ゲイが登場する作品まとめ!【映画・ドラマ・漫画】

ライター: JobRainbow編集部
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LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとったセクシュアルマイノリティの総称)のなかでも、ゲイというセクシュアリティに関しては、マツコ・デラックスさんやロバート・キャンベルさんをはじめ、多くの方が活躍しているイメージがあるでしょう。

ゲイとは、性自認(自分で認識している性)が男性で、性的指向(好きになる性)が男性に向くセクシュアリティを指します。

そしてゲイの方は、芸能界や現実の世界だけでなく、漫画・ドラマ・映画でも活躍しているんです!

見返してみれば、「たしかに、あー、このキャラクターいた!」となること間違いなし。

「ゲイならではの悩み」にフォーカスしたものもあれば、まったくそういったものに触れられていない作品もあります。だからこそ、「ゲイの人は身近にいないなぁ……」と思っているあなたに、読んでほしいです。

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映画編~邦画から洋画まで!~

映画は、ドラマや漫画と違い約2時間ですべてを伝えきる、非常に繊細な表現力が問われます。

その中で、私たちJobRainbowオススメの作品を紹介していきます!

1. 君の名前で僕を読んで

17歳のエリオは、名門大学で教鞭をとる教授の一人息子。毎年エリオの父は、博士課程の学生を1人別荘に招待するのですが、今年やってきたのは、自信と知性に満ちた青年オリヴァー。はじめは彼の態度が気に食わず意図的に避けるエリオでしたが、少しずつ、抑えることのできない特別な感情が彼に対して生まれていきます。

その感情が、「恋愛」なのか「友情」なのかはわかりません。ですが、思春期特有の鋭く敏感な感性を持ったエリオの視点から見た、とろりと濃厚で、でもどこか透き通ったひと夏の思い出。それを間近で見守っているような感覚に陥ると同時に、筆舌に尽くしがたい切なさがこみ上げてきます。

恥ずかしながら私はつい先週初めて見たのですが、見るのが遅くなったことを後悔してしまう名作でした。ぜひ皆さんもご覧ください!

2. 彼らが本気で編むときは

母に育児放棄され、叔父マキオのもとに引き取られたトモは、マキオと共に生活するトランスジェンダーのリンコに出会い、家族の温かさを知っていきます。

LGBTをテーマとした映画として話題になったこの映画。しかし、ゲイとは「性自認が男性であり性的指向が男性に向く」セクシュアリティです。リンコの性自認は女性ですし、ゲイは登場しないように思えます。

ですが、この作品に出てくるトモの幼馴染カイは、上級生の大野くんに思いを寄せています。そしてそれを知ったトモは、身近にこういうリンコさんみたいな人がいるんだな、と気づくのです。

知らないだけで、実は自分の周りにもLGBTは多いのではないだろうか、と気づかせてくれる、邦画屈指の名作です!

3. 怒り

八王子で起きた、夫婦殺人事件。その犯人は顔を整形し全国に逃亡を続ける。殺人事件から一年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が現れた……自分の愛した人を信じたい、でも信じていいのかわからない、そんな葛藤を生々しく描いたこの作品。

優馬(妻夫木聡)と直人(綾野剛)がゲイカップルとして登場するのですが、この作品の評価すべき点は、「過度なデフォルメがされていない」点。エンターテイメント作品によく登場する、いわゆる「オネエキャラ」のようではない、リアルなゲイが演じられています。

4. 愛と法

弁護士夫夫(ふうふ)のカズとフミ。仕事も生活も二人三脚のふたりのもとに相談に来るのはLGBTだけでなく、養護が必要な子どもたち、戸籍を持てていない人、「君が代不起立」で処分された教師、自身の作品が罪に問われたアーティスト……誰しもが、「自分らしい」生き方と、社会との間で葛藤を抱えています。

ゲイカップルの問題だけでなく、社会で苦しむ様々な立場の人に寄り添った、内容ギッシリの名作です!

