同性婚が認められている国はどこ? 海外と日本の結婚事情を比較

ライター: JobRainbow編集部
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日本では今も、同性同士のカップルは法律上の結婚をすることができません。では、世界ではどうなっているのでしょうか。同性婚が認められている国はいくつあるのか、アジアではどうなのか、結婚ではなくパートナーシップという形をとる国や、同性同士の関係そのものが罰せられる国はどれくらいあるのか。

この記事では、世界の同性婚をめぐる最新の状況を整理し、日本と比べてみます。海外で結婚した場合に日本でどう扱われるのかについてもまとめました。海外の事情を知りたい方はもちろん、パートナーとの将来や海外での暮らしを考えている方にも、参考にしていただけたらうれしいです。


世界では39の国と地域で同性婚ができる

2001年4月、オランダが世界で初めて同性婚を法律で認めました。それから20年あまりで同性婚は世界中に広がり、2025年1月時点で、同性婚ができる国と地域は39にのぼります(引用:Marriage For All Japan「世界の状況」)。

2019年5月時点では26か国でしたから、この数年だけでも10以上の国と地域が加わったことになります。なお、数え方は団体によって少し異なり、ILGA Worldは2026年6月時点で「国連加盟国37か国と台湾」としています。ここで「同性婚が認められている」というのは、同性カップルが異性カップルと同じ結婚制度を利用でき、相続や社会保障などについて同じ権利を持てることを指します。


同性婚が認められている国の一覧

同性婚ができる39の国と地域を、地域ごとに見てみましょう。かっこ内は同性婚が可能になった年です。


ヨーロッパ

オランダ(2001年)、ベルギー(2003年)、スペイン(2005年)、ノルウェー(2009年)、スウェーデン(2009年)、ポルトガル(2010年)、アイスランド(2010年)、デンマーク(2012年)、フランス(2013年)、イギリス(2014年)、ルクセンブルク(2015年)、アイルランド(2015年)、フィンランド(2017年)、マルタ(2017年)、ドイツ(2017年)、オーストリア(2019年)、スイス(2022年)、スロベニア(2022年)、アンドラ(2023年)、エストニア(2024年)、ギリシャ(2024年)、リヒテンシュタイン(2025年)

イギリスでは、イングランドとウェールズが2014年3月、スコットランドが同年12月、北アイルランドが2020年1月と、地域ごとに順に実現しました。


南北アメリカ

カナダ(2005年)、アルゼンチン(2010年)、ブラジル(2013年)、ウルグアイ(2013年)、メキシコ(2015年)、アメリカ(2015年)、コロンビア(2016年)、エクアドル(2019年)、コスタリカ(2020年)、チリ(2022年)、キューバ(2022年)

メキシコは国全体で一度に法律ができたのではなく、州ごとに実現していきました。


アジア・オセアニア・アフリカ

南アフリカ(2006年)、ニュージーランド(2013年)、オーストラリア(2017年)、台湾(2019年)、ネパール(2023年)、タイ(2025年)


アジアでも同性婚が広がっている

かつては「アジアで同性婚は難しい」と言われることもありましたが、状況は変わりつつあります。

2019年5月、台湾がアジアで初めて同性婚を実現しました。台湾では2017年に憲法裁判所にあたる司法院大法官会議が、同性カップルが結婚できない現行法は憲法に反すると判断しました。その後、2018年の住民投票では民法の婚姻規定を男女に限るべきだという意見が多数を占めましたが、政府は民法とは別に特別法を制定するという形で同性婚を実現させました。

2023年にはネパールで同性カップルの結婚が可能になり、2025年1月にはタイで、同性カップルにも異性カップルと同じ結婚を認める改正民法が施行されました。東南アジアで初めての同性婚です。

アジアの近隣の国や地域で同性婚が実現していく流れは、日本で同性婚を求める人たちにとっても、大きな励みになっています。


結婚ではなく登録パートナーシップを認める国

同性婚とは別に、「登録パートナーシップ」や「シビルユニオン」と呼ばれる制度を設けている国もあります。1989年にデンマークが世界で初めて、同性カップルに結婚とほぼ同じ権利を認める登録パートナーシップ法をつくりました(引用:Marriage For All Japan「世界の状況」)。

多くの国では、登録パートナーシップが同性婚に至るまでの段階として機能してきました。デンマークのように、まずパートナーシップ制度をつくり、のちに同性婚を実現した国は少なくありません。一方で、イタリアのように現在も同性婚は認めず、シビルユニオンの制度だけを設けている国もあります。

登録パートナーシップで認められる権利は国によってさまざまで、税制や養子縁組などについて結婚と同じ扱いにならないことも多いのが実情です。フランスのように、同性婚と、異性カップルも使えるパートナーシップ制度(PACS)の両方を用意して、カップルが自分たちに合った形を選べるようにしている国もあります。


