職場カミングアウトのメリット・デメリットと、3つのアプローチ法【LGBT就活・転職ガイド 8-2】

ライター: JobRainbow編集部
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LGBTであるがゆえに感じやすい人間関係のストレス

どんな仕事にも人間関係はつきものです。関わる人は、同僚、上司、人事といった社内の関係から、顧客、取引先、派遣先といった社外の関係まで、多岐に渡ります。LGBTであるないにかかわらず、職場で生じる悩みの多くは対人関係によるものであるといっても過言ではありません。

LGBT当事者にとっては、特に何気ない日々のコミュニケーションがストレスに直結しやすいでしょう。

セクシュアルマジョリティを前提とした環境の中で、自分に向けられた言葉でなくても、無意識の偏見からくる言葉に傷つくことがあります。「もっと女らしく/男らしくしろよ」なんて言葉は、その場その場ではやり過ごすことができても、何十回も繰り返されれば無視できないストレスになっていきます。

同期が結婚をして、会社に祝福されているのを見れば、自分には縁のないことだと、どこか不公平さを感じてしまうこともあるかもしれません。

また、セクシュアリティがバレないようにと言動に気をつけることは、自分でも気づかないくらいエネルギーを使っていることがあります。

カミングアウトしたときのメリット・デメリット

そんなストレスを抱えている人にとって、カミングアウトをするかしないかは重要な問題です。職場でのカミングアウトには、次のようなメリット・デメリットがあります。

メリットデメリット
人間関係■恋愛相談やプライベートを話せるようになり、円滑なコミュニケーションができるようになった

■LGBTに対する偏見の声が届きにくくなった
■いじめやからかいなどのハラスメントにあった

■アウティングされた
仕事面■バレないようにという気遣いや自分を偽る必要がなくなり、仕事に集中できるようになった■人間関係の悪化により仕事のパフォーマンスが低下した
 
■異動、小深夜契約更新など、キャリアアップの妨げになった
制度面■適切な福利厚生が受けられるようになった■(近しい人のみならず)人事にも伝える必要がある

デメリットで挙げた項目は、厚生労働省の指針(事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針)でも禁止されています。現状はこういったトラブルによってLGBT当事者側が退職に追い込まれたりするのも事実です。

カミングアウトする際の3つのアプローチ方法

職場でカミングアウトするかしないかは、どなたでも一度じっくり考えてみることをオススメします。

なぜなら、ストレスに耐えきれなくなり勢いでカミングアウトしてあとから後悔してしまったり、逆に絶対にカミングアウトしないと決めつけてしまうことが自らを苦しめることにもつながりかねないからです。今すぐカミングアウトする必要がなかったとしても、中・長期的な視点をもって考えてみましょう。

下記の3つのアプローチ方法を参考にしてください。

  1. 課題アプローチ:自分の望むキャリアプラン、ライフプランをふまえ、現状の課題や困っていることを書き出す。その課題解決にカミングアウトが必要なのかどうか、職場をよく観察したうえで見極める。
  2. 想像アプローチ:カミングアウトして働いている自分を想像して、どんなストレスから解放されるかを書き出してみる。その状態の自分が、自分の望むキャリアプラン、ライフプランに必要かどうか、現状の職場と照らし合わせて考える。
  3. 比較アプローチ:カミングアウトする場合としない場合のそれぞれのメリット・デメリットを、職場の具体的状況を踏まえて書き出し、比較する。デメリットが生じるリスクがある人にはカミングアウトをしない、という範囲決めの判断材料にもなる。

カミングアウトしたときの理解は千差万別

カミングアウトすると決めても、実際に言葉にして伝えるのは簡単なことではありません。とある企業で全社員集会のスピーチでカミングアウトしたレズビアンの方のお話です。スピーチの内容を事前に社長含めお墨付きをもらった状態で、堂々と舞台に立っていましたが、自分のセクシュアリティについて言及するところに来ると言葉に詰まり、何度も呼吸を整え、声援を受けながら話し切ることができました。それくらい、クローゼットから出ることは大きな一歩です。

カミングアウトの難しいところは、相手の反応を予想することができない点でしょう。たとえこれまで接してきた人事担当者の理解が得られていたり、LGBTフレンドリーな企業であったとしても、カミングアウトした相手の理解があるかというと、そうとは限りません。「LGBTへの理解は千差万別」でもお話したように、理解度は人それぞればらつきがあります。この人なら大丈夫と思っていた上司が意外にも否定的な考えを持っている場合もあるでしょう。人生ではじめてLGBTであることを打ち明けられて、どうしていいかわからず、よそよそしくなってしまう同僚もいるかもしれません。

たとえカミングアウトが思うようにいかなかったとしても、勇気をもってカミングアウトした自分を褒めてあげてほしいと思います。思わぬ事態になったのは、たまたま。自分のキャリアプラン、ライフプランとも照らし合わせて、どうしたらいいか、冷静に次の一手を見極めましょう。

Q .「職場で個人のセクシュアリティにかかわることをわざわざカミングアウトする必要はないのでは?」という声も聞かれますが……

個人の価値観や企業や職種にもよるものではありますが、多くの場合、仕事とプライベートの暮らしや個人のセクシュアリティには、関わりがあります。たとえば、職場で何気なく仕事以外のプライベートについての会話があったり、パートナーとの暮らしに必要な福利厚生を受けるときなどです。セクシュアルマジョリティにとってはわざわざセクシュアリティに関することだと意識することもないかもしれません。しかし、セクシュアルマイノリティにとっては、セクシュアリティを自ら打ち明けなければ、「異性愛者、セクシュアルマジョリティである」という前提になってしまう環境が多いのです。

POINT

  • キャリアプラン・ライフプランと照らし合わせ、カミングアウトがなぜ、誰に対して必要かを慎重に考える
  • 今はカミングアウトしなくても、将来の可能性を考えて、動き出すタイミングを考えておく

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