ゲイは恥ずかしい→大手総合商社でオープンに働く、に至ったワケ【ゲイ社会人インタビュー】

ライター: JobRainbow編集部
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LGBT当事者の多くは、セクシュアリティで悩んだ経験をもっているのではないでしょうか? 一時のつきあいであれば、じぶんのセクシュアリティを隠すことは簡単でしょう。しかし、職場となると大変です――同じ人たちと長く付き合うことになるのですから。

そこで今回は、大手総合商社でゲイをオープンにして働いている「ゴリ」さんにお話を伺いました。

「ゲイはやっぱり恥ずかしい」と思っていた過去から、大手総合商社でゲイをオープンにして働くまでの道のりを聞いてみました。

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カミングアウトのきっかけ

留学開始を機に、家族にカミングアウト

20歳のころにじぶんがゲイだと認識しました。

すぐには家族にカミングアウトしませんでした。ただ、シングルマザーの家庭だったのですが、家族2人で過ごす間にずっと嘘を吐きつづけるのはつらかったです。

それで、1年アメリカへ留学しに行くのを機に、母親にカミングアウトしようと決めました。「言うのは今しかない」、そう思って覚悟を決めました。

青空と飛行機

カミングアウトを決行したのはアメリカに留学に行く前の、母親の誕生日でした。じぶんの彼氏を連れて話に行くときは、本当に死ぬかと思うくらいの気持ちでしたね。

ゲイという言葉も好きじゃなかったので、母には、「彼が僕のパートナーなんだ」ということだけを伝えました。言ったときに母親がどんな反応をするのかすごく怖くて、涙が止まらなかったのを覚えています。

友人へのカミングアウト

友人にカミングアウトするのもすごく難しかったですね。親友だけに伝えるというだけでも、涙を流しながら話をしました。

でも、じぶんがゲイだからって冷たい言葉をかける人はいませんでした。きれいごとに聞こえるかもしれないけど、「ゴリがそういう人だって聞いたからって、ゴリを見る目は変わらない」と言われた時には心から救われたような気持ちになりました。

アメリカでの経験がじぶんを変えた

一方で、じぶんをゲイだと認めてこなかったことや、悩みを誰に打ち明けていいのか分からない状態だったのもあり、なかなかゲイの友だちを積極的に作る気持ちにはなりませんでした。どこかで、「ゲイはやっぱり恥ずかしいことだ」と思っていたんだと思います。

それが変わったのは、アメリカに行ってゲイバーで働き始めたときでした。お客さんたちに「かわいい」とか「いいね」と重宝されるようになってから、「ゲイって悪くないな」と思えるようになったんです。

それもあって、帰国するころには今のように「じぶんはゲイだ」とオープンに言えるようになっていました。日本のゲイバーで働いたり、イベントに行ったり、ゲイの事を話したり、当事者の知り合いを作ったりもするようになりました。

海外のパブ

後悔しないための会社の選び方

じぶんのことを隠しながら働くのはきっと苦しいだろう、後悔するはずだ、と思っていました。

なので、面接などで「何か苦労したことはある?」「どういうことを今後やりたいの?」「じぶんのことを表してみて」と言われれば、まず「じぶんはゲイである」ということを説明して、そういうじぶんを認めてくれる場所で働きたいという気持ちを伝えていました。

業界や業種にこだわりはありませんでした。それよりも、じぶんを受け入れてくれて、早いうちから責任のある仕事を任せてくれる場所がいいなと思っていました。

今の会社に決めたのは、最初の面接からじぶんが素直に話せていたことと、1年目~6年目の在籍者が多く、若い世代でも活躍がしやすい環境があったからです。

ゴリさんと同僚の写真

SASUKE出演で知った、会社の懐の広さ

以前、TBSのSASUKEという番組に出演する機会がありました。ただ実は、名前と社名を出せない場合は合格にはできません、と最終面接で言われていました。

それまで社外で活動するときに、社名を出したことは一度もありませんでした。会社も、社外活動については口出ししませんし、社名を特別に出すこともありませんでした。でも会社に相談したところGOサインを出してくれました。

特に上の世代の方々は、じぶんの性的指向などをオープンにする文化に慣れていないわけなので、これは懐の広い会社でないとなしえないことだなと思いました。

また、LGBTについての社内セミナーをやっていきたいと相談してくれたり、ひとりひとりの持っている物を活かして会社をよくしていこうという姿勢がすごくあるなと感じています。

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ゴリさんと母親

これからやっていきたいこと

職場も友人関係も、オープンにして過ごせるようにはなりました。これから取り組みたいのは、「悩みを打ち明けられる友だちをつくる」ことです。

恋人関係は、いつそれが終わるか分かりません。終わり方によっては、関係がそこで終わってしまうかもしれません。「恋人と2人だけの世界」には、そういうリスクがあると思います。

だからこそ、近況報告や悩み相談をしあって、嫉妬などはせずに語り合えるような友人も作っていきたいですね。

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JobRainbow編集部からの一言

ゴリさんのお話は、セクシュアリティをオープンにするか迷っている当事者に勇気と希望を与えてくれるものだったと思います。ゴリさんのご活躍を祈っております。

なお、JobRainbowでは「審査を通過したLGBTフレンドリー企業の求人情報だけ」を掲載中です。「ゴリさんみたいに、LGBTフレンドリー企業でキャリアを積みたい・経験を活かして働きたい!」と思う方は、JobRainbowをぜひご活用ください。

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