「ジョブレインボーLGBT仕事博2020」レポート【日本最大のLGBTフレンドリー企業合同採用イベント】
2020年9月26日(土)、27日(日)の2日間にわたり、私たちJobRainbowは日本最大のLGBTフレンドリー企業合同採用イベント「ジョブレインボーLGBT仕事博2020」を開催しました。2日間で、参加してくださった人数はのべ1103名。
たくさんのご参加、ありがとうございました!
今回の記事では、
「どの日程も参加できなかったけど、内容だけは知りたい!」
「1日目だけ参加したけど、できれば2日目の内容も知りたかった……」
といった方々のために、実際に参加してくださった方々の声も紹介しながら、イベントの内容をまとめます!
このレポートを読んで、
「JobRainbowを利用したい!」
「もし今後同じようなイベントが開催されるなら、参加してみたいな……」と思われた方は、ぜひこちらから無料会員登録してください!
参加者の満足度
まず気になるのは、参加してくださった方々の満足度。各日程それぞれ以下のようになっております(5段階評価で3以上のスコアをつけた人の割合です)。
- 9月26日(土)10:00〜13:00
満足度:97.1% - 9月26日(土)15:00〜18:00
満足度:97.1% - 9月27日(日)10:00〜13:00
満足度:85.7% - 9月27日(日)15:00〜18:00
満足度:89.4%
全日程の全日時、85%以上の方々に満足していただけました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
さらに、「今後このような就活・転職イベントをまた開催してほしいと思いますか?」というJobRainbowのアンケートに対して「開催してほしくない」と答えた方は、なんと0%。5段階評価で3をつけた方が9.4%いるのみで、90%以上の方から「また開催してほしい」との回答をいただきました。
では、そんな今回の「ジョブレインボーLGBT仕事博2020」はどのようなイベントだったのでしょうか?
振り返っていきたいと思います。
イベント形式
「ジョブレインボーLGBT仕事博2020」は、当初渋谷ヒカリエのホールで行う予定でした。しかし、コロナ禍において参加してくださる方々の安全を確保するべく、remoというオンラインツールを使ってすべてオンラインで完結するように形式を変更(初めて利用する方に向けて、イベント開催前には使用マニュアルを公開)。
これにより東京だけでなくあらゆる場所からの参加が可能となり、中にはアメリカから参加してくださった方も!
また、アウティングなどを防ぐために事前申し込み制&プライバシー保護の観点からカメラオンの義務なしに。こちら、多くの方から「この形式はこれからのイベントでもぜひ導入して欲しい」といったお声をいただきました。
イベントのオンライン会場は、
- 各企業の採用担当者とお話しできる「ブース会場」
- 各企業のプレゼンを聞ける「ステージ会場」
の2会場があり、それぞれ別のプログラムが進行。
次の章からは、参加してくださった方からいただいた声をとりあげながら、それぞれの会場で行われていたイベントの内容を掘り下げていきます。
イベント内容〜ブース会場編〜
ブース会場は、各企業のブースに参加者がアクセスし、気になる企業の採用担当者と座談会形式でざっくばらんに話せるようになっていました。
なお、「どこに行ったらいいかわからない」「操作方法がわからない」といったトラブルに備え、各ブースを定期的にJobRainbowスタッフが周回しておりました。
出展企業
どちらかの日程しか参加できなかった企業もあるのですが、2日間で下記の20社がブース出展しました。
- LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパン
- ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ
- 株式会社TBM
- チェリオグループ
- ソフトバンク株式会社
- Talknote株式会社
- 株式会社賢者屋
- 株式会社ベルシステム24
- 株式会社KDDIエボルバ
- PwC Japanグループ
- シスコシステムズ合同会社
- EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
- マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン
- 東急不動産株式会社
- 株式会社クレバーカンパニー
- R&C株式会社
- 日の丸交通株式会社
- 株式会社物語コーポレーション
- 社会福祉法人優心会
- 株式会社アワーズ
ジョブレインボーLGBT仕事博2020に出展する背景やダイバーシティへの想い・取り組みなどは様々。JobRainbowのインタビューにも、企業ごとの特色が出ています。
- 国内最大級のLGBT+コミュニティ!EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングが伝えたいこと──個の多様性を活かしたより良い社会の構築
- モエ ヘネシー・ルイ ヴィトンの伝統と革新を支える多様性とは?
