レズビアンを公表している芸能人まとめ【日本&海外】
レズビアンとは、「自身を女性と自認し、かつ性的指向が女性であるセクシュアリティ」のことです。近年LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった、セクシュアルマイノリティの総称)の認知が広まり、当事者によるカミングアウトも増えてきました。
知名度のある方のカミングアウトには、LGBTへの理解を促進するだけではなく、自身のセクシュアリティで悩んでいる人に自分だけではないんだと勇気を与えたり、ロールモデルになったりするという力があります。
今回はレズビアンであることを公表している芸能人、著名人の方を国内外問わずご紹介します。
LGBTを公表している有名人まとめ 日本&海外【4/12 更新】
レズビアン とは?女性を愛する女性のはなし。【用語解説】
日本の芸能人
1. 一ノ瀬文香
2009年に『FLASH』でレズビアンであることをカミングアウトしたタレントの一ノ瀬文香さんは、女優の杉森茜さんと2015年に事実上の結婚をされました。
二人は区役所に婚姻届を提出するも「不適法」だとして拒否されています。
(参考;同性婚の一ノ瀬文香と杉森茜、婚姻届提出も不受理 https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1473438.html)
その後2017年に破局されていますが、一ノ瀬さんはLGBT支援の活動を精力的に行っています。
「レズビアンだなんてもったいない」と心ない言葉をぶつけてくる男性には「男性からナンパもされるし、プロポーズされたこともある。けど、それと同じくらい女の子にもモテる。もしも私がレズビアンじゃなかったら、私のことを応援してくれている女の子たちから『もったいない』って言われるんだよ!」と言い返す、という一ノ瀬さんの姿勢には勇気づけられます。
(参考:「性の目覚め」までセキララに明かした理由――“同性婚”をした一ノ瀬文香に聞く https://joshi-spa.jp/483358?cx_clicks_prev_artmdl=title )
【なぜ必要】日本で同性婚の実現は可能?パートナーシップ制度との違いや社会への影響も解説!
2. 滝沢ななえ
元バレーボール選手、現バレーボールコーチ・タレントの滝沢ななえさんは22歳のときドラマ「ラストフレンズ」を見て自身がレズビアンだと自覚しました。それまでは「女性を好きになる」ということを想定しておらず、男性と交際してもしっくりこないので、周囲の「恋バナ」に温度差を感じていたと言います。
レズビアンであることを自覚してからも日本ではカミングアウトしているアスリートの数が少ないことや、周囲のイメージとのギャップから「ファンを裏切ることになるのではないか」と現役時代はカミングアウトをすることに恐れがあったそうですが、先にカミングアウトをしていた勤務先のジムの代表の「セクシュアリティで悩んでいる人もいるだろうから、その人たちのために何かできたらいいね」という励ましもあり、2017年に放送されたテレビバラエティにてレズビアンであることをカミングアウトしました。
滝沢さんは「まだ日本がこういう状況だから。私が言いたいのは『その人はその人だ』ということ、レズビアンであることは『”普通”のことだから』と伝えていきたいです」と、セクシュアルマイノティの人々を励ましています。
(参考:「レズビアンだと気付けて、めっちゃ嬉しかった」元バレーボール選手・滝沢ななえさんがカミングアウトした理由https://www.huffingtonpost.jp/soushi-matsuoka/irodori-closingevent_a_23364663/)
海外の芸能人
1. カーラ・デルヴィーニュ
カーラさんは過去に男性との交際報道もあるのですが、彼女の発言に勇気づけられる人も多いと思われるため紹介させていただきます。彼女はアメリカの女性シンガーソングライターであるアニー・クラークさんとの交際が報じられた際、記者に対して次のように述べています。
私はもちろん恋しています。だから、世間の人が私のことを同性愛者だと言いたいなら、最高です(中略)でも、人はみな今のままではありません。私たちは変わり、成長します」
女優カーラ・デルヴィーニュ「私を同性愛者と言いたいの? 最高です」https://www.huffingtonpost.jp/2016/08/03/cara-delevingne_n_11326890.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
