内定取消しの対処法【LGBTの就活・転職ガイド 7-5】

ライター: JobRainbow編集部
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内定取消しが認められる場合とは?

内定後、入社するまでの間に企業から内定を取消されることを「内定取消し」といいます。就活生は就業開始の2週間前まで内定辞退をすることができますが、企業は基本的に内定を取消すことはできません。約束された雇用契約を一方的に取消すという意味において、内定取消しは「解雇」と同様ともいえ、よほどの理由がない限り認められることではないのです。

過去には相当の理由なく内定取消しを行った企業が内定者から訴えられ、内定取消し無効の判決が出た事例もありました。では、どんな理由ならば企業側の内定取消しが認められるのでしょうか。以下の4つが挙げられます。

  1. 内定後の事情から、内定者を雇い入れると人件費が経営を圧迫して行き詰まることが明らかであり、既存の社員の解雇を回避するためには、内定取消しがやむを得ない場合
  2. 内定者が、内定後に病気や怪我をしたことによって正常な勤務ができなくなった場合
  3. 内定後の調査により、内定者が申告していた経歴や学歴の重要部分に虚偽があったことが判明した場合
  4. 内定者が、大学を卒業できなかった場合
    (※労働問題弁護士ナビ「内定取消しの理由と不当な取消しを受けた場合の対処法」より)

1.の場合は、企業として内定取消しを防ぐ最大限の経営努力を行うことが求められます。学生側の問題を理由とする2, 3, 4の場合、内定通知前に知ることができた事情については内定取消しの理由として認められません。

LGBTであることを理由に内定取消しはできない

企業は1〜4以外の理由で内定取消しをできないにもかかわらず、「内定通知後にLGBTであることをカミングアウトしたら内定取消しをされた」というケースも残念ながら発生しています。

万が一、カミングアウト後に内定取消しにあってしまった場合、まずはその理由を確認しましょう。1〜4の理由だったときは気持ちを切り替えて、速やかに次のステップに進んでください。

しかし、もし以下の2つの理由だったときは、LGBTを差別した不当な内定取消しと言えます。

(ア)LGBTを雇うことはできない
(イ)選考過程で、セクシュアリティの関する虚偽申告があった

これらは法的に認められない差別です。セクシュアリティと職務上求められる能力とは関係がなく、いかなるセクシュアリティであってもそれを理由に解雇すること、差別することは国の方針としても認められていないからです。内定者本人に落ち度はひとつもありません。

内定取消しではありませんが、過去にセクシュアリティが原因で解雇された従業員がいました。その人が起こした裁判では「解雇は無効である」という判決が出ています。

「選考時と異なるセクシュアリティである」ということは、内定取消しの理由になりえません。

まずは専門家に相談しよう

(ア)、(イ)のいずれかで不当な内定取消しであることが判明した場合、法的には無効とされるべきです。しかし、実際は弱い立場である内定者があきらめ、泣き寝入りしてしまうケースがほとんどです。

専門家から適切なアドバイスをもらうため、まずは「総合労働相談コーナー」に相談することをおすすめします。また、企業を信じてカミングアウトしたからこそ、精神的なダメージも相当に大きいものでしょう。セクシュアリティに関する悩みは、「よりそいホットライン」などを活用してください。

そのうえで、一度冷静になってから「そんな企業はこちらから願い下げだ」と断る選択肢もあります。あるいは状況を整理したうえで事実を伝え、企業に内定取消しの無効を求めたり、弁護士に相談したりすることもできます。

一方、企業に内定取消し無効を求めた結果、企業側が誤りを認めて取消しがくつがえったとしても、その企業に入社して自分らしく働けるか疑問が残ります。就活の場合は、就活の残り時間を考え、就活浪人の可能性も視野にいれたうえで、本当にその企業でよいかどうか立ち止まって見極めましょう。

再び就活をはじめるにしても、就活シーズン後半に採用活動を行う企業はたくさんありますし、LGBTフレンドリーな企業も年々増えています。「企業や人を見る目を養うことができた」とできるだけ前向きにとらえ、自分に合った企業にめぐりあえるよう、あきらめずに挑戦してください。

先輩の体験談 おおちゃんさんの場合 【LGBT就活・転職ガイド7-6】
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Q. 内定式取消しが不安で、カミングアウトしたいけれど迷っています。

企業はLGBTであることを理由に内定を取消すことはできません。カミングアウトしてから入社することを強く希望するならばこのタイミングで伝えるのがよいと思います。

しかし、喫緊の課題がありカミングアウトをする必要がある場合以外は、内定式や入社後の様子をみてから決めても遅くありません。焦らずに、今後のライフプラン・キャリアプランから逆算して、自分にとってよいタイミングを考えてみてください。

POINT

  • まずは一度冷静になって、内定取消しの理由を確認する
  • 企業側の内定取り消しが認められる場合は、気持ちを切り替えて次のアクションをとる
  • 不当な内定取り消しの場合は総合労働相談コーナーに相談する

参考・引用文献

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