バイセクシュアルとは?【当事者が監修・意味を解説】

ライター: JobRainbow編集部
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バイセクシュアル(Bisexual)とは日本語で「両性愛者」、つまり男性と女性の両方に恋愛感情及び性的欲求を持つ(性的指向が向く)セクシュアリティです。

「バイセクシュアル」という言葉、皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれません。「男と女、両方好きになる人でしょ?」と認識している人も多いと思います。

しかし、実はバイセクシュアルの世界というのはとても複雑で、「自分はバイセクシュアルなのかな?」と悩んでいる人が多くいたり、様々な誤解や偏見があったりするのが現状です。

今回はそんなバイセクシュアルについて、様々なトピックと共にたっぷり事例を紹介していきたいと思います。

バイセクシュアルの有名人まとめ【日本&海外】

バイセクシュアルの意味

カラフルな筆記具の画像

バイセクシュアル(Bisexual)とは日本語で「両性愛者」、つまり男性と女性の両方に性的な魅力を感じるセクシュアリティです。ちなみに、性的な魅力ではなく恋愛感情を両性に抱く(恋愛指向が両性に向く)場合はバイロマンティックと表現します。

ちなみに、性自認(自分の自認している性別)によってバイセクシュアルだと決まったり、またバイセクシュアルだから特定の性自認が決まったりするということもありません。性自認と性的指向は、互いに独立しています。

パンセクシュアルとの違い

頬に虹のペイントをした女性の画像

このバイセクシュアルとよく混同して認識されがちなのがパンセクシュアル(Pansexual、全性愛)です。

一体何が違うのかというと、バイセクシュアルが男女両性に性的指向が向くのに対し、パンセクシュアルはすべての性に性的指向が向くという違いがあります。

「え?同じじゃないの?」

と思ったそこのあなた。確かにこの2つの意味は似ているように聞こえますが、違うんです。

なぜなら「すべての性」は「男・女」の2つだけでなく、Xジェンダーなど実に様々な性を含めたものを指すからです。アメリカ版のFacebookでは、性別欄の項目が今のところ58種類まで用意されています。

なので名前の通り、バイセクシュアルの「Bi-」は英語で「2つ」という意味なのに対し、パンセクシュアルの「Pan-」は「全て」、つまり全性愛となります。

男女という2つの性だけでなく、Xジェンダーなども含めたすべての性が恋愛及び性的対象になるのがパンセクシュアルで、これがバイセクシュアルとの違いになります。

とはいっても、自分がパンセクシュアルなのかバイセクシュアルなのか、はたまた同性愛者なのか、自分でも気持ちが曖昧で分からない……といった人も多いと思います。そんな自分の性的指向の定義の仕方については、次項で詳しく説明していきます。

バイセクシュアル診断

腕を抱える女性の画像

定義がわかっても、いざ自分がそれに当てはまるかと考えると、そう単純にはいかないのが現実ですよね。

性自認や性的指向は人生の中で変わっていくこともありますし、まだ見ぬ未来の可能性だってありますし……

「バイセクシュアルとパンセクシュアルの違いは分かった。でも自分がどっちかわからない!」

「男も女も好きになったことがあるけど、そうじゃない人を好きになる可能性だってあるかもしれない!」

「昔異性に恋をしたことがあるけど、今は同性しか好きになれない。私ってバイセクシュアル?それともレズビアン?」

一体自分がなんなのかわからないよ!と悩んでいる方は少なくないと思います。

ですが、本質的にかつ究極に言えば、

自分が「こう思う」という好きな名を名乗っていいし、

もし分からない場合は、自分の行動を定義に当てはめて無理矢理カテゴリー分けする必要もありません。

なぜなら、このような性のカテゴリー分けは、あくまで社会に「存在」するために「名前」をつけているだけだからです。

セクシュアリティは、絶対的な定義が存在して他人が判断するようなものではなく、自分自身がどう判断するかが基準になります。

なので、「診断により適確な性的指向に分類」されたり、逆に「間違った性的指向を名乗る」なんてことは、本質的には起こりえません。

あなたがこうだと思ったアイデンティティーが、あなたでよいのです。

とは言っても、自分自身のことをより理解するために、少しでもはっきりさせておきたいという方は少なくないと思います。そんな方はぜひこちらのバイセクシュアル診断も合わせてご覧ください。

