LGBTQ+の割合は何人に1人? 最新調査の数値【ゲイ・レズビアン・バイセクシュアル 個別の割合はある?】

ライター: JobRainbow編集部
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「LGBTQ+の人は、実際どのくらいいるの?」と気になったことはありませんか。自分のセクシュアリティに気づいて「同じような人はどれくらいいるんだろう」と調べている方もいれば、職場や学校で多様性について考える中で数字を知りたくなった方もいるでしょう。

日本のLGBTQ+の割合は、調査によって約3%から約10%まで幅があります。何人に1人かでいえば、30人に1人から10人に1人ほどです。この記事では、日本と海外の主な調査の最新の数字を、ゲイ・レズビアン・バイセクシュアルなどセクシュアリティ別の割合もあわせて紹介します。そのうえで、なぜ調査によって数字がこれほど違うのか、数字をどう受け止めればよいのかを考えていきます。


日本のLGBTQ+の割合は調査によって3%台から約10%

まず、日本で行われてきた主な調査を一覧にまとめます。


調査 調査方法 LGBTQ+の割合 何人に1人 調査年
電通「LGBTQ+調査」 インターネット調査(20〜59歳) 9.7% 約10人に1人 2023年
電通「LGBTQ+調査」(前回) インターネット調査(20〜59歳) 8.9% 約11人に1人 2020年
家族と性と多様性にかんする全国アンケート 全国無作為抽出・郵送(18〜69歳) 3.5% 約29人に1人 2023年
大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート 無作為抽出・郵送(18〜59歳) 3.3%(※) 約30人に1人 2019年
名古屋市 性的少数者など性別にかかわる市民意識調査 無作為抽出・郵送(18歳以上) 1.6% 約60人に1人 2018年

※大阪市の調査は、「決めたくない・決めていない」と答えた人まで含めると8.2%になります。


数字だけを並べると、インターネット調査では約10%、無作為抽出による調査では3%前後と、大きく二つのグループに分かれていることがわかります。この違いが生まれる理由は、後半で詳しく説明します。


最新の電通調査では9.7%

民間の調査として最もよく引用されるのが、電通が定期的に行っている調査です。2023年6月に全国の20〜59歳の57,500人を対象に行われたインターネット調査では、LGBTQ+に当てはまる人の割合は9.7%で、2020年の前回調査の8.9%から少し増えました。2012年の5.2%、2015年の7.6%から、調査のたびに割合が高くなる傾向が続いています(引用:電通グループ「LGBTQ+調査2023」)。


日本初の全国無作為抽出調査では3.5%

一方、2023年2〜3月には、国立社会保障・人口問題研究所の研究者らのチームが、日本で初めてとなる全国規模の無作為抽出調査を行いました。全国の18〜69歳の住民18,000人に調査票を郵送し、5,339人から回答を得た結果、回答者の3.5%が「ゲイ・レズビアン」「バイセクシュアル」「アセクシュアル」、またはトランスジェンダーに当てはまりました(引用:法政大学「日本初の性的マイノリティの生活実態に関する全国無作為抽出調査の結果を公表」)。

この調査では割合だけでなく、暮らしの実態も明らかになりました。深刻な心理的苦痛を抱えている人の割合は、回答者全体の7.6%に対して、同性愛者・両性愛者では21.1%、男性・女性に当てはまらない人では25.0%でした。数字の大小だけでなく、当事者がどんな困難を抱えているかを知るための貴重なデータです(引用:家族と性と多様性にかんする全国アンケート)。


ゲイ・レズビアン・バイセクシュアル別の割合

セクシュアリティごとの割合が気になる方も多いと思います。電通の2023年調査では、内訳が次のように公表されています(引用:PRIDE JAPAN「電通『LGBTQ+調査2023』の結果が発表、LGBTQの割合は9.7%」)。


セクシュアリティ 割合
バイセクシュアル/パンセクシュアル 3.20%
ゲイ 1.59%
アセクシュアル 1.56%
アロマンティック 1.43%
ノンバイナリー/Xジェンダー 1.38%
トランスジェンダー 1.15%
レズビアン 1.01%
性的指向のクエスチョニング 0.58%
性自認のクエスチョニング 0.26%

ひとりの人が複数の項目に当てはまることもあるため、すべてを足すと9.7%を超えます。たとえば、トランスジェンダーでありバイセクシュアルでもある人は、両方に数えられています。

この内訳を見ると、最も多いのはバイセクシュアル/パンセクシュアルで、ゲイやレズビアンよりも多いことがわかります。「LGBTQ+=同性だけを好きになる人」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実際には、複数の性別の人を好きになる人や、他者に恋愛感情や性的な関心を抱かない人など、さまざまなあり方があります。

なお、性的指向(好きになる性)と性自認(自分の性をどう認識しているか)は、それぞれ別の軸です。セクシュアリティの基本についてはLGBTとは何かを解説した記事もあわせてご覧ください。


海外の調査ではどうか

海外でも同じような調査が行われています。アメリカの調査会社ギャラップが2025年に13,000人以上を対象に行った電話調査では、アメリカの成人の9%がLGBTQ+だと答えました。2012年に初めて調査したときの3.5%から、2倍以上に増えています(引用:Gallup "LGBTQ+ Identification Holds at 9% in U.S.")。

内訳を見ると、成人全体のうちバイセクシュアルが5.3%と最も多く、ゲイが1.6%、レズビアンが1.4%、トランスジェンダーが1.1%でした。日本の電通調査と同じく、バイセクシュアルが最も多いという傾向が見られます。

