トランスジェンダーの人が履歴書を書くときのQ&A【LGBT就活・転職ガイド 5-6】

ライター: JobRainbow編集部
この記事のアイキャッチ画像

ESや履歴書を提出する際に、戸籍性を変更していないことなどで、とまどってしまうトランスジェンダー、Xジェンダーの声が多く寄せられています。とくに多いのは、次のような悩みです。

Q. 証明写真や性別記入欄、通称名はどうすれば良いですか?

これまで考えてきたセクシュアリティのスタンスに合わせて、いつカミングアウトをしたいのかによって履歴書の記入内容を考えましょう。

近年は就活生や転職者の負担を考慮した企業や就職サイトも徐々に増えてきました。たとえば、性別欄の「任意記入」や「性自認の性で記入可能」と明示されていたり、「その他」欄が設けられていたり、そもそも性別記入欄を廃止しているところもあります。ここでは、こうした配慮がない場合の書き方を紹介します。

1. 性別欄

  1. 選考前からはっきり伝えたい場合
    性自認の通りに記入して、備考欄にたとえば「トランスジェンダーなので戸籍性は男性、性自認は女性です」と説明する。
  2. 入社後もしばらくはしない場合
    戸籍性の通りに記入する。
  3. ESでは伝えず、面接の様子を見て決めたい場合
    一旦は戸籍性の通りに記入して、様子を見る。
  4. 面接中または内定後には必ず伝えたい、聞かれたら伝えたい場合
    性自認の通りに記入して、手続き上必要なタイミングで伝える。 ただ書いているうちにしんどくなってしまうこともあります。セクシュアリティに関する記述は単独で書くのではなく、自己PRや志望動機に合わせて書いた方が、相手に伝わりやすくおすすめです。

Xジェンダーの人も同様に備考欄や志望動機、自己PR欄を活用しましょう。

2. 氏名欄

通称名で問題ありません。しかし、入社後に保険等の手続きを行うため、選考中、または内定後には相談する必要があります。それを踏まえて戸籍名と通称名を並列して記入し、備考欄に説明書きをする方法もあります。

3. 証明写真

自認する性別で問題ありません。証明写真の目的は本人確認なので、選考時や入社後に望むセクシュアリティに合わせるとよいでしょう(→清潔感のある照明写真の撮り方)。

Q. MtF履歴書の性別蘭には性自認の性別を記入しました。内定後にカミングアウトしたら、虚偽記載だったといわれ、問題にならないですか?

戸籍の性別と異なる性別を記入したからといって、虚偽記載にはなりません。内定後・入社後の戸籍提出時など、自分が希望するタイミングで伝えましょう。

万が一、企業から虚偽申請だといわれ問題になった場合は、労働情報相談センターに連絡するなどして、毅然とした対応をとりましょう。

Q. 女子校出身のトランスジェンダー(FtM)です。履歴書を提出する際にカミングアウトする必要がありますか?

場合によっては、記入ミスだととらえられてしまう可能性もあります。嘘を書いているわけではないのでそのままでもよいですし、口頭で説明することが不安な場合は、性別欄にトランスジェンダーと書いたり、備考欄で補足してもよいでしょう。

備考欄に書かなかった場合は質問を受ける可能性は高いので、その際に焦ったり、いいよどむことでマイナスな評価につながらないよう、「自身がトランスジェンダーであり、性自認に合わせた就業をのぞんでいること」を簡潔に口で説明できるように練習しておけば、安心して面接を受けられます。決して悪いことをしているわけではないので、自信をもって説明しましょう。

POINT

  • トランスジェンダーは性自認に合わせて用意するかどうかをセクシュアリティのスタンスに合わせて決めていこう
  • 性自認に合わせた履歴書が虚偽申告になることはない

>>次のコラムへ

>>LGBTのための就活・転職ガイドまとめ


検索

  • セクシャリティ診断ツール
  • 企業担当者の方向けLGBTフレンドリー企業マニュアル無料配布中
JobRainbow