ポリアモリーに関する記事4選
近年、「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとった、セクシュアルマイノリティの総称)」が広まりつつあります。
そして、他にも「LGBTQIA」や「LGBTQ+」といった略語が使われるようになってきました。
この、「QIA」や「Q+」というのはレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー以外にも様々なセクシュアリティがあることを表しています。
その中で今回は、複数の人と恋愛関係を結ぶ「ポリアモリー」に関するブログ記事について、紹介していきたいと思います。
ポリアモリーとは?
まずはじめに、ポリアモリーについて
ポリアモリーとは、関係者全員の合意を得たうえで、複数の人と恋愛関係を結ぶ恋愛スタイルを指します。その歴史はそこまで長いわけではなく、1990年代にできたアメリカの非営利団体「ラヴィング・モア」が「ポリアモリー」という言葉を使い始めたのが始まりだと言われています。
記事紹介
では、ポリアモリーの方が生活やパートナーとの関係について書いた記事をご紹介していきます。
1. ポリアモリー 〜 僕は妻と恋人を愛して生きていく [ライフスタイル]
ポリアモリー 〜 僕は妻と恋人を愛して生きていく [ライフスタイル]
作家・ブロガー・カウンセラー立花岳志さんの公式ブログ「No Second Life」からです。
2017年12月当時、子供のいない再婚同士の結婚7年目だった立花さんの夫婦とポリアモリーの在り方についてが赤裸々に語られています。
立花さんは、夫婦関係こそ良好なものの、問題を抱えていました。
というのも、立花さんは自己主張が強い、感情的な性格でしたが、奥さんはドライでクール、さっぱりあっさりとしたタイプ。
一緒にいるのは楽しくても、「共感してもらえない」という悩みがありました。
加えて、食事の好みのズレやセックスレスもあり、心身共に欲求不満状態になっています。
その様子を見た奥さんが、数ヶ月に一度くらいの頻度で、「彼女を作ってもいいんだよ」と言ってくれますが、立花さんは当初その言葉をまったく受け取れません。
「不倫」というイメージが強く、奥さん以外と親密な関係を持つことに罪悪感を感じていたからです。
そんな日々が続いたある日、奥さんからポリアモリーの考え方を教えてもらいます。
立花さんは、「浮気でも不倫でもないパートナーシップ」というポリアモリーの考え方に共感し、ついに恋人をつくります。
葛藤しながらも、夫婦として新たなパートナーシップの在り方に進んでいく読み応えのある記事になっていますので、気になる方は是非読んでみてください。
2. 旦那に彼女がいまして。。、(ポリアモリー)
関東を拠点として、講演・執筆活動や認定講師養成講座などを運営している、株式会社ナリ心理学の「ナリ心理学オフィシャルブログ」の記事です。
夫が彼女を持つことについて、ナリ心理学に相談している女性の記事です。
(前半の青字で書かれている部分が、相談者の相談内容と、ナリ心理学に送ったメッセージで、後半はナリ心理学の意見が綴られています。)
この女性の夫は、「ポリアモリーが理想」と言って、結婚前に夫婦間で合意を得ていないにもかかわらず、彼女をつくってしまったそうです。
最初はオープンにしていなかった夫の交際関係が発覚し、女性から別れてほしいと伝えても、「奥さんもも彼女も大事」と交際を続けた上で、逆に「受け入れろ」と言われてしまいます。
夫は仕事の日、毎日彼女と会っていて、相談者の女性は帰宅が遅いのが仕事のせいなのか、彼女とデートしてるからなのかわからず、不安でイライラして悲しくなってしまう状況に陥ります。
そして、ついにナリ心理学のもとへ相談することになりました。
ナリ心理学はLINEのトーク上で女性の話を聞くと、「夫に洗脳されかけている」と伝え、相談に乗っていきます。
女性の苦しむ様が見ていてつらくなる記事ではありますが、ポリアモリーの方とモノアモリー(一人の人と恋愛関係を結ぶ恋愛スタイル)の方の間に起こるリアルな問題を知ることができます。
3. ポリアモリーとセックスレスとわたし
夫とのセックスレス、子どもとの暮らし、恋人や友人を巻き込みながら拡大していく家族、ヒプノセラピー、テレビや映画の出演情報などについて綴った若狭美香さんの「わたしは、ここに、いる。」というブログの記事です。
若狭さんは、このブログを開設した2ヶ月後に、夫公認の恋人ができ、それについて記事を書いていたときに、「ポリアモリー」という言葉を初めて知りました。
しかし若狭さんは、ポリアモリーだから、夫以外に恋人がいるというわけではなく、嫉妬もするし、「お互いさえいれば他には何もいらない」みたいな関係にもとても憧れがある、と言います。ここから、夫との夫婦生活だけでは満足できないため、恋人をつくったことが伺えます。
本文では、夫の家事や育児には満足しているものの、キスやセックスを断られて自信を失う日々や、ポリアモリーを選択するまでの悩みや葛藤が描かれており、若狭さんの心情の変化を伺うことができます。
また、ブログにはこの時点で、目指している着地点があるわけではないとも書かれており、ポリアモリーとして若狭さんのこの先が気になる記事になっています。
4. ポリアモリーのとある1日
好きになるにあたってセクシュアリティを条件としないパンセクシュアルとポリアモリーの当事者として、SNSでの発信や著書の執筆、ポリアモリー向けの交流会などの活動を行うきのコさんが、コンテンツ配信プラットフォームcakesで「わたし、恋人が2人います。」という連載をしています。
きのコさんがポリアモリーを自覚し、受け入れるまでに経験した葛藤や、恋人に新しい恋人ができた際のお話、周囲からのバッシングなど、当事者ならではの経験や問題について、オープンに綴られています。
また、他者に対して性的欲求も恋愛感情も抱かないアセクシュアルとの意外な共通点やポリアモリーの中の多様性など、セクシュアリティについて学びたい人にとっても興味深い記事があります。
一部有料の記事もありますが、実体験に基づいて、色んな観点からポリアモリーについて考察されている連載なので、ポリアモリーについて深く知ってみたい方はぜひご覧ください。
【LGBT用語解説】パンセクシュアルとは?【バイセクシュアル・ポリセクシュアルとどう違う?】
【用語解説】恋愛はしない?アセクシュアル(エイセクシュアル)って何?
おわりに
ポリアモリーは、日本ではまだまだ知られていない言葉ですが、紹介させていただいたブログの方々のように、徐々にその認知度も高まってきています。
ただ、ポリアモリーの認知が進むということは必ずしも皆さんが「ポリアモリーを肯定しないといけない」ということではありません。
セクシュアリティや恋愛スタイルにはそれぞれの形に良いところと悪いところがあるので、どんな恋愛スタイルも相手に強制することなく、まずはお互いを理解し受け止めていくことで多様な愛の形が実現していけば良いと思います。