【「偏見」とは違う?】レズビアンの特徴とは【共通するものなんてある?】
みなさんは、「レズビアン」という言葉の意味をご存知でしょうか。
レズビアンとは、自身を女性と認識し、性的指向(性的魅力を感じる対象がどのような人であるかということ)が女性のセクシュアリティのことです。
近年の「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった、セクシュアルマイノリティの総称)」への関心の高まりとともに、「レズビアン」の認知も進んできました。
最近では、女性同士の恋愛を描くドラマの制作が決定する一方で、監督の「女性同士の恋愛を描くつもりは全くありませんでした」との発言が波紋を呼んでいます。(参考:馬場ふみか 小島藤子と女の子同士で引かれ合う役 野島伸司脚本第3弾「百合だのかんだの」制作決定)
このように、なにかと話題に上ることが増えてきた「レズビアン」ですが、「男性嫌い」「スキンシップ過多」などのレッテルを貼られることが多いのも事実です。
では、それらのレッテルは本当にレズビアン全員に当てはまるといって良いのでしょうか。以下のサイトを参考に、考えてみました。
- レズビアンの私が”レズビアンの特徴や見分け方12選”が正しいのかどうか”証明したいと思う。
- 世にいう「レズビアンの特徴」は正しいのか
- 女性の同性愛者(レズ)の特徴・見分け方:友人がレズだとわかったらどうしたら良い?
※引用元サイトのタイトル通り「レズ」と表記しましたが、もともと「レズ」とは女性同性愛者に対する蔑称であったため、JobRainbowでは「レズビアン」と表記します。
「ゲイに共通する特徴」とは?【これって本当?】
レズビアン とは?女性を愛する女性のはなし。【用語解説】
これって本当?
1. 男性嫌い?
レズビアンが男性を嫌いかどうかは、人によります。
男性に対して嫌悪感を持っているレズビアンの方もいれば、そうではないレズビアンの方もいるでしょう。
性的指向と、特定の性別の人全体を好きかどうかは関係がありません。
男性に苦手意識を持っているからレズビアン、とは限りません。男性に苦手意識があるヘテロセクシュアル(性的指向が異性のセクシュアリティ)の女性もいます。
性的指向とは?変わることもあるって本当?【「性的嗜好」じゃない!】
「ヘテロセクシュアル」って何?~「当たり前」なんかじゃないよ、異性愛!~
2. 結婚、婚活に興味がない?
これはある意味では正しく、ある意味では正しくありません。
現在、日本では「同性婚」が認められておらず、「結婚」、「婚活」は異性同士の結婚を指すことがほとんどです。
ですが、同性のパートナーと結婚をしたいと望んでいるレズビアンの方は少なくありません。同性カップル13組が同性婚を認めないのは「違憲」であるとして国を相手に裁判を起こしたことも記憶に新しいです。(参考:同性婚認めないのは「違憲」 カップル13組が一斉提訴)
他にも、レズビアンとゲイで友情結婚をするケースや、トランスジェンダー(社会から割り当てられた性と自認する性が異なるセクシュアリティ)女性とシスジェンダー(身体的性と自認する性が一致するセクシュアリティ)女性が結婚をしたケースもあります。(参考:ゲイ×結婚|ゲイだけど女性と結婚することを選んだ人のお話・幸せになるための選択――レズビアンカップルが“子育て”という権利を得るために)
「レズビアンは結婚とは無縁」と決めつけず、日本に浸透する異性愛中心主義に疑問を持つ視点が必要です。
【なぜ必要】日本で同性婚の実現は可能?パートナーシップ制度との違いや社会への影響も解説!
3. スキンシップが多い?
レズビアンであれば(同性への)スキンシップが多いかというと、これも人によるでしょう。
レズビアンであることが周囲に気づかれないように意識してスキンシップを控えている方もいます。
レズビアン「だから」スキンシップが多いということはありません。
女子校出身である筆者の個人的な意見では、女子校出身者はセクシュアリティにかかわらずスキンシップが多いような気がします。在学中の名残でしょうか。
4. 片方の耳にピアスを付けている?
右耳だけにピアスをするのはゲイ、左耳だけにピアスをするのはレズビアン——。
レズビアン、ゲイの特徴として「片方の耳だけにピアスを付けている」ことが時折挙げられます。たしかに昔はそういった意味合いが強かったのですが、今となってはその意味合いも薄れてきました。
「おしゃれだから」、「片方開けて、痛みで心が折れた」など、片方だけのピアスにはさまざまな理由があります。
片方の耳だけにピアスをすることを想定してか、一つだけで売られているピアスも多いです。
5. ボーイッシュ?
レズビアンはボーイッシュな服装を好むというイメージを持たれることもあるようですが、これも偏見です。
レズビアンはあくまでも「自身を女性と自認し、性的指向が女性のセクシュアリティのこと」であり、トランスジェンダーではありません。もちろん、トランスジェンダーかつレズビアンの方もいらっしゃいますが、「レズビアン=トランスジェンダー」ではありません。
また、レズビアンの間では見た目・ファッションが「女性的」なレズビアンを「フェム」、「男性的」なレズビアンを「ボイ」と呼ぶ場合がありますが、このことからも「見た目がボーイッシュ=レズビアン」ではないのがわかります。
当事者を傷つけないために
ここまで見てきたように、レズビアンの方を外見で判断することはできません。それでもレズビアンの方は確実に存在しますし、あなたの身近な人がカミングアウトしていないレズビアンの方である可能性もあります。そういった方を傷つけないよう、普段から言動には気をつける必要があります。
例えば、「彼氏いるの?」という質問が、レズビアンの方にとっては「女なら男の恋人がいるべきだ」という規範の押し付けに聞こえてしまうこともあります。どうしても恋人の有無を知りたいときは、「付き合っている人はいるの?」「恋人はいるの?」など性別を特定しないかたちでの問いかけにするなどの配慮をしましょう。
また、上記のような偏見が飛び交うのは、世間がレズビアンの実態について知らないままにイメージで語ってしまっているからではないでしょうか。
まずはネット上の様々な記事にアクセスすることで、レズビアンについて正確な知識を得ることができます。
おわりに
この記事では、レズビアンがさらされる偏見と、その信憑性について考え、不用意に当事者の方を傷つけないために心がけるべきことについても述べました。
これはあらゆるセクシュアリティに関して言えることですが、人は「ある特定のセクシュアリティ」である前に、一人の人間です。一人の人間であるからこそ様々な違いがあり、一括りにして特徴を語ることなどできませんし、対等な立場で真摯に向き合うことが必要です。