バイセクシュアルを自認する方の声

実際に自身をバイセクシュアルだと認識している人たちの声を参考にしてみましょう。

これから紹介するのは、(主にパンセクシュアルに比べて)自身をバイセクシュアルと認識している人達400人に、なぜそのように考えているのかを調査した内容です。

これらはあくまで一部の声となりますが、バイセクシュアルを自認している人達の中には、以下のような理由で自分の性的指向を判断している人もいます。

  • 「恋愛に性別は関係ない」というより、「男性的な魅力と女性的な魅力、両方良い」という考え方に近いから

↑こちらは、この調査で最も多かった意見です。その他にも、

  • (なんとなく)「バイセクシュアル」と呼ぶほうがしっくりくるから
  • 「パンセクシュアル」より「バイセクシュアル」と言った方が通じやすいから
  • 性別は2つに限らないと思うが、過去好きになった人は皆男性もしくは女性であったから
  • 女性と男性(だと認識している人)にしか今まで惹かれたことがないから。中性的な人にはあまり惹かれないから。

などの理由が上げられています。

これらの結果をまとめると、バイセクシュアルだと判断する鍵としては

「恋愛に性別は関係ない」というよりは、「恋愛において男/女という相手の性別は意識しており、そしてそのどちらにも惹かれる」という部分が大きいかと思われます。

ちなみにパンセクシュアルを自認している方の意見としては、

  • 男性的な魅力と女性的な魅力両方惹かれるというより、恋愛に性別は関係ないと思っているから
  • 接しているときにお互いの性別を意識しないで済む人に惹かれる傾向があるから

という声が上がっており、やはり「相手の性別を意識するか、しないか」という部分がバイセクシュアルとパンセクシュアルを分ける大きな要素にもなりそうです。(「400人に聞いて見えてきた! バイセクシュアルとパンセクシュアルの境界線」 より)

いかかでしたでしょうか。

これらはあくまで一例ですので、最終的に自分の性的指向を決めるのは自分自身となりますが、その道筋を照らせていたら幸いです。

最初にも述べた通り、性的指向は人生において変化する可能性もあります。レズビアンだった人がバイセクシュアルになったり、ヘテロセクシュアル(異性愛者)だった人がバイセクシュアルになることも、またその逆だってあり得ます。

性というものは本来区分されるものではなく、グラデーションの中にあらゆる形が存在しているものです。

無理矢理枠にはめるより、どうか「あなたらしくいられる」性のかたちを見つけていって頂けたらと思います。

バイセクシュアルは肩身が狭い?!様々な誤解と偏見

女性が窓の外を見ている画像

まだまだバイセクシュアル当事者の声、紹介していきますよ!

次は、バイセクシュアル当事者はもちろん、

バイセクシュアルの周りの方々が、バイセクシュアルを理解する上で注意してほしい点について説明していきたいと思います。

性的指向や性自認に関しては未だ多くの誤解が存在していますが、バイセクシュアルはヘテロセクシュアルからだけでなく、ゲイやレズビアンなどからも誤解を受けやすい部分があります。

コスモポリタン・アメリカ版ライターのレーン・ムーアさんによると、実はバイセクシュアルの人々は、世間のあらゆるコミュニティーにおいて様々な偏見や誤解に悩んでいるそうです。これらの実際のバイセクシュアルの方々の声を参考に、注意すべきポイントをいくつか紹介していきます。

「バイセクシュアル=誰でもいい」ではない!

バイセクシュアルに対する「誰でもいい」という軽いイメージは完全な誤解です。また、バイセクシュアルは性に対して奔放であるというイメージを持つこと、またはそのように接することも偏見であり、気を付けるべきポイントです。

「この世の男女みんな好きになれるんでしょ?」「男も女も楽しめておトクじゃん!」なんて発言は、時に当事者を傷つける可能性があります。

バイセクシュアルは「同性愛者になる過程」ではない!

バイセクシュアルを異性愛の“派生”だったり、異性愛から同性愛になる“過渡期”だととらえている人もいると思いますが、これもひとつの誤解です。

もちろん性的指向が人生の中で変化することはありますが、だからといってバイセクシュアルをひとつの個性ではなく「不完全な状態」としてとらえることは、バイセクシュアル当事者の肩身を狭くする原因となってしまいます。

「異性のパートナーができた(or 結婚した)=バイセクシュアルではなくなった」は間違い!

これもよくある誤解ですが、バイセクシュアルの人が異性と交際を始めたからといって、LGBTQコミュニティーから除外されることはあってはなりません。

例えば、男性のバイセクシュアルの人に対して「結局女性と結婚するなんて、ストレートだったの?」などの誤解をぶつけることは、その人のバイセクシュアルとしてのアイデンティティーを深く傷つけます。

「男性・女性両方と性的な関係があった」と決めつけない!

必ずしも性的な関係を持つことだけが性的指向を決める必要事項とは限りません。ゲイやレズビアンの中にも、同性との性的接触がなくても自認やカミングアウトをする人がいるように、全てのバイセクシュアルの人が両性と性的接触を持ったと決めつけるのは偏見となります。

「バイセクシュアル=世の中には男女の2つのジェンダーしかないと思っている」わけではない!

