LGBTが職場で直面する10の困りごと

ライター: JobRainbow編集部
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人材派遣や人材紹介などの総合人材サービスを手掛ける「ランスタッド・ホールディング・エヌ・ヴィー(日本法人所在地:東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート21F)」が実施した調査では「LGBTの職探しは難しくない」と回答する割合は50.9%という結果がありました。

LGBTであることが、職探しにおいて問題や難しさに繋がることはあるのでしょうか。この記事ではLGBT当事者が就職活動で困ることの中から代表的なものを10項目紹介します。

出典:
news 【ランスタッド・ワークモニター】日本の職場はLGBTに閉鎖的、世界と大きな差

1. 企業が扱うサービスはLGBTも対象にしているのか

駅のホームで多くの人が電車を待っている画像

BtoB(Business to Business:企業相手の取引)やBtoC(Business to Consumer:消費者相手の取引)などの形式でサービスを提供している企業があります。

働く会社によっては、男女のカップル向けの商品や割引サービスなどがあります。その中で、LGBTも対象としているのか、市場として考えているのかということは、サービスを提供する側として働くうえでの1つのポイントにもなります。

自分が取り扱うサービスがLGBTを対象としていないことがモチベーション・働きがいへ関わらないか、もしかしたら当事者としてサービスの企画に関わるチャンス・機会でもあるのか、という考え方も出来ます。

2. キャリアプラン

ノートに書き込むビジネスパーソンの手元の画像

LGBT当事者として働くうえで、どのようなキャリアを考えるかは大切な点です。就職活動時には先輩社員の紹介やOB訪問などを通して、実際に働いている方が何年経験した際に、どのような業務を任されるのか、どのような生活をしているか、結婚・子育てなどのライフプランに関する話を聞く機会があります。

しかし、大学のOB・OGへの訪問時にLGBT当事者としては実際に働いているLGBT当事者はいるのか、職場でカミングアウト出来るような雰囲気かを知る、LGBT当事者社員のロールモデルがいないことで、職場で働くイメージを思い浮かべることが難しくなります。

3. 働きやすい社風・業界かどうか分からない

採用面接で気まずそうにしている人の画像

LGBT当事者としてカミングアウトしながらも働くことができる会社なのか、就職前には分かり辛いことがあります。事業内容・仕事内容・待遇など以外にLGBTフレンドリーなのかが分かりません。また、取り組みを行っていない企業もあります。

東洋経済新報社調べによる「第12回 CSR調査 業種集計結果」においては、924社中「LGBTへの対応の基本方針」に「あり」と回答した企業は22.4%、「LGBTへの取り組み」を「行っている」と回答した企業は23.5%でした。
(引用元:CSR企業総覧2017 Databank SERIES③④ 第12回 CSR調査 業種集計結果」(東洋経済新報社調べ)

企業の採用説明課では仕事内容などを質問できますが、カミングアウトできない当事者にとっては表立って質問できないことです。LGBTに関する取り組みが行われている会社はあるものの、どのような取り組みが行われているかを知るためには企業の採用ページや、当サイトのような就活サイトで調べる必要があります。

4. 男女・ストレート前提の就活

就職活動ではスーツの着用や履歴書の性別欄に記入することがあります。スーツはメンズ・レディースで分かれ、性別も「男女」の2択しかない状況です。トランスジェンダーの学生にとっては、性別のどちらか片方のみを決めなければいけない状況です。自分が望む性別と戸籍上の性別が異なる場合に、どの様に行動するか考えなければならないことは困りごとの1つです。

5. LGBTに関する活動を言うことができるのか

パソコンの画面越しに何かを言おうとしているビジネスパーソンの画像

採用面接では「学生時代に取り組んだこと」「学生時代のサークル・部活動」を尋ねられることがあります。長所・短所を尋ねる質問において「自分が何故その長所・短所を持つと考えるのか、気付いたのか」「どの様な点で活かすことができたのか」などを自分の学生時代の活動を元に話すことがあります。

その様な時に、LGBT当事者の学生が集まるサークルへの所属や、学校外でのLGBTに関するイベントの企画・準備などに、会社に対してアピールする際の長所・短所の元になるエピソードとなることもあります。

LGBTに関する活動をしていたことを伝えることでカミングアウトになってしまわないか、もしくはカミングアウトしなければ「何故LGBTの活動を行ったか?」という説明が出来ないことがあります。

LGBTの活動に関して話すことができる面接・採用の環境があるか分からないということは困りごとの一つです。

6. カミングアウトするべきか、出来る環境か

机と、それを囲うように並べられたいす

就職活動する時点で、面接でカミングアウトをするべきなのか、カミングアウトできる企業を探すべきなのかという選択が必要になることは困りごとの一つです。

カミングアウトするかどうかは、⑤の学生時代に取り組んだLGBTに関する活動エピソードを話すことや、働き出してから周りにカミングアウトできるのか、トイレや服装に関する配慮が可能なのかを確認するためにも重要な事となります。