- ベルシステム24は、LGBTQだけでなく27000人の社員の「個」に向き合います!
- PwC JapanはLGBTが本当に働きやすい!プロフェッショナル集団のカルチャーに迫る
- 「個性は、可能性。」日の丸交通によるLGBT推進への情熱とは
- 東急不動産のLGBTの取り組みと、都市開発とのつながりとは?
- クラウドサービスで社会に「Love&Happy」を。Talknoteの魅力とダイバーシティ
- ソフトバンクがLGBTフレンドリー採用イベントに出展する理由とは
- エコロジーとエコノミーの両立だけじゃない。TBMが真のサステナビリティ実現のために追い求めるダイバーシティ&インクルージョン
- LGBTに本気な、飲食業界屈指の上場企業!物語コーポレーションの「個」
- ファンの熱量を可視化する!ITベンチャーSKIYAKIがLGBTを考える理由とは
- 手がけたLGBTの結婚式は10組以上。グローヴエンターテイメントの多様性
- LGBTの社員が語る、人財会社エージェントの取り組みや魅力
- スープストックトーキョーがLGBTへの取り組みを始めるわけ
企業ブースに寄せられた声
では、こちらのブース会場にはどういった意見が寄せられたのでしょうか。実際に参加してくださった方々の意見を見てみましょう。
興味を持てる会社がないことを思い切って相談したら、どんな人と働きたいかと企業理念や特徴、他の会社との違いの観点から見ていくという、今までとは異なった見方を教えて下さり、就活をポジティブに思えました。
単純に、会話が楽しかったです!ちょっとした質問でも答えて下さって嬉しかったのと、こちらがうまく言えなかったことも汲み取って理解してくださったので、質問しやすかったです!ありがとうございました^^
オンラインブースで、予め続いていた会話に参加するのは心苦しかったのですが、和やかに迎えていただけた。
実際の会場では経験できないリモート会場ならではの親近感と、周りに流されず一対一でお話ができる機会をいただきました。
非常に丁寧で、社員の方の話し方や表情からも社風が伝わってきた。 質疑応答の時間も多く取っていただき、貴重なお話を聞いたり、こちらの話を聞いていただいたりと、満足できる内容となった。
オンラインで自由に話を聞きに行ける座談会形式だったからこそ、深い話ができたり、採用担当者との会話を通じて社風がより伝わったりといった、大人数に向けた合同説明会とは違ったポイントを評価してくださった方が多かったようです!
イベント内容〜ステージ会場編〜
ステージ会場では、JobRainbowスタッフの司会進行のもと、各企業が自社の事業内容や伝えたいメッセージを25分間でプレゼン。質疑応答タイムもあり、参加者と登壇者が双方向でやりとりできる場となりました。
また、企業によるプレゼン以外に、「自分らしく働く」ための特別講座の時間もありました。
それぞれ、開催日時ごとに紹介していきたいと思います。
1日目 10:00〜13:00
この回では、
によるプレゼンが行われました。
プレゼンの形式は企業によって様々でしたが、今回使用したremoというツールには匿名で質問できる機能があったため、そちらを使って多くの方からプレゼンターに質問が寄せられました。
随時、質問を見てくださった点が、双方向的にお話を聞けているように感じられて良かったです。
こういった声もいただいており、次回以降のイベントにも匿名での質問機能は積極的に取り入れようと考えています!