5. 美女と野獣

もはや説明不要な名作映画ですね。昨年公開された実写版は、「ディズニー作品初のLGBTキャラクター」が登場したことでも話題となりました。『美女と野獣』という作品自体、種や見た目、偏見を超えた「愛」をテーマとしていますし、その作品にゲイのキャラクターが登場したことはある意味必然ともいえるかもしれませんね。

しかしゲイキャラクターの登場に伴い、一部の国や地域では上映が中止されたそうです。多様なセクシュアリティを持った人々が既に今いるというのに、その存在自体から目を背けることが当然とされるなんて、とても悲しいし、悔しいです。

6. チョコレートドーナツ

障がいを抱えており、親からの虐待を受けていた少年マルコ。彼と暮らそうと奮闘する、ゲイバーの歌姫ルディと検事のポール。2人は望んだ「幸せ」をつかむため、「正義」の名のもとに振りかざされる暴力的なまでの偏見と闘っていきます。ルディの苦しみややり場のない怒りが手にとるようにわかり、ラストには思わず大号泣しました。

観客賞を総なめにしただけのことはありますよ……

7. マイ・プライベート・アイダホ

発作性睡眠症(ナルコレプシー)を持つ男娼マイク(リバー・フェニックス)。彼の親友スコットは厳格な家庭で育ちながらも、マイクたちとドラッグや盗み、またときには男娼をして日銭を稼いだりしていました。そんなあるときマイクはスコットへの気持ちに気づき、それを本人に打ち明けます。しかし、「男が愛し合ってはいけない」と言われたマイクは……

地位、名誉、愛。残酷でありながらもなぜか少しまぶしい、冷たくきらめく青春。リバー・フェニックスの名演技に思わず息を呑んでしまいます。

8. あしたのパスタはアルデンテ

南イタリアの古都レッチェで老舗パスタ会社を経営するカントーネ家。そのカントーネ家の次男トンマーゾは、兄アントニオの社長就任を祝うためにローマから帰郷します。

実は家族に進路やセクシュアリティのことを秘密にしていたトンマーゾ。彼は、自分が大学で経営学ではなく文学を学んでおり、現在は作家を目指していること、そしてゲイであることを家族に告白するつもりだったのです。しかしその夜トンマーゾが告白を始めようとしたとたん、なんと兄のアントニオがゲイであることを告白し……

ゲイをテーマとした映画の多くはシリアスになりがちですが、この映画は基本的にコメディがベースとなっています。気軽に見ることができ、でも内容は深い……個人的にはこの中でイチオシの映画です!

9. パレードへようこそ

1984年に起きた、イギリスの炭鉱でのストライキ。その様子をテレビで観ていたゲイの青年マイクは、LGSMというゲイ&レズビアンの組織を立ち上げ、炭鉱ストライキを支援するための募金活動を始めます。しかし、同性愛者であるというだけで差別をされ、まともにとりあってもらえない彼ら。そんななか唯一支援を受け入れたのが、ウェールズのディライス炭鉱。

ところが、ディライス炭鉱がある地元ウェールズの住民は、彼らを招待すべきか迷っていました。「『ホモ』に救われた炭鉱と言われたいのか?」「田舎に同性愛者がたくさん来たらどうなるんだ?」と偏見に基づいた恐怖や拒絶を示す村人達……現代の社会にも存在する差別構造の根深さを痛感します。

カンヌ国際映画祭でクィア・パルム賞を受賞したこの作品、なんと実話をもとにしているんですね。一人ひとりが、まっすぐ、生きている。だからこそ起こる対立。「連帯する」ことの難しさを、改めて感じてしまいました。

10. 恋人たち

自らもゲイをカミングアウトしている橋口亮輔さんが監督した、『恋人たち』。

この作品は群像劇となっているのですが、そのうちの一つに、ゲイの恋愛を描いたエピソードがあります。ゲイの弁護士四ノ宮(池田良)は、エリートとして順風満帆な生活を送っています。しかし、階段から落ちたというただそれだけの出来事がきっかけで、すべてが狂っていく……そんなさまが、ドライに描かれています。

この作品の興味深い点は、主人公自身が「いけすかない」ゆえに、ゲイにまつわる誤解を解くことができない、という点にあります。人間関係を構築することの難しさと、LGBTに対する差別が絡み合うことで生じる問題を、鋭く描き出す名作です。

ドラマ編~2018年話題になったあのドラマも!~

ドラマはシリーズとして長い間放送できる分、キャラクター一人ひとりに寄り添って描くことができます。人間模様についても丁寧に描かれ、どの作品も奥が深いものになっていますよ!

1. おっさんずラブ

おっさんずラブのポスター

まったくモテない33歳の春田創一(田中圭)は、会社の上司である黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と牧凌太(林遣都)に告白される。初めはヘテロセクシュアルだった春田だったが、ピュアな恋心を持つ男たちの存在にいつしか心が大きく揺さぶられていく。(公式HP

ユーキャン流行語大賞2018にもタイトルがノミネートされた本作。なんと元々は一話限りの特別ドラマでした。しかも放送された際の枠は「年の瀬 変愛ドラマ」。「恋愛」ではなく、「変愛」。最初これが放送されると聞いたとき、正直「またLGBTを馬鹿にするような表現をテレビで見ることになるのか」と思ってしまいました。

しかしふたを開けてみれば、「セクシュアリティは流動的であり、性的指向の対象が変わることがある」という点をきちんと表現できている貴重な作品でした(その一方「ゲイが性に積極的」というイメージを加速させてしまった面もあると思いますが……)。セクシュアリティに関して多面的に描く作品はこれからも増えていってほしいですね!

