情報収集して業界と職種を知ろう【LGBT就活・転職ガイド 3-2】

ライター: JobRainbow編集部
この記事のアイキャッチ画像

情報には、一次情報と二次情報がある

自分らしく働くためには、業界・企業についての情報収集は必要不可欠です。情報を効率よく収集するために、まずはどのような種類の情報があるかを知っておきましょう。情報には大きく分けて「一次情報」と「二次情報」があります。

一次情報は、インターンシップやOP訪問など直接的に企業の当事者から得られるものです。二次情報は、就職・転職サイト、キャリアセンター、口コミなど、インターネットや部外者の価値観を通して間接的に得られます。

二次情報の方が格段に入手しやすいものの、就活・転職で圧倒的に重要なのは、自分の目で見て確かめた一次情報です。

とくに就職先の企業がLGBTフレンドリーなのかどうかを重視する場合、この2つの情報をしっかり集めないと、いざ就職してから「思っていたことと全然違った」という状況になりかねません。その点もふまえて、上手な情報収集の方法をお話しします。

まずは、二次情報を集めて企業や業界の絞り込みをしよう

いきなり一次情報を集めようとしても、星の数ほど存在する企業の社員に毎回会って話を聞くのでは、効率が悪すぎます。まず、自分のキャリアプランを軸に、業界・職種をいくつか絞り込みましょう
そのうえで、ライフプランとも照らし合わせて、働く場所はどこか、やりたい仕事ができるか、給与はどれくらいか、休みは取れるのか、若手に裁量があるのか、などの軸で企業をピックアップします。

LGBTフレンドリーであるかどうかを重視する場合は、「働きやすさ指標」をチェックしたり、企業のウェブサイトなどを見てみましょう。

LGBTについて情報開示をしていなかったとしても、たとえばダイバーシティについてのページがあれば、多様性への考え方を知るヒントとなるでしょう。

女性活躍や障がい者、外国人採用などに力を入れている企業は、LGBTに対する理解や受容度が高く、働きやすい傾向にあるように思います。少なくとも職場環境向上を意識しているということは、プラスにとらえることができるでしょう。

業界と職種の両方から企業を絞る

業界とは産業や商業の種類で分類したものを指し、職種とは行う仕事の種類を指します。どんな企業もひとつ以上の業界に属していて、さまざまな職種を含んでいます。

就活では、熱意や適性から選ぶことが多いので業界を軸に、転職はスキルや能力から選ぶことが多いので職種を軸にする場合が多いです。「この業界が好きだから」や「自分のスキルや得意なことはこの職種で活かせるから」という理由で絞るのもありですが、業界と職種のどちらか片方だけに絞り込みすぎると後から軌道修正できなくなることもあるので、気をつけましょう。

(引用:『自分らしく働く LGBTの就活・転職の不安が解消する本』星賢人、翔泳社、2020

Q. LGBTフレンドリーな業界、LGBTにおすすめの職種はありますか?

どの業界にもLGBTフレンドリーな企業は存在します。ただ傾向として、IT業界はグローバルで事業を展開していたり、比較的年齢が若く、実力主義の風潮があることから、LGBTフレンドリーな企業が多い印象です。また同じような理由から、外資系企業も多様性を受け入れる風土が整っている傾向があります。

業界も職種も、LGBTだから向き・不向きが出ることはありませんが、下記のようにLGBTならではの経験が強みとなりうる仕事もあります。ただ、「活かせるから」「受け入れてもらえるから」という理由で志望するのではなく、自分がやりたい仕事ができるかを軸に選ぶことが大切です。

LGBTならではの経験が活かしやすい業界・職種

参考として、LGBTの経験が活かしやすい主な業界・職種を紹介します。

  • 教育機関:LGBTの学生をサポートする大学等が増えており、相談窓口を担うことができる
  • 行政機関:同性パートナーシップを導入する自治体も増えており、LGBTの市民の対応などに理解をもって接することができる
  • 不動産:差別されることもある同性カップルの部屋探しなどの相談にのったり、トランスジェンダーでも使いやすいお手洗いの提案などもできる
  • 保険:トランスジェンダーが入れる保険は限られていたり、同性パートナーを保険金受取人に指定できない場合があるため、新規顧客を開拓できる
  • ブライダル:結婚式を挙げるLGBTに向けて、新しいプランを考えられる
  • ファッション:ジェンダーにとらわれない服装の提案や、靴や服のサイズが合いにくいトランスジェンダーに向けた商品開発ができる

最後の決め手は一次情報

二次情報から企業をある程度絞り込めたら、今度は一次情報を集めていきましょう。最終的に選考を受けるかどうかという判断から、どの会社に入社するかという決断まで、重要な意思決定に関わるのが一次情報です。一次情報の集め方や気をつけるポイントについて、以下の項目でまとめているので、よく読んでから取り組みましょう。

Q. LGBTについて質問すると、相手にLGBTであると思われないでしょうか?

LGBTについての質問をしてもそれほど気にすることはありません。なぜなら最近は、LGBTだけでなく、セクシュアルマジョリティからもLGBTに関する質問をすることが増えている傾向にあるからです。

どうしても気になる時は、「御社のダイバーシティへの取り組みについて知りたいのですが、たとえば LGBTについてはどのようにお考えなのでしょうか?」というように、少し遠回しに聞くこともできるでしょう。

余談ですが、こうした質問を受けることが増えた結果、LGBTに取り組んでこなかった企業の人事の意識が変わり、LGBTフレンドリーな取り組みをはじめたという事例がありました。少しの勇気が企業を変えることもあるようです。

POINT

  • 二次情報から業界や職種を絞り込み、一次情報で具体的な企業選びを進めていく
  • 合同説明会やインターンに参加し、さまざまな角度から一次情報を集めていこう

>>次のコラムへ

>>LGBT就活・転職ガイドまとめ


検索

  • セクシャリティ診断ツール
  • 企業担当者の方向けLGBTフレンドリー企業マニュアル無料配布中
  • LGBT研修
  • ダイバーシティ研修
JobRainbow