同性同士の関係が犯罪とされる国も残っている

一方で、同性同士の性的な関係そのものを法律で罰している国も、今なお多く存在します。国際的なLGBTI団体ILGA Worldが2026年6月に公表した報告では、同意のうえでの同性間の性的な関係を犯罪としている国連加盟国は65か国にのぼります。ブルキナファソが歴史上初めて犯罪化する法律を導入し、トリニダード・トバゴでは一度は認められた非犯罪化が覆されるなど、その数は10年近くぶりに増加しました。また、7か国では法律上、死刑が科される可能性があります(引用:ILGA World "Pride Month: new ILGA World data and maps on laws affecting LGBTI people globally")。

こうした法律が残っている背景には、主に二つの理由があると言われています。ひとつは植民地時代の名残です。かつてイギリスなどの宗主国が定めた、同性間の性行為を罰する法律が植民地にも適用され、独立後もそのまま残っているケースが多くあります。もうひとつは宗教的な理由で、宗教上の規範が法律に反映されている国もあります。

同性婚が広がる一方で、同性を好きになること自体が命や自由を脅かされる理由になってしまう国もある。世界の状況は、決して一方向に進んでいるわけではありません。


日本の現状

日本では、民法や戸籍法が結婚を男女間のものとして扱っており、同性カップルは結婚できません。国レベルの登録パートナーシップ制度もありません。主要7か国(G7)の中で、同性カップルに法律上の結婚も国の制度としてのパートナーシップも認めていないのは日本だけです。

その代わりに広がってきたのが、自治体のパートナーシップ制度です。2015年に東京都の渋谷区と世田谷区で始まり、2025年5月末時点で導入自治体は530、人口カバー率は92.5%に達しました(引用:nippon.com「パートナーシップ制度:25年5月時点で人口カバー率9割超す」)。ただし、自治体の制度には法律上の効力がなく、相続や税制などで結婚と同じ扱いを受けることはできません。詳しくはパートナーシップ制度の解説記事をご覧ください。

一方、同性婚を求める裁判は大きな節目を迎えています。2019年に始まった「結婚の自由をすべての人に」訴訟では、6件の高裁判決のうち5件が違憲と判断し、2026年3月には最高裁判所の大法廷で審理されることが決まりました(引用:日本経済新聞「同性婚認めない規定、最高裁大法廷が憲法判断へ」)。裁判の経緯や今後の見通しは日本の同性婚の現状を解説した記事で詳しく紹介しています。


海外で結婚した場合、日本ではどう扱われるのか

「日本で結婚できないなら、同性婚ができる国で結婚すればいいのでは」と考える方もいるかもしれません。実際に海外で結婚する日本人の同性カップルもいますが、その結婚は日本では婚姻として扱われません。戸籍に記載されることも、日本の法律上の配偶者としての権利を得ることもできないのが現状です。

在留資格にも違いがあります。外国籍の人どうしが、それぞれの国で有効な同性婚をしている場合には、一方が日本に在留していれば、もう一方には「特定活動」という在留資格が認められる運用が2013年から行われています。しかし、日本人と外国籍の人の同性カップルの場合、海外で結婚していても、外国籍のパートナーは「日本人の配偶者等」の在留資格を得ることができません(引用:東京弁護士会「同性パートナーの在留資格」)。日本人とパートナーになったほうが不利になるという逆転した状況は、裁判でも問題として取り上げられてきました。


海外での暮らしや旅行を考えるときに

パートナーとの将来を考えて、同性婚ができる国への移住を検討する人もいます。ただ、ビザの取得や仕事探し、言葉や文化の違いなど、移住のハードルは決して低くありません。暮らす場所の選択肢が「結婚できるかどうか」で狭められてしまうこと自体が、異性カップルとの不平等だといえます。

旅行や出張で海外に行く場合には、行き先の国の法律や社会の雰囲気を事前に確認しておくと安心です。同性間の関係が犯罪とされている国では、パートナーとの関係を周囲に知られることがリスクになる場合もあります。外務省の海外安全情報なども参考にしながら、自分たちが安心して過ごせるかどうかを考えてみてください。


おわりに

世界を見渡すと、同性婚ができる国と地域は39にまで広がり、アジアでも台湾、ネパール、タイと実現が続いています。その一方で、同性同士の関係が罰せられる国も残っています。海外の状況を知ることは、日本がいまどこに立っているのかを知ることでもあります。

日本でも、最高裁の判断によって状況が大きく変わる可能性があります。この記事も、新しい動きがあれば更新していきます。JobRainbowでは、同性パートナーを家族として扱う福利厚生を整えた企業など、LGBTQ+フレンドリーな職場の情報を紹介しています。パートナーとの将来を考えるときに、働く場所選びもあわせて見直してみてはいかがでしょうか。


参考

  1. Marriage For All Japan「世界の状況」
  2. ILGA World “Pride Month: new ILGA World data and maps on laws affecting LGBTI people globally”
  3. nippon.com「パートナーシップ制度:25年5月時点で人口カバー率9割超す」
  4. 日本経済新聞「同性婚認めない規定、最高裁大法廷が憲法判断へ」
  5. 東京弁護士会「同性パートナーの在留資格」

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