1日目 15:00〜18:00
この回は、企業によるプレゼンテーションだけでなく、就活ミニ講座とスペシャルトークイベントが開かれました。
プレゼン企業は、
の4社。どの企業のプレゼンにも多くの方が参加しました。
LGBT社員に対しての企業の姿勢が垣間見える企業説明だった
社員を大切にしてくれる、協力して仕事に取り組むことが強調されており、大変好感が持てました
11:05〜11:30には、人事HRコミュニティ「ダイバーシティHRラボ」の主宰で、JobRainbowの人事顧問も担当している佐藤彰悟さんによる「現役人事による!「自分らしさの伝え方」」というミニ講座を開催。
これまで、自分が思う自分を伝えられていなかった、企業が採用したい人物像に無理に合わせてしまっていた事に気がつけました。 参加して、とても勉強になりました。
企業が採用したい人物像と自分の価値観のマッチングについて、現役人事の視点からアドバイスした本講座は、参加者の反応もよく、ユーザーから寄せられたコメントの数が本イベントで最多となりました。
17:35〜18:00には、「女の子らしく」をかなえるレッスンスクール乙女塾の西原さつきさんとJobRainbow代表 星賢人によるスペシャルトークイベント、「「働く」と性別移行。みんなは実際どうしてる?」を開催。
参加者の質問やお悩みに2人が答える形で進行。
タイトルこそ「働く」というキーワードが登場していますが、最終的には「働く」を超えた「生きる」と「性別移行」にまつわる人生相談会のようなイベントとなりました。
2日目 10:00〜13:00
2日目の前半は、1日目の前半と同様、企業によるプレゼンが中心。プレゼン企業は、
の6社。
メーカーから保険会社まで、幅広い企業によりプレゼンが行われました。
どちらの会社様も、とても親切に時間をかけてこちらの質問に回答してくださった
丁寧に会社や業務内容、制度について質問・回答をしてくださった
業界こそ多岐にわたっていますが、一人一人を大事にするD&Iへの想いがあるからこそ、どの企業も「目の前の”個”」への対応が丁寧だったのでしょう。こういった意見が数多く寄せられていました。
2日目 15:00〜18:00
2日間のしめくくりとなるこの時間帯には、4社がプレゼン。
東証一部上場の大手企業から急成長中のベンチャー企業まで、4社それぞれまったく異なる特徴を持った企業。
参加者に実施した「特によかった企業プレゼン」のアンケート結果を見てみると、どの企業にも同じくらいの票が入っており、それぞれのニーズにあったプレゼンだったことがわかります。
また、2日間のイベントの最後となる17:05〜17:30には、JobRainbow代表の星賢人による就活講座を実施。
テーマは、
「自分らしい「ライフプランとキャリアプラン」の作り方」
「就活/転職で気をつけたい”自分らしく”と”自分勝手”の考え方」
の2つ。
星さんのミニ講座を聞いて、今まで就活においてキャリアプランのことばかり考えていましたが、ライフプランも大切だと感じました。焦りを感じることも多いですが自分史やキャリアプラン・ライフプランにも時間を掛けていきたいと思います。このイベントでしか聞けない話や聞けない質問が多くありました。就活の参考にしていきたいと思います。オンラインでの開催、ありがとうございました。勇気づけられました。
「自分を知っている!」と自信がある人ほど、他社に伝わりやすいよう自分史を文字に起こして言語化をしたり、モチベーショングラフを作り振り返ったりするべきだ、など「自分らしさ」の本質を考えられるオリジナルな内容となっていました。
次の課題
今まで、LGBTフレンドリーな企業による合同説明会はReal JobRainbowなど数回行ってきましたが、今回は初の完全オンライン形式となるイベント。それゆえに、数多くの課題にも直面しました。
求人・企業情報
求人情報や参加企業の幅について、以下のようなお声をいただきました。
もっと色んな職種を紹介して欲しいです!営業、IT、接客、同じような職種ばかりだと転職は難しいと思います。増やしたいのもそうですが、リモート勤務の柔軟性やフレックス制・パート勤務ができる企業はもっと欲しかったです。
関西情報をもっと流して欲しい。
関西限定の企業のオンライン開催をして欲しい。
もう少し新卒採用枠に特化したイベントを開催してほしい
当方理系のため、理系の参加企業をもっと増やしてほしい。
今回の参加企業は、全国に勤務地がある企業や大阪・和歌山の企業など、東京以外を拠点にしている企業もありましたが、やはり多くは関東を中心に事業を展開しており、「オンラインであらゆる場所から参加できるにもかかわらず勤務地は関東がメイン」ということにもどかしさを感じた方が多かったようです。
また、応募職種も満遍なかったとは言えず、せっかく魅力を感じた企業があっても職種が経験・希望と合わない、といったケースも。
「自分らしく働ける職場」の選択肢が一つでも多くなるよう、研修やセミナーを通じてLGBTフレンドリーな企業の創出にも取り組んでいきます。
開催頻度
年に一度でなく数回あると嬉しいです。
開催回数の増加を希望
基本的に私たちはこうしたイベントを年に1回開催してきたのですが、それでは足りない、というご意見をかなりいただきました。
「ジョブレインボーLGBT仕事博2020」に価値を見出してくださったからこそのご意見で、非常にありがたく思います。
これから先、開催頻度をあげることも視野に入れて、成長してまいります!