また、最近は今年6月に交際を公表した女優のアシュレイ・ベンソンさんと婚約したのではとも言われています。
(参考:カーラ・デルヴィーニュとアシュレイ・ベンソンが婚約か https://front-row.jp/_ct/17286594)
2. ジョディ・フォスター
1988年の『告発の行方』と1991年の『羊たちの沈黙』で二度アカデミー主演女優賞を受賞したことで知られるジョディ・フォスターさんは、2013年ゴールデン・グローブ賞でレズビアンであることを暗にカミングアウトし、2014年には女性写真家のアレクサンドラ・ヘディソンさんと同性婚をしました。(参考:米女優ジョディ・フォスターが同性婚 https://www.cnn.co.jp/showbiz/35047022.html )
彼女には二人の子供がいますが、父親は公表されておらず、人工授精であるという説が有力です。
3. キング・プリンセス(KingPrincess)
その名前からもジェンダーを攪乱しようとする意識が読み取れるキング・プリンセス(ミカエラ・ストラウス)さんは、2018年2月にリリースしたデビューシングル「1950」で一躍クィア(セクシュアルマイノティの総称)な愛を歌うティーンシンガーとしての地位を築き上げました。
I hate it when dudes try to chase me
訳は「クィアな愛を歌う19歳:キング・プリンセスinterview」 https://i-d.vice.com/jp/article/vbxw4j/you-probably-know-her-debut-single-1950-now-get-to-know-king-princess より引用
But I love it when you try to save me
男たちが私を追いかけるのは大嫌い だけどあなたが守ってくれるなら それも大好きになる
「1950」はのちに映画『キャロル』の原作にもなったパトリシア・ハイスミスによる小説『The Price Of Salt』(1952)にインスパイアされた楽曲であり、MVや歌詞は1950年代のWLW(WLW: women-loving-women、女性を愛する女性)カルチャーへのリスペクトに満ちています。1950年代のアメリカは〈ラベンダー色の脅威〉と呼ばれるアイゼンハワー政権による同性愛者に対する抑圧が横行し、同性愛者にとって決して良い時代ではありませんでしたが、大都市にレズビアン・バーのようなレズビアンによる親密なコミュニティが芽生えた時代でもありました。
(参考:キング・プリンセスと紐解く、レズビアンカルチャーの密やかな歴史 https://i-d.vice.com/jp/article/nexn37/secret-history-lesbian-culture-king-princess )
1950年代のレズビアン・カルチャーを、価値観をアップデートしつつポップカルチャーの最前線に提示するキング・プリンセスさんの挑戦から目が離せません。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
この記事を執筆するにあたって、流動的なセクシュアリティを扱うことの難しさを感じました。本人が「バイセクシュアルである」と名言している方(最上もがさん、壇蜜さんなど)は除きましたが、厳密にはバイセクシュアル、パンセクシュアルだと思われる方も含まれています。
また、特に国内で顕著に見られたのですが、レズビアンの芸能人を紹介する記事にレズビアン「疑惑」「衝撃の」「まさかの」といったマイナスのニュアンスを含んだ言葉が使われていることに、この国では未だに同性愛への偏見を持っている人が多いのだろうかと感じさせられました。せっかくの勇気あるカミングアウトも、受け取り手の考えが成熟していなければ仕方がありません。
芸能人のカミングアウトは多くの人に勇気を与えることができますが、他人のセクシュアリティを話題にするときは細心の注意が必要です。アウティングによって命を落とすこともあります。
セクシュアリティを勝手に公表してはいけないのはもちろん芸能人においても同様で、週刊誌にゲイであることを報じられ、それがきっかけとなって引退してしまった俳優もいます。すべてのセクシュアリティをフラットに扱うことができる社会になることを望みます。