取引先・顧客・派遣先の人とどう付き合う?【LGBT就活・転職ガイド 8-3】
取引先、顧客との関係でどのような状態がベストかを考える
社外の人との関わり方は、企業や職種、業務形態によりさまざまです。電話やメールだけのものから、対面での関わり、同じプロジェクトに携わるチームの一員となったり、なかには取引先企業に常駐する職種もあります。飲み会やプライベートでの付き合いが生じる場合もあるでしょう。
もし仕事を超えて個人的にも仲良くなり、ぜひ自分のことを知ってもらいたいと思える人に出会えたらそれは幸運なことです。カミングアウトがどんな範囲に影響を与えるか、前の項目の3つのアプローチ方法を参考に考えた上で行動してみましょう。
また、トランスジェンダーの人で、服装と名前などからわかってしまう可能性があると不安な方もいるでしょう。そんな時は、相手に違和感を与えているかどうかを過度に心配するよりも、「仕事とセクシュアリティは関係ない」とまずは自分自身で考えて堂々と仕事をすることが大切です。あなただけでなく、実際にさまざまな状態で働いている先輩がいるということを忘れないでくださいね。
そのうえで、もし取引先・顧客からセクシュアリティについて直接聞かれた場合にどう返答するか、ハラスメントにあった場合に誰にどのように相談するかをシミュレーションしておくと良いでしょう。
何かあったときのために、社内の上司や人事部に対してカミングアウトを含む相談をしておくと安心です。しかし、事前に報告・相談をしていなかったからといって、何か起きた時に守ってもらえないということではありません。前の項目の3つのアプローチで社内に対してのカミングアウトを検討しておくと、事後的に対処する場合にも役立つでしょう。
派遣で就業する場合
派遣社員として企業で働く場合は、あなたを雇用し給料を支払う会社が派遣元に、あなたが仕事をしたり指示を受けたりするのが派遣先になります。
派遣先では基本的には前の項目の職場内でのカミングアウトと同様に、職場環境をよく観察したうえでカミングアウトするかしないかを考えましょう。
派遣元へカミングアウトするタイミングとしては、
- 派遣元への登録時
- 派遣先企業で働きはじめた後
の2つが考えられます。
もし派遣元への登録時にカミングアウトをした場合、あらかじめ理解のある職場へ派遣してもらえる可能性があります。一方で、派遣元はトラブルを避けるためにLGBTフレンドリーな職場しか派遣できないと考え、ついに受け入れ企業が見つからないという事態になることも残念ながら考えられます。そのため、派遣元へのカミングアウトは、希望する対応も併せて以下のように伝えると良いでしょう。
- セクシュアリティを理解してくれる職場に派遣してほしい(セクシュアリティを伝える範囲は確認させてほしい)
- もしLGBTフレンドリーな職場があればそこへ派遣してほしいが、派遣先に自分のセクシュアリティは伝えないでほしい
- 派遣先にこだわりはないが、何かあったときに相談に乗ってもらいたい
派遣先が決まらない、アウティングの心配が拭えないという場合は、派遣先企業で働きはじめてから、必要に応じてカミングアウトすることも選択のひとつです。
Q. 派遣先の企業でカミングアウトしたら、嫌がらせに遭いました
セクハラについては派遣元・派遣先両方に苦情対応が義務づけられており、両方の責任者に苦情を申し出ることができます。状況に応じて、もっとも適切な対応をとってくれそうな人へ相談するのが良いでしょう。ホットラインにも連絡を入れ、今後の対処法について専門家に相談することもおすすめです。
POINT
- 職場内へのカミングアウトと同様に、誰に何のためにカミングアウトをするか、どんな影響があるかをしっかり考えておく
- 派遣元へのカミングアウトは望む対応も併せて伝える ・派遣元・派遣先ともにセクハラに対応する義務がある
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