先輩の体験談 JobRainbow代表・星の場合 【LGBT就活・転職ガイド 4-4】

ライター: JobRainbow編集部
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1回目の就活は失敗、内定がゴールになっていた

大学3年生の夏に、外資系IT企業でサマーインターンの選考に参加したのが初めての就活でした。当時、大学2年生のころから代表をしていたLGBTサークルで、ゲイレズビアンの先輩が就活に前向きになれずフリーターになったり、トランスジェンダーの先輩が面接中にカミングアウトして帰らされたりしたのを見聞きしていました。それで就職に対しての不安が強く、早く動かねばと、まだめずらしかったインターンに参加しようと思ったのです。

そして参加した1カ月間のインターンで初めて、社内のLGBTサークルでオープンにしているLGBT社員の人たちに出会い、「LGBTフレンドリーな会社」の存在を知りました。真っ先に「こんな会社があることを知っていたら、こんな素敵なロールモデルに会っていたら就活を諦めてしまった先輩達も報われたんじゃないか」と思ったことを覚えています。

ただ当時は、すぐ起業しようとは思わず、その後、「多様な社員を大切にしてくれる会社で働きたい」という思いで、比較的柔軟な雰囲気のあるIT企業中心でインターンに参加しました。

インターンは本選考と違い、志望動機よりもポテンシャルがより見られます。なので、特に自己分析やライフプラン・キャリアプランも考えずに選考を受けても合格し、インターンに参加することができていました。

そしてインターンをしたなかから、一番雰囲気が良く仕事も楽しそうで、LGBTフレンドリーな大手IT企業を第一志望に据えました。しかし、本選考ではあっけなく落ちてしまいます。

自分と徹底的に向き合った2回目の就活

その後、第二志望だったメガベンチャーの内定を辞退して、大学院に行くことを決めました。その時に、第一志望の企業の人事に「次の就活では自己分析を徹底的にしろ」とアドバイスをもらったのです。

それから2カ月近く、物心がついた幼稚園のころから思い出せる限りのすべての経験と、その時々で自分が何を感じたのか、どう成長したのかを書き出しました。

そうすると、それまで漠然としていた「自分がどんな人間なのか?」「どう生きたいのか?」といった考えや理由がクリアになり、その後10年間のキャリアプラン・ライフプランが自然と浮かんだのです。

まず見えてきたのは二つの軸でした。過去にゲイであることから苦しんだ経験を生かして、社会にある生きづらさを解決したいという思い。不登校の時、オンラインゲームに救われた経験からテクノロジーを用いて社会貢献したいという思いです。

そのうえで、カミングアウトしたことで生産性が上がり、人生まで豊かになった体験から、LGBTフレンドリーな会社に入りたいと考えるようになりました。

結果として、学部時代に落ちた大手IT企業にくわえ、外資系メーカーのマーケティング職の内定をもらいました。

インターン中に立案した事業アイデアで起業

内定後はそのまま入社することを考えていましたが、実はこの時、新規事業立案インターンでLGBT求人サイト「JobRainbow」の事業アイデアをすでに形にしていたのです。

そして、「今後10年間のキャリアプラン・ライフプランをかんがみると、自分にとってベストな選択肢は就職ではなく独立してこの事業をやることだ」と思いいたり起業を決断しました。

一言メッセージ

徹底して自分に向き合った就活の経験から学んだことや考えたことは、今でも経営の意思決定、人生の意思決定に役立っています。
今、もしかしたら辛い状況に立たされている人もいるかもしれません。ですが、その経験がきっとこの先10年、20年にわたって役に立つと思い、自分自身に向き合ってもらえたら嬉しいです。

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