バイセクシュアルはすべて性別二元論者(性には男女しかないと考えている人)だと誤解されがちですが、決してそんなことはありません。バイセクシュアルの中にもトランスジェンダーの方と交際している人、また自身がトランスジェンダーやXジェンダーである人が大勢います。性的指向だけでその人の信念が決まることはありません。

このように、実はバイセクシュアルに対する様々な誤解や偏見が世間にまだまだたくさんあります。

バイセクシュアルに限らず、特定の性的指向または性自認によってその人の性格や生き方を決めつけることは、決してあってはなりません。

性はあくまで数ある個性のうちのひとつ。誰もが「自分らしく」生きられるためにも、このような日常的な誤解や偏見から減らしていけたらよいですね。(参考:バイセクシャル女子が語る「世間に知ってほしいこと」11, きっとあなたは知らない。バイセクシュアルにまつわる22の事実

バイセクシュアルに関する映画・本など

本棚の画像

最後に、バイセクシュアルに関連する著書や映画を紹介していきます。

自身がバイセクシュアルと自認している(または迷っている)方や、バイセクシュアル当事者の友人・家族の方々が、これにより更に理解を深めて頂けたら幸いです!

▼本

『LGBTのBです』きゅうり著

「LGBTのBです」の表紙

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こちらはバイセクシュアル当事者である著者・きゅうりさんが、思春期から就職までの経験談をまとめた一冊です。セクシュアルマイノリティ当事者はもちろん、その家族や友人、アライの方にもおすすめしたい、前向きかつ分かりやすい内容となっています。

いわゆる“普通”じゃなくても、悩まなくて大丈夫!
いわゆる“普通”になろうとしなくても大丈夫!

自分の性との向き合い方からカミングアウトまで、またカミングアウトをされた側はどう接すればいいかのヒントが著者の体験に散りばめられています。

LGBTの当事者、また家族や友人、職場など周りにLGBTがいる人にも読んで欲しい本です。

Amazon『LGBTのBです』商品紹介より

▼漫画

「ぼくたちLGBT」トミムラコタ作

「ぼくたちLGBT」の表紙

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こちらもバイセクシュアルである作者が、ほぼ100%実話の体験談をコミカルに綴っている漫画です。バイセクシュアルあるあるの他、あらゆるセクシュアルマイノリティ達のリアルな恋愛事情について描かれています。

……性的少数者? いやいや、多様化した現代社会で、もはやそれはごく普通に存在する《個性》!
まだまだ苦悩も困難も多いけど、彼らは恋愛だって、結婚だって、ポジティブ!
そんな彼らの《恋愛事情》を、自らも「B」とカミングアウトした著者が《99.9%経験談》でお届けするエッセイコミック!!

ヤンジャン!『ぼくたちLGBT』より

▼映画

マルガリータで乾杯を!(2015)

https://www.youtube.com/watch?v=1Y_GiPH_juI

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主人公の女の子が、自身がバイセクシュアルであることを自覚していく過程を描いた、波乱万丈のヒューマン映画です。主人公・ライラとその彼女は共に障がいを抱えており、「障がい者と性」という難しいテーマにも体当たりで挑んでいます。性に関する問題はもちろん、自分らしい生き方について考えさせられる、元気いっぱいのインド映画です!

君の名前で僕を呼んで (2017)

https://www.youtube.com/watch?v=IIEkhatjkGI&t=1s

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17歳の少年・エリオと24歳の大学院生・オリバーのひと夏の恋を描いた、北イタリアのどこかで紡がれる切ない青春映画です。作中では同性愛(または両性愛)を特別視することもなく、あくまで思春期の複雑な心境の変化のひとつとして丁寧に描かれています。情景や音楽が美しく、どこを切り取っても絵になる、筆者おすすめの一作です!

※実はこちらは、主人公のセクシュアリティが「あえて」はっきりとは明記されていません。なので主人公はバイセクシュアルともゲイとも捉えられますが、男女両方と性愛を発展させるシーンが含まれているので、バイセクシュアル映画として紹介させて頂きました。

LGBTがテーマじゃなくても、こんなにある。LGBTたちが大活躍する映画6選【8/31更新】

おわりに

絵の具の画像

いかがでしたか?

バイセクシュアルについて、様々な例や当事者の声をたっぷり紹介させて頂きました。

バイセクシュアルはシンプルなようで実は誤解なども多く、理解するのに複雑な部分もあります。

そして実際、これを読んでいる方の中には、自分がバイセクシュアルなのかどうか迷っている方も非常に多いと思います。

この記事を読んで、少しでもバイセクシュアルへの理解が深まってくれていたら……そして、その新しい発見が自分自身の承認や、他の誰かが生きやすくなる心遣いに繋がってくれていたら、なによりです。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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