「ゲイに共通する特徴」とは?【これって本当?】
近年、「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとった、セクシュアルマイノリティの総称)」という言葉を耳にすることが増えてきました。
しかし、それと同時に、
「ゲイ?ってことは二丁目とかいくの?」
「ゲイならピンクとか好きなの?」
といった発言もたまに聞きます。
では、「ゲイ(自身を男性と自認し、性的指向が男性のセクシュアリティ)」の方に共通する特徴は、本当にあるのでしょうか。
今回は、ゲイの方に共通しているとされる特徴と、その信頼性について考えました。
【用語解説】ゲイとはどんなセクシュアリティ?【「ゲイだから」センスある?】
「世間一般」のイメージ
まず、一般的にゲイの方にはどのような特徴があるとされているのでしょうか。
以下のようなサイトを読んでみたところ、いくつかの共通点を見つけることができました。
ゲイの男性の18の特徴「ゲイとノンケの見分け方は?」|美容男子
1. 下ネタに興味を示さない
ここで想定される「下ネタ」とは、男性が同性間で女性について議論を交わすものでしょう。
もちろん、性的魅力を感じる対象にまつわる「下ネタ」に全員関心がある、なんてことはありませんが、ゲイの方は性的魅力を感じる対象が男性であるため、女性にまつわる下ネタに関心がないケースは実際多いです。
また、カミングアウトをしていないゲイの方の場合、性的なことがらについて話すことで、自身の性的指向(性的魅力を感じる対象)が周囲に知られてしまうのではないかと恐れているとも考えられます。
性的指向とは?変わることもあるって本当?【「性的嗜好」じゃない!】
2. 美意識が高い
漫画・ドラマ『きのう何食べた?』にはゲイの美容師が出てきますよね。肌の手入れを欠かさない、ファッションの流行を追っている、髪をきっちりと整える、など。ゲイの方々はそうでない男性に比べて自身の見た目、美しさについて関心が高いとされています。
ゲイの方は、「美容に気を遣うことで恋愛対象である男性の目に少しでも良く映りたい」とされているようです。
また、美意識の高さから派生して、「清潔できれい好き」という特徴が上げられることも多いです。
3. 女性の友達が多い
前に述べた「美容に気を遣っている」とも関係があるかもしれません。興味、関心のある範囲が近いから話が合う、とされています。女性の側の恋愛対象も男性である場合、「恋バナ」に花が咲くこともあるでしょう。
また、女性に性的な魅力を感じることのないゲイの方は「下心」なしで女性と向き合うことができるから紳士的、とも言われているようです。
4. 体を鍛えている
一般的に、ゲイの方々の中では筋肉質な肉体が好ましいとされているそうです。
そのため、ジムに通うなどして自身の肉体を磨くことに努めるゲイの方が多いとされています。
「男らしい外見」として、短く刈り上げた髪や、もみあげから顎までつながる髭も特徴として挙げられます。
筋肉質な男性に対して怖いイメージを持つ女性も多いため、筋トレは「女性ウケ」よりも「男性ウケ」を意識した行動であるとの意見も目にしました。
5. 短パンを履いている
ゲイの方々は短パン(ひざ上丈のパンツ)をはじめとする露出度の高い服装を好むとされています。また、サイズの大きいだぼだぼした服よりは、体のラインを強調するためサイズの小さいピチピチの服を好むとされています。
肉体的な美しさを見せつけ、ゲイの方にアピールすることが目的ということになっていますが、実際ファッション界において、肉体美を誇るようなビジュアルが「ゲイライク」であると評される傾向があります。(世界的スーツブランドの”ゲイライク”な広告が話題に)
6. 言葉遣い、仕草が女性っぽい
やわらかい語尾、指先にまで気を遣ったジェスチャー、など。「女性のような」(≒「男性らしくない」)振る舞いは、ゲイの方々の特徴とされています。
「振る舞いの女性的なゲイ」は、メディアによって強化されやすいステレオタイプではないでしょうか。芸能人でいうとマツコ・デラックスさんが、女性的な振る舞いをするゲイ男性として知られています。
でも、本当に「全員に共通する特徴」はある?
一般的に、ゲイの方にはどのような特徴があると考えられているのか。インターネットメディアを中心に、世の中にある情報をまとめてきました。
では、これらの項目に当てはまったからといって、本当にその方がゲイであると断定して良いのでしょうか?
そうではありません。
上記の条件の一つ一つをよく見ると、「人による」としか言いようがありません。
当たり前のことですが、ゲイでなくても美容に気を遣う男性はいます。「FIVEISM × THREE」のような男性向けメイクアップブランドの登場は、男性の美容に対する関心の高まりを示していると言えるでしょう。(参考:業界初、メンズコスメブランド「FIVEISM × THREE」デビュー)
また、「女性のような」言葉遣い・仕草をするということとその方の性的指向に、直接の関係はありません。「女性のように」振る舞いたいゲイの方もいれば、ゲイじゃない方もいるでしょう。本人のセクシュアリティが友達のセクシュアリティに直結する、ということも論理が飛躍していますし、体を鍛えている男性もゲイであるないにかかわらず、非常に多いです。
短パンが2018年メンズファッション全体のブームになったことも記憶に新しいです。(参考:メンズで人気のハーフパンツ、2018年夏はこの8枚で決まり!)
おわりに
この記事では世間一般にイメージされるゲイの方々の特徴と、それが必ずしも正しいとは言えないということを述べました。
「ゲイ」に対するイメージには誤った知識がもととなった「偏見」も存在するということを、頭にとどめておく必要があります。
また、セクシュアリティにまつわる話題は繊細なことなので、第三者が軽々しく詮索しないよう心がける必要もあります。周囲の心ない一言で当事者を深く傷つける恐れもあるため、慎重であることが求められます。