ヨーロッパでは、2016年にドイツの調査会社Daliaが行った調査で、ヨーロッパ全体の5.9%がLGBTだと答えています。国別ではドイツ7.4%、スペイン6.9%、イギリス6.5%でした。


若い世代ほど割合が高く出る

国内外の調査に共通しているのが、若い世代ほどLGBTQ+だと答える人の割合が高いという傾向です。

ギャラップの2025年の調査では、18〜29歳の23%、つまり4人に1人近くがLGBTQ+だと答えました。そのうち16%がバイセクシュアルです。ヨーロッパのDalia社の調査でも、若い世代ほど割合が高く、スペインでは若年層の14%がLGBTだと答えていました。日本でも、名古屋市の調査では全体の割合が1.6%だった一方で、18〜29歳に限ると割合が高くなっていたことが報告されています(引用:名古屋市「性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)など性別にかかわる市民意識調査報告書」)。

これは、若い世代にLGBTQ+の人が「増えた」ということではないと考えられています。LGBTQ+についての情報に触れる機会が増え、自分のあり方を表す言葉に出会えるようになったこと、そして、それを口にしても大丈夫だと感じられる社会に少しずつ変わってきたことが、数字に表れていると見るのが自然です。


なぜ調査によって数字がこれほど違うのか

3%と10%では、かなり印象が違いますよね。調査によって数字がばらつく主な理由は三つあります。


1. 調査方法の違い

電通などの民間調査は、調査会社に登録しているモニターに回答してもらうインターネット調査です。費用を抑えて大量の回答を集められる反面、回答者は日本に住む人全体から公平に選ばれたわけではありません。社会学者の石田仁さんは著書『はじめて学ぶLGBT』の中で、こうした調査で一定の割合のLGBTQ+の人が「出現」したからといって、それがそのまま日本全体の割合だとは言えないと指摘しています。

これに対して、大阪市の調査や2023年の全国調査は、住民の名簿から回答者を無作為に選ぶ「確率標本抽出」という方法をとっています。誰もが同じ確率で選ばれるため、社会全体の姿をより正確に映しやすいとされています(引用:PRIDE JAPAN「LGBTに関する全国最大規模の無作為抽出調査が大阪市で実施」)。


2. 調査対象の年齢の違い

電通の調査は20〜59歳、全国アンケートは18〜69歳、名古屋市の調査は18歳以上が対象です。若い世代ほど割合が高く出る傾向があるため、対象にどの年代が多く含まれるかによっても、全体の数字は変わってきます。


3. 「答えたくない」「答えるのが怖い」と感じる人がいる

郵送で届いた調査票に、自分のセクシュアリティを正直に書くことに不安を覚える人もいます。家族に見られるかもしれない、個人が特定されるかもしれないと感じれば、無回答にしたり、実際とは違う答えを選んだりすることもあるでしょう。名古屋市の調査について、東海地方の当事者団体からは、性別の選択肢が「男性」「女性」しかなかったことなど、当事者が答えにくい設計だったという指摘もありました。

つまり、無作為抽出の調査がより正確だといっても、その数字には「答えられなかった人」が含まれていない可能性があります。どの調査にも、それぞれの強みと限界があるのです。


数字よりも大切なこと

LGBTQ+の割合が3%でも10%でも、確かなことがあります。それは、LGBTQ+の人はあなたの身近にもいる、ということです。3%だとしても、30人のクラスや部署にひとりはいる計算になります。

一方で、数字を「誰がLGBTQ+なのか」を探したり、推測したりするために使うのは避けたいところです。見た目や話し方、趣味などからセクシュアリティを決めつけることはできませんし、カミングアウトするかどうか、誰にいつ伝えるかは、本人が決めることです。

職場で大切なのは、「この中にもLGBTQ+の人がいるかもしれない」という前提で、誰にとっても安心できる環境を整えておくことです。性別を決めつけない言葉づかいや、パートナーを家族として扱う福利厚生、相談しやすい窓口があれば、カミングアウトしているかどうかにかかわらず、多くの人が働きやすくなります。


まとめ

地域 調査 LGBTQ+の割合 調査年
日本 電通(インターネット調査) 9.7% 2023年
日本 全国無作為抽出調査 3.5% 2023年
アメリカ ギャラップ(全体) 9% 2025年
アメリカ ギャラップ(18〜29歳) 23% 2025年
ヨーロッパ Dalia社 5.9% 2016年

LGBTQ+の割合は、調査の方法や対象によって大きく変わります。数字を見るときは、どんな方法で、誰を対象にした調査なのかをあわせて確認すると、より正確に理解できます。

自分のセクシュアリティについて考えている方にとって、「同じような人がこれだけいる」という数字は、心強く感じられるかもしれません。ただ、どれだけ多くても少なくても、あなたのあり方の大切さは変わりません。JobRainbowでは、LGBTQ+の人が安心して働ける企業の情報を紹介しています。自分らしく働ける場所を探すときに、ぜひ役立ててください。


参考

  1. 電通グループ「LGBTQ+調査2023」
  2. 法政大学「日本初の性的マイノリティの生活実態に関する全国無作為抽出調査の結果を公表」
  3. 家族と性と多様性にかんする全国アンケート
  4. PRIDE JAPAN「電通『LGBTQ+調査2023』の結果が発表、LGBTQの割合は9.7%」
  5. Gallup “LGBTQ+ Identification Holds at 9% in U.S.”
  6. 名古屋市「性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)など性別にかかわる市民意識調査報告書」
  7. PRIDE JAPAN「LGBTに関する全国最大規模の無作為抽出調査が大阪市で実施」

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