェンダーの、ヘテロセクシュアル女性」と言えます。

  • 身体的性と性自認が一致している女性→「シスジェンダー女性」
  • 性自認と性的指向が異性になっている→「ヘテロセクシュアル」

カナさんはLGBTではありませんが、「性の4要素」で考えられることがわかります。

2. 「ハジメさん」の場合

では次に、「ハジメさん」の場合はどうでしょうか?

ハジメさんの性のあり方は、「身体的性は男性、性自認は男性、性表現は男性、性的指向は男性」です。

身体的性が男性、性自認が男性、性表現が男性、性的指向が男性、と記されているハジメさんの画像

ハジメさんの性のあり方は、「シスジェンダーのゲイ」です。

  • 身体的性と性自認が一致している男性→「シスジェンダー男性」
  • 性自認と性的指向がどちらも男性→「ゲイ」

3. 「ユウキさん」の場合

最後に、「ユウキさん」の場合を考えてみます。

ユウキさんの性のあり方は、「身体的性は女性、性自認は男性、性表現は男性より、性的指向は男性」です。

身体的性が女性、性自認が男性、性表現が男性より、性的指向が男性、と記されているユウキさんの画像

ユウキさんの性のあり方は、「トランスジェンダーのゲイ」です。

  • 身体的性が女性、性自認が男性→「トランスジェンダー男性」
  • 性自認と性的指向がどちらも男性→「ゲイ」

このように、性のあり方は重なることもあるのです。

LGBTが日本で抱える悩み

1. 教育

20194月から使われている中学校道徳の教科書では、8社中4社がLGBTを取り上げています。しかし、まだ全ての教科書に記載があるわけではありません。また、2017年の調査では、約6割のLGBTの生徒が小中高時代にいじめを経験したことがあると回答しています。「LGBTはからかいの対象にして良い・誹謗中傷していい」といった認識をなくし、差別のない社会を実現するためには、社会を支える行政が義務教育を通じ、私たちの多様性をきちんと説明することが大切です。

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2. 就職・しごと

NPO法人ReBitの調査によると、就職活動においてセクシュアリティに由来する困難・ハラスメントを経験した人というのはLGBTの40%、さらにトランスジェンダーの65%は性別違和に由来した困難に直面しているそうです。仮に「LGBTに対する取り組みをしている」と明言している企業でも、入社するまで当事者として働きやすい環境なのかわからず不安に思うこともあるでしょう。「LGBTフレンドリー」な企業の取り組みの例はこちらのコラムで紹介しておりますので、ぜひお読みください。

3. 結婚

日本では同性婚は認められていません。同性婚が認められている国は世界に数多くありますし、日本国内でもLGBTカップルが挙式する姿は見られます。しかし、現在の法解釈や制度では、法的に婚姻関係を結ぶことはできません。もちろん、同性パートナーとして共に生活することは認められていますが、同性カップルの入居を拒否する物件があるのも事実です。そのため、1人が単身契約をして大家には明かさず2人で住むなどして共に暮らすケースが多くなっています。

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4. 保険・ローン

ローンや保険についても、制度上の悩みが生じてきます。同性カップルであるがために、「夫婦」を対象としたサービスを受けられなかったり、同性パートナーは保険金の受取人になれなかったりと、法律上の配偶者として認められないことで、異性婚の夫婦と同じ待遇を受けられないことが多々あります。この状況を受けて、保険や銀行においてもLGBTパートナーのための口座開設制度や保険制度の導入が始まっています。

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5. 老後

LGBTに対する認知も広まり、社会も変化してきている中で、LGBTの暮らしはより良いものへと向かっています。しかし、家族からの理解がない場合、老後に不安を抱えているLGBTが多いのも事実です。同性のパートナーがいたとしても、家族として遺族年金を受け取れるかなど、将来に対する不安は老後に関しても尽きません。

6. メディア

ハリウッド映画でも「あえて」登場人物が差別的な発言をすることで「平然とタブーを犯している」笑いを狙うようなシーンは見受けられますし、当事者本人がそれを誇張してウケをとりに行く(「オネエ」タレントなど)こともあり、マイノリティとコメディはよく関連づけられてしまいます。だからこそ、特に子ども達は、「メディアで笑われているもの」を真似してからかい、いじめへと発展していくのではないでしょうか。人気のメディアこそ、責任や影響力を自覚するべきでしょう。ただ、近年は、LGBTの悩みや現実をきちんと描いた作品も増えてきましたし、カミングアウトして活躍する有名人も増えています。

