企業のLGBTサークルって何をしているの?【企業別取り組みまとめ】

ライター: JobRainbow編集部
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LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとったセクシュアルマイノリティの総称)の権利を守る、いわゆる「LGBTフレンドリー」な企業。そういった企業でよく見られるのが、社内の「LGBTサークル・LGBTコミュニティ」です。

しかし、「LGBTサークル・LGBTコミュニティ」と言われたところで、どのような活動をしているのか正直ピンときません。

そこで今回は、JobRainbowが以前行ったインタビューも参考にしつつ、有名企業のLGBTサークルがどのような取り組みをしているか紹介していきます。

日本マイクロソフト

日本マイクロソフト

マイクロソフトのLGBTコミュニティGLEAM

アメリカの本社では、なんと80年代後半からコミュニティがあったそうですが、日本で活動が本格化したのは2013年からでした。

発足当初、日本のGLEAMはLGBTの方だけの小規模な組織でしたが、少しずつアライのメンバーも加入し、会社の経営陣とかかわる機会も増えてきました。そして、就業規則に「配偶者、パートナー(同性婚も含む)」といった文言を入れるなどの成果をあげ、現在では20名ほどのメンバーがアライを増やすための社内イベントを開催したり、パンフレットやステッカーの配布、役員や新入社員への研修を実施しています。

【LGBT用語解説】アライとは?LGBTの当事者でも、そうでなくても、あなたも今日からアライになろう

日本マイクロソフトの取り組みについて知りたい方はこちら

日本オラクル

日本オラクル

オラクルには、LGBTの方とアライの方が集うコミュニティOPENがあり、2015年には日本オラクルにおいてOPEN Japanが発足しました。ちなみに、アジアでOPENが発足したのは日本が初とのことです。

OPEN Japanにはカミングアウトすることなく参加が可能で、現在の所属メンバーは約30名。「安心できる職場環境の確保」と「トップタレントの保持」という共通の目的を持ち、活動しています。

具体的な活動内容としては、LGBTの社員とアライの社員が集まって情報交換をするランチ会や、OPENに所属していない社員に向けた勉強会、LGBTを扱った映画の上映会を開催しています。こうしたイベントの参加者には「OPEN」のシールを配り、アライを可視化する試みもしています。

日本オラクルの取り組みをもっと知りたい方はこちら

マッキンゼー

マッキンゼー

マッキンゼーは1995年の段階で既にLGBTQの権利に注目しており、その流れで設立されたLGBTQサークルがGLAM

スポンサーなどを招き定期的に行われるマッキンゼーのカンファレンスでは、世界各国のGLAMメンバーが招かれ、意見する場が設けられています。

国境を越えて1000人以上のメンバーがつながっているGLAM。どんなセクシュアリティの社員も成長できる環境を整えるために設立されたこのGLAMのメンバーは、

A:会社でもセクシュアリティをオープンにしている
B:GLAMのメンバーにのみカミングアウトしている
C:GLAMには在籍しているものの、在籍していることや自身のセクシュアリティを公表していない

といった3種類に分かれており、カミングアウトしたくない人のプライバシーが守られています。

企業の人権に対する取り組みを評価するHuman Rights Campaign FoundationのCorporate Equality Index で、2006年から現在に至るまで最高評価を取得し続けていることからも、GLAMが本人たちの意志を尊重しつつ積極的に活動していることがうかがえます。

EY Japan

EY Japan

LGBTに関する施策を積極的に推進しているEY Japan。LGBT研修だけでなく、グローバルなネットワークを利用して、まだ日本ではあまり数が多くない「カミングアウトしながら働くロールモデル」を示していくことで、全世界の社員が自分らしくいられる場になろうとしています。

そんなEY Japan内のLGBTネットワークUnity Japan。「誰もが働きやすい職場をつくるために、LGBTの人にもそうでない人にも具体的に何かできないだろうか」と議論を重ねているUnityでは、各メンバーが仕事をしながら活動に参加しているからこそ、一人一人が好きな形で活動に関わっています。

例えば、デザインが得意なメンバーはUnityニュースレターの制作、プレゼンが得意なメンバーは社外イベントに参加、企画が好きなメンバーは東京レインボープライドなどのイベントをリードするなど、各々が自分のスキルを活かしています。

セールスフォース・ドットコム

セールスフォースドットコム

従業員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを実現できるよう、性にまつわる平等に力を入れるセールスフォース。2011年にOutforceというLGBTコミュニティが立ち上がりました。

初めはアメリカにしかなかったこのコミュニティも少しずつ輪を広げ、2017年7月には日本Outforceが設立。TOKYO RAINBOW PRIDEに参加するなど、どちらかと言えば社外での活動に力を入れています。

セールスフォース本社があるサンフランシスコで毎年行われる祭典Dreamforceでは、世界中のOutforceが協力して活動資金を集めるパーティーOutfierceを企画・プロデュースし、LGBTの参加者とアライがつながる場を提供しています。

おわりに

談笑する人たち

今回紹介した5社以外にも、アメリカン・エキスプレスリンクトイン・ジャパンをはじめLGBTコミュニティが積極的に活動している企業は数多くあります。しかし、今回は具体的な取り組みをオープンにしている企業のみピックアップいたしました。

「LGBTサークル・LGBTコミュニティ」が社内にある企業であれば、安心して入社することができます。

しかしその一方で、いずれは企業全体でLGBTについて考えた制度や環境を整えていくことが重要です。

LGBTフレンドリーな取り組みは、今後様々な企業増えていくでしょう。その情報を逃さないためにも、ぜひJobRainbowに無料会員登録してみてください。

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