2. 逃げるは恥だが役に立つ

逃げるは恥だが役に立つのポスター

こちらも社会現象となりましたね。『逃げるは恥だが役に立つ』、通称『逃げ恥』。基本的には、星野源演じる平匡と新垣結衣演じるみくりが繰り広げるラブコメディですが、「契約結婚」「家庭を持っていないため優秀ではあるが解雇の対象とする」といった、社会問題に深く切り込むセンセーショナルな部分も。古田新太演じる沼田だけでなく、成田凌演じる梅原もゲイだと最終話で明かされましたね。(公式サイト

主題歌『恋』の歌詞に「夫婦を超えていけ」とありますが、多様な恋愛の形をコメディータッチで見やすく、しかしきちんと描いたこの作品は、実はとってもすごいんです!

【LGBT音楽特集 日本&海外】「愛」は、自由だ。背中を押してもらえる楽曲13選!

3. 隣の家族は青く見える

隣の家族は青く見えるのポスター

大規模シェアハウスに住む4つの「家族」。しかしそれぞれが抱える、他人には言いたくないと思っている悩み。不妊治療や事実婚、シングルファザーなど、こちらも現代の「家族」「愛」とは何かを考えるうえで欠かせないテーマに踏み込んだ作品となっています。(公式HP

この作品では北村匠海と眞島秀和がゲイカップルを演じているのですが、北村匠海さんはアーティストだけでなく俳優としても人気急上昇中。私もこの作品でファンになりました!

4. 偽装の夫婦

偽装の夫婦のポスター

沢村一樹演じる超治は、ゲイであることを隠しながら天海祐希演じるヒロと交際していました。しかし自分の心には嘘をつけず、ヒロのことを心から愛することができなかった超治。そんな彼でしたが、母親の寿命が残り僅かなことを知ると、母を安心させるため、ヒロに偽装結婚を申し込みます。(公式HP

カミングアウトすることの難しさや、マイノリティであることの生きづらさゆえに「性的指向を変えたい」とまで願う人々が存在することを明らかにした、屈指の名作ドラマです。

今生きづらい人は、どうして生きづらいのか。そして、誰もが自分らしく生きられる社会とは、どのような社会なのか。

5. あなたのことはそれほど

あなたのことはそれほどのポスター

一時期芸能界を大きく騒がせた「不倫」をテーマとするこの作品。東出昌大演じる涼太が「怖い」「気味悪い」などとSNSで話題となりましたね。(公式HP

涼太の同僚であり、彼の夫婦生活を応援し続けていた小田原(山崎育三郎)が涼太に想いを寄せているゲイである、と判明した時には、私自身予想していなかった展開にびっくりしました。しかし、印象に残っているのは小田原の放ったこの言葉です。

「俺なんかどんだけ正しく生きていても報われない。結婚なんて贅沢。望みもしない」

「2人とも欲張りすぎて腹が立つ」

異性愛カップルに対する、ゲイとしての悔しさ、哀しさ。こうした感情をきちんと描く連続ドラマはあまりなかったように思えます。

6. glee

名作海外ドラマ、glee。「ドラマ自体は見たことないけど名前だけなら聞いたことある!」という方も多いでしょう。ミュージカル映画の金字塔として知られるこの作品ですが、思春期の青少年が直面する苦しみなどを巧みに表現していることでも知られています。(公式HP

こちらに登場する、父に「男らしさ」を要求され苦しむゲイの青年カート。実は、演じているクリス・コルファー自身、ゲイであることをカミングアウトしています。自分ではなく父が嫌がらせをされ苦しむなど、本人にとどまらないセクシュアルマイノリティを取り巻く差別の複雑さを再認識してしまいますね。

7. New Normal おにゅ~な家族のカタチ(The New Normal)

LAに暮らすブライアンとデヴィッドのゲイカップル。彼らはカップルとしても幸せに暮らしていますが、ある日ブライアンが「子どもがほしい!」と言い出し、悩んだ末に代理母を探すことに……?(公式HP

gleeの監督、ライアン・マーフィが手がけた作品、”The New Normal”。gleeと少し異なり、「青年」よりも「家族」のあり方をフォーカスしたこちらの作品は、ゲイカップルの現状についてより深く踏み込んでいます。

8. グレイズ・アナトミー

登場人物たちの関係性がどんどん変わっていく、病院が舞台の恋愛ドラマ。「グレアナ」という略称で日本の海外ドラマファンにも親しまれているこの作品ですが、シーズン15にして初めてゲイの外科医ニコ・キム(アレックス・ランディ)が登場しました。

ヘテロセクシュアルでないキャラクターは過去にも登場していました。レズビアンの外科医カリー(サラ・ラミレス)や同じくレズビアンの新生児外科医のアリゾナ(ジェシカ・キャプショー)がいたりしましたが、ゲイのメインキャラクターは初めての登場です!