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7. 生活

学校、職場、家庭以外にもLGBTは様々な場面で悩みを抱えています。

例えば、トランスジェンダーの方が望む性別として対応することをスポーツクラブが拒否したコナミスポーツクラブ更衣室事件のように、本人の戸籍上の性別のみに固執して対応してしまうと個人的な事情や現実を考慮しない対応になりかねません。ホテル、プール、スポーツジム、温泉など、LGBTが利用するにあたって問題となる施設やサービスは数多く存在しますが、対応される側もする側も、相手の気持ちを考えた行動をできるように意識できれば、より過ごしやすい社会に近づくのではないでしょうか。

LGBTについてもっと知る

1. LGBTの芸能人

LGBTであることをカミングアウトしている芸能人が数多くいます。

日本でも、日本文学研究者のロバート・キャンベルさんや声優の三ツ矢雄二さんがいます。

LGBTを公表している有名人まとめ 日本&海外

レズビアンを公表している芸能人まとめ【日本&海外】

ゲイの芸能人まとめ【日本&海外】

バイセクシュアルの有名人まとめ【日本&海外】

世界で活躍するトランスジェンダーモデルまとめ

2. LGBTの割合

LGBTの割合について、たくさんの調査がなされてきました。

たとえば、電通ダイバーシティ・ラボは2018年の調査でLGBTの割合は「8.9%」であると発表しています。

LGBTの割合は13人に1人? 100人に1人? バラつく理由

3. LGBTにかかわる作品

LGBTが登場する作品は、これまでに数多く生み出されてきました。代表的なセクシュアリティごとにまとめたので、興味のある方はぜひ下記リンクからご覧ください。

レズビアンを描いた作品まとめ【映画・ドラマ・漫画】

ゲイが登場する作品まとめ!【映画・ドラマ・漫画】

バイセクシュアルが登場する作品まとめ【映画・ドラマ】

トランスジェンダーが登場する作品まとめ【映画・ドラマ・本】

LGBTがテーマじゃなくても、こんなにある。LGBTたちが大活躍する映画10選

4. LGBTと就職

LGBTと仕事は切っても切れない関係にあります。LGBTの人が就活する際に役立つ情報をまとめました。

LGBTの就活生が気をつけるべき6つのこと

LGBTについて面接官が全く知らないときの対処法

カミングアウトした時の面接官の反応と対応法6つ【体験談つき】

就活・職場でカミングアウトってするべき?すべきでない?

日本最大のLGBT合同採用イベント「Real JobRainbow 2019」レポート

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5. LGBTとカミングアウト

カミングアウトとは、それまで秘密にしていたこと(主にセクシュアリティ)を周囲に明かすことです。

自分のセクシュアリティを他人に伝えて理解を求めるカミングアウトは、重要なライフイベントです。ただ、カミングアウトは「自分自身の意志で」行うものです。他人が勝手にだれかのセクシュアリティをばらしてしまうこと(アウティング)は絶対にしてはいけません。本人のセクシュアリティを服装や態度などで決めつけることはもちろん、カミングアウトを受けたとしても、勝手にそれを他人に話さないようにしましょう。

世界におけるLGBTの問題・動き

1. イスラム教圏

イスラム教圏には宗教上・文化上の理由によりLGBTを「処罰対象」と考えている国家もあります。例えば、国民の78%がイスラム教徒のブルネイでは、2019年にイスラム法に基づいて刑法が改正され、同性愛には「石打ちによる死刑」が科されました。このようにイスラム法に基づき同性愛を罰する国がある一方、ゲイをカミングアウトしてイスラム教の指導者として活躍するルドビック=モハメド・ザヘド氏も登場するなど、世界とともにインクルーシブな方向に向かっていく兆しもあります。

参考

2. ヨーロッパ

世界で最も早く同性婚を認めたオランダや、首相がカミングアウトをしたベルギーに見られるように、ヨーロッパにはLGBTを当然のものとして受け入れる文化が根づいています。2019年1月1日にはオーストリアで同性婚ができるようになったので、現在ヨーロッパの16か国では同性婚が可能となりました。(参考:EMG日本『世界の同性婚』

3. アジア

アジアではLGBTに関する問題を議論する「ILGA ASIA CONFERENCE」が開催されるなど、LGBTが過ごしやすい環境づくりが進んでいます。台湾ではキリスト教団体と当事者団体の対立の末、2019年5月24日にアジアで初めて同性婚が合法化されました。初年度には、2939組が同性婚をしたと言われています。

参考

4. アメリカ

アメリカでは、2015年に連邦最高裁判所が同性婚をすべての州で認める判断をし、同性婚は全米で事実上合法化されました。大統領選挙では、ゲイをカミングアウトして選挙活動を行うピート・ブティジェッジ氏が善戦するなど、LGBTフレンドリーなイメージが根強いアメリカですが、一方ではトランプ大統領が「性は生まれつきのものだけである」としてトランスジェンダーを「認めない」と表明するなど、保守派のLGBTに対する差別や偏見も残っているのが現状です。

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