システム
最も多く寄せられたのは、システム面への意見でした。オンラインでの開催自体には「場所を選ばず参加が可能だからありがたい」など肯定的な意見が多かった一方、
オンライン開催はとても助かりました。スタッフの皆さん、お疲れ様でした。 ただ、ツールの使い方等、もう少し丁寧なレクチャーが欲しかったです。 次回以降にも期待しています。
remoの使い方があまりわからなかったため、誤反応であったり何をどの様に操作してよいのか混乱しました。
フロアを変更すると意図しないブースへ飛んでしまうため、何階のフロアに何の企業が出ているのか書かれているマップが各フロアに設置されていると便利だと思った。 ステージへ聴講すると、フロアに戻ることができずログアウトをしなければいけなかったのがネックであった。
など、使用したRemoというツールの楽しさとは裏腹に、初めての方にとって戸惑う仕様のほか、私たちからの丁寧なサポートがもっと欲しかったと言う声もいただきました。こういった点でお困りになられた方には申し訳ありません。
参加・操作方法は事前にコラムで発信していたものの、文章や動画だけではわからないこと・自分で操作して初めて直面する問題は当然多いもの。予期せぬ事態に備え、イベント冒頭で改めてツールの使い方を丁寧に解説する、「Q&A」などをまとめておく、といった配慮を次回以降心がけていきます。
おわりに
最後に、参加者から当イベントに寄せられたコメントを2つ紹介させていただきます。
「全日程参加すればよかった!」と後悔するほど素敵なイベントだった。今すぐの転職は予定していないためお試し程度に考えていたが、LGBTQ+に対する各社の理解度の高さ、柔軟な取り組みを聞いているうちに目頭が熱くなった。実際の転職の際は是非このイベントで企業を探したい。
転職活動以前に、日本にも多様性の実現に向け変わりつつある企業が存在することを知れて本当に嬉しかった。非常に勇気付けられ、日々の生活のモチベーションも上がった。ありがとうございました。
ある企業の採用担当者様(お名前を失念してしまいました)が、「LGBTQが働きやすい企業になる努力が自分達には足りていない、もっとフレンドリー感を出していきたい」とおっしゃっていたことがとても印象的でした。企業様も普通に求人広告を出しているだけでは伝えられないことが多いのだと思います。こちらのイベントや御社の取り組みが企業様の魅力のアウトプットできる場にもなっているのだろうなと感じました。
本来はLGBTQというくくりなしに人々が寄り添えあえる社会ができてほしい、と思いますが、まだ時間がかかる問題だとも感じておりますので、このようなイベントの力はこれからもっと必要になってくると思います。 まだまだ就職中ですので、今後ともイベントへの参加、求人広告の検索など、サービスをたくさん利用せていただきます。
本来は本日10:00~13:00枠のみの参加予定でしたが、無理を言って午後も少しばかり参加させていただきました。きちんと目的の企業様と話すことができました。ご配慮いただき本当にありがとうございました。 土日を通してのお仕事大変かとは思いますが、皆様何卒ご無理はなさらないようにしていただければと思います。 この度はイベントに参加させていただき、誠にありがとうございました。
コメントをいただいた時、私たちJobRainbowは自分たちの掲げたミッション・ビジョンに改めて向き合いました。
JobRainbowのビジョンは、「差異を彩へ。自分らしくを誇らしく。」
そのために、私たちができることは何でしょうか。
「自分らしく」を誇って生きるためには、「自分らしく」を誇って働ける環境が必要です。
しかし、現実はどうでしょう。
就職活動で「自分らしさ」を無理に抑え込まなければいけない人がいる。
職場での偏見に耐えながら、働き続ける人がいる。
そんな苦しみを背負わず、全ての人が自分らしく働けるよう、今の社会を「個になめらかな社会へアップグレードする」ことが私たちJobRainbowのミッションです。
JobRainbowのイベントに出展したり、求人情報を掲載している企業は、こういった想いに共感してくださった企業ばかり。
ダイバーシティ推進に力を入れている企業を知りたい求職者の方がよりリアルな企業情報を得られるよう、いただいた意見をすべて真摯に受け止めたうえで、皆さんのためになるイベントや情報発信に努めてまいります。
このレポートを読んで私たちの想いに共感してくださった方は、ぜひ求人情報サイトJobRainbowもご利用ください!
また、一緒に世の中を変えていきたい、と思ってくださった企業担当者様は、ぜひこちらからお問い合わせください。