選考基準が分からない就活生にとっては、当事者としてカミングアウトすることによって選考で不利にならないかなどの心配事にもなります。

厚生労働省は企業側に対して、ホームページ上で「公正な採用選考の基本」として以下の事柄を提示しています。

『応募者の基本的人権を尊重すること』『応募者の適性・能力のみを基準として行うこと』の2点を、基本的な考え方として実施することが大切だとしている中で、『障害者、難病のある方、LGBT等性的マイノリティの方(性的指向及び性自認に基づく差別)など特定の人を排除しないことが必要です。特定の人を排除してしまうというのは、そこに予断と偏見が大きく作用しているからです。当事者が不当な取り扱いを受けることのないようご理解をいただく必要があります。』として、LGBTの排除をしないことを求めています。

出典:厚生労働省ホームページ  公正な採用選考の基本

7. ストレートであることを前提とした質問

東京駅周辺のビルの画像

私が就職活動した際に受けた質問として「彼女はいますか?」「これまで付き合ったことは?」と尋ねられたことがあります。尋ねられた時には「そもそも恋人できたことないんだけど…」「モテるかと言われたら特にはモテないような…恋人0と答えると表か悪くなるんだろうか」などセクシャリティとは別の点で困りました。

また「結婚を考えている?」「結婚したいと思う?」などと尋ねられたこともありますが、新卒で就職しようとしている22歳にとっては全く関係もなく考えてもいない話です。

セクシャリティ問わず、恋人がいるかどうかは関係ないことであり、尋ねられる必要はないことです。そのような就職活動ともかかわりがない質問を受けなければならないことも困ることです。

8. 就職先の福利厚生の分析

歩いているビジネスパーソン二人の後ろ姿の画像

企業の採用情報ページには様々な福利厚生制度が紹介されています。福利厚生には結婚休暇・家族手当・慶弔見舞い(結婚祝金・出産祝金等)・忌引き休暇・従業員の家族向けサービス・赴任旅費(赴任手当・別居手当)・介護休業・育児休業等などがあります。

そのような制度がL、異性間の恋人や法律上の婚約ではない関係においても使用できるのか、同性間カップル・片方の性別が戸籍上とは異なるカップルにおいても適用されるかは気になる点です。

何故ならば、企業が福利厚生の充実を謳っていたとしても、LGBT当事者にとっては使う機会がないストレートのみの制度ではないのか、それが分からなければ福利厚生制度なしで働くことになるからです。

9. LGBT以外の性別問題においても、働きやすい環境なのか

多様な性の中に男女やLGBTの問題が含まれていると考えると、LGBTに関する以外の性別に関する問題においても、男性と女性という性別によって役割・仕事内容・扱いが固定化されていないかは気になることです。

男女において固定概念が存在する環境は、トランスジェンダー当事者にとっては性別のどちらかを選択することで、働きやすさに影響が出る問題であり、LGBT当事に対しても性別による固定概念が影響して働きづらくならないのか、という点で困りごとの一つです。

男女の問題に関して厚生労働省では
・女性労働者についてのみ通常の業務に加えてお茶くみ・掃除等を行わせること
・均等法では、性別を理由として昇進について差別すること
・男女を募集の対象としているにも関わらず、採用の対象を一方の性に限ること
(以上3点、出典:厚生労働省ホームページ 均等法Q&A
などを挙げており、他にも様々な男女による採用・雇用・労働に関するものが存在します。ストレートや男女という枠においても働きやすく差別がない環境を考えることは、LGBT当事者にとっての働きやすさを考えることにも繋がります。

10. 他のマイノリティにとっても働きやすい環境なのか

LGBT採用に関する動きが注目されている中で、他のマイノリティとして人種・国籍・民族・部落差別・障害・宗教などの様々な属性があります。

LGBTとして働きやすかったとしても、ダブルマイノリティーとしてLGBT以外のマイノリティ属性を持つ当事者や、働きはじめてから怪我や病気を患ってしまった人にとって働きづらくないか、働く会社が多様性を尊重しているかを考えることにも繋がります。

まとめ

以上をまとめると、次のようになります。

  1. 企業が扱うサービスはLGBTも対象にしているのか
  2. キャリアプラン
  3. 働きやすい社風・業界かどうか分からない
  4. 男女・ストレート前提の就活
  5. LGBTに関する活動を言うことができるのか
  6. カミングアウトするべきか、出来る環境か
  7. ストレートであることを前提とした質問
  8. 就職先の福利厚生の分析
  9. LGBT以外の性別問題においても、働きやすい環境なのか
  10. 他のマイノリティにとっても働きやすい環境なのか

上記のような、様々な困りごとがある中で、LGBT学生の困りごとに対処しようとする企業も増えています。当サイトでも紹介している企業・採用情報も参考にしながら就職活動ができることで、困りごとが無くなっていくとよいですね。

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