多様性を重んじるアメリカだからこそ、もっと積極的に様々なセクシュアリティが表現されてほしいですね。

漫画編 ~あのジャンプコミックスにも!~

1. きのう何食べた?

きのう何食べた?の表紙

弁護士・筧史朗と美容師・矢吹賢二の中年ゲイカップルが送る日常が、美味しそうな料理と共に描かれるこの作品。レシピが詳細に記載されているため、料理漫画としての評価も非常に高い作品です。ゲイカップルが直面する問題について、本人たちの目線だけでなく、親をはじめとする周囲の人の立場からも、繊細かつ丁寧に描かれています。(公式HP

2. 弟の夫

2015年、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこちらの作品は、佐藤隆太さん主演でドラマ化もしました。ドラマ化にあたり、作者の田亀さんはNHKのインタビューで以下のように発言しています。

ここ数年の間、世界の様々な国で同性婚が合法化されました。いつか日本でも議論されるかも知れない。そのときに、ゲイや同性婚について何も知らないまま、是非を語って欲しくない。先入観であれこれ言うのではなく、まず知って、そして一人一人に考えて欲しい。

「わかった」って、簡単に言わなくたっていい。『弟の夫』原作・田亀源五郎さんに聞く

小学生の娘を男手一つで育てる弥一。そんな彼のもとに、自身の双子の弟・涼二の結婚相手だったカナダ人男性・マイクが訪れる。弥一とその娘、そしてマイクの不思議な同居生活を描いたこの作品は、「ゲイの同性婚」という題材を扱いながら、あたたかく、そしてやさしく、「人と人はどこまで分かり合えるのか」という疑問に寄り添っていきます。(公式HP

3. 花ざかりの君たちへ

二度にわたってドラマ化した名作少女漫画『花ざかりの君たちへ』は、主人公の瑞稀が男装して男子校に潜り込み、同級生たちと恋模様を繰り広げるラブコメディー。この作品に登場するゲイの保健医梅田北斗は、瑞稀が性別を偽っていることにいち早く気づいた重要キャラクターです。作中では、ぶっきらぼうながらも面倒見のいい「大人」として描かれています。いつ読んでも色あせない、不朽の名作ですね。(公式HP

4. そらいろフラッター

「人を好きになる」とは何でしょうか。

「ゲイである」と噂がたったことをきっかけに周囲と距離を置いてしまう、主人公の真田光。しかし、「友達としての好き」と「恋愛感情」は何が違うのだろう、と自分の中にある感情と真剣に向き合う彼を見ていると、「好きとは何だろう」と考えた思春期の記憶が、ふと脳裏をよぎりました。

ゲイである主人公だけでなく、ゲイを好きになったヘテロセクシュアルの女子高校生のエピソードもあり、様々な人の気持ちが痛いほどわかる、どんな人も読んで楽しい作品となっています。(公式HP

5. 青のフラッグ

太一、トーマ、二葉、真澄をめぐる恋模様が展開される恋愛青春漫画、『青のフラッグ』

この作品のすごいところは、同性愛だけでなく「男」「女」「恋愛」「友情」に対する固定観念に対して正面から立ち向かいながらも、青春のみずみずしさをしっかりと感じさせてくれるところです。

「異性だから友達として見れない」?
「好きな人は複数いたらおかしい」?

青春漫画でありながら、ただの青春漫画ではない。でも、「ただの」青春の1ページ。

おわりに

ひとくちに「ゲイのキャラクターが登場する作品」と言っても、登場するキャラクターの性格や容姿は様々です。それはまさしく、私たちが生きるこの世界において、「ゲイだから〇〇」と言えないことの表れではないでしょうか。

今回紹介した作品以外にも、ゲイのキャラクターが登場する作品はたくさんあります。ゲイだけでなく「こういう人はこういうことに苦しんでいるんだな」と気づけることがあるのも、作品の魅力です。

ぜひいろんな作品に触れてみてください!

そして、誰もが自分らしく生きていける世界を、一緒に実